異動による転居に伴い、当然PCも移送することになったが、会社指定の引越業者の雑な仕事で、ストレージの損傷を受けた(なんとクッションなど全くなく、普通の段ボール箱にぶち込んだだけ、しかもPCと箱のサイズが合わないので、口開けっぱなしでガムテで上を×に留めて「梱包」してあった・・・業者事前談「PCやTVのような大物梱包は自分たちでやりますのでお任せください!」←あれがプロの梱包(笑)、か...)。
その損傷を受けたPCの元を組んだのが、2018年のプレミアムレビュー
の時で、その半年後にストレージなどを増強してメインPC化した。
当時、起動ドライヴの主軸はSSDに移っていたが、まだまだTB級のものは高額で、起動に関係する最小限の部分だけはSSDにして後はHDDとか、WindowsとProgram Filesのインストールドライヴを分けるなどして、小容量SSDでなんとか運用している人が大半の時代だった。自分も、上記メインPCを常用化するにあたり、システムドライヴを、OSのWindowsや各種アプリのように「障害を受けても時間さえかければ再インストールして復活できる部分」と、デスクトップやドキュメントフォルダに一時置きすることが多い作業中のファイル類のように「障害時は取り返すことができない、もしくは大きな手戻りが発生するため安全性を担保したいもの」とに分類し、前者は512GBのM.2 SSD 2枚のRAID0、後者は512GBの2.5インチSATA SSDのRAID1に振り分け、みかけ総容量約1.5TBの「いわゆるCドライブ」として使うことにした(なおデータ長期保管庫としては4TB HDDのRAID1を別に用意)。
上記のように、システムディスクに2種4枚の512GBのSSDを使って、RAIDを駆使して容量と安全性を求めた結果、「(512GB+512GB) + 512GB(×2÷2)」とでも言うような複雑な構成をとっていたため、2TB級のM.2 SSDが比較的安価に手に入るようになっても、簡単にクローン化⇒差し替えができず、「Windows 10のサポート終了までにはやらなきゃ...」と思いつつも、ここまでずるずると来てしまった。
ただ今回、プロの犯行(嘲笑)により、SSDとHDDの両RAID 1のディスク1枚ずつが障害を受け、ともに片肺状態になってしまったのを契機に、一気にWindows 11化とシステムドライヴ、データドライヴの増量化まで持っていくことにした(最終的にシステムとテンポラリを1枚の大容量のSSDにし、データ長期保管庫は相変わらずHDDのRAID1ながら容量倍増を予定)。
そのためには、両RAID1ディスクのフルデータ(512GB SSDと4TB HDD)、およびどうしてもシステムドライヴへの書き込みとなる一部のユーザーデータのサルベージと退避をしなければならない。
その準備に、昨年の購入店会員特価日に爆安になっていたUSB HDDをあらかじめ確保してあったので、それを引っ張り出してきた。
それが、Logitecの8TBのUSB3.0(USB3.2 Gen1)接続外付HDD、LHD-EN80U3WR。
自分はPC自作も苦にならないたちなので、最近は「外付けストレージとは中身と外身は別に買ってセッティングするもの」という認識で、完成品の外付けストレージは、SSDにしろHDDにしろほとんど買わなくなってしまった。
それは価格的なメリットがひとつ大きな理由だが、もう一つ大きな理由として、バラで購入すれば「中のひと」の素性がわかるから。
製品として売られているストレージは、中のパーツのメーカーや型番がわからないことが多い。SSDはまだ様々なメーカーがあって、使われているNANDの形式、積層度、キャッシュメモリの有り無し、コントローラの優劣などあり、容量・接続形式は同じでも性能は雲泥の差。HDDはほぼ3社に絞られたが、自分には相性の悪いメーカーがあり、そこは我が家での故障遭遇率が異常に高いため避けたい。
ま、SSDにしろHDDにしろ、中身を作っているメーカーの製品を選べば、まさか中がライバル会社のパーツということはないので、どうしても「製品ストレージ」を購入しなければならない場合は、そういった中から選ぶようにしている。
ただ今回はLogitecというサードベンダーの製品。
なぜ本品を購入したか。
それは「中の人(使用部材)」が明示されていたため。
この製品、売り文句に「24時間稼働し続けるNAS用に開発された、安定性と耐久性に優れたウェスタンデジタル社製のWD Red(CMR)もしくはWD Red Plusを内蔵ハードディスクに採用」と明確に謳われている。
使用部材が、自分としては相性の良いWestern Digital(WD)というだけでなく、WD Red Plus(全機種CMR形式)もしくはCMR形式のWD Red、というのが重要で、容量効率の良い新方式のSMR形式ではなく、あえて従来形式ながら信頼性が高いCMR形式を採用、というのが大きなアピールポイントだった。
※CMR(Conventional Magnetic Recording)形式とは従来型磁気記録形式のことで、書き込みするデータが隣のデータに影響しないよう、「ガードバンド」という隙間を設けている(イメージ的には溝が重ならないアナログレコードのような記録形式?)。そのため、記録密度を稼ぎづらいが、一部のデータのみを書き換える場合に、そのデータにピンスポットにアクセスできるため、書き換え速度が速く、無駄な部分の書き換えが発生しない。また、成熟した方法なので安定性も高い。
※SMR(Shingled Magnetic Recording)形式は、Seagateによって10年程前に開発された形式で、瓦磁気記録方式とも呼ばれる通り、「瓦のようにデータの一部を重ね合わせて」記録する方式。これにより「隙間なく」データを記録することができるようになったので、容量効率は飛躍的に良くなった(それに伴い安価にもなった)。一方、一部だけのデータを書き換える際にも、その周囲に影響を与えてしまうので、書き換え時は書き換えが必要なデータだけでなく周囲まで巻き込んで「瓦の葺き直し」になる。そのため、書き換え速度が遅いのに加えて、余分な書き換えがかさむことになり、寿命に対する悪影響があると言われている。
また採用HDDがWD Red系と明記されていることで、より安定・安全と言える。WDでも一般的なHDDとして販売されているWD Blueは2年間の限定保証で、動作可能温度が0~60℃であるのに対して、NAS用で酷使されるWD Red系は3年保証で、0~65℃で動作可能とよりハードな使い方に適したHDDとなっている。最新のWD Blueの一部にはWD80EAAZのように、CMR形式のタイプというものも出始めているが、それでも保証期間と動作保証温度の差は歴然とあるので、WD Red系採用HDDの方がよりハードデューティが高いのは間違いない。
その分WD Red Plusは高額で、バルクで購入しても、同容量のWD Blueの1.5倍以上高い。
Logitecは、外付けHDDにおいて「中の人」を明示して販売することが多いメーカーだが(例:LHD-ENU3TVW Seriesは「Seagate製Skyhawkを採用」、LHD-2BRHU3 Seriesは「ウェスタンデジタル社の3.5インチSATAハードディスクBlueモデルを2台搭載」、LHD-EGEU3FRP Seriesは「ウェスタンデジタル社の「WD Red Pro」を採用」など・・・以上同社のHPより抜粋転載)、やはり安定して同一品目を確保し続けるのはコストがかかるようで、ほぼ同じ筐体ながら「中の人」が明示されていないLHD-EN80U3WSに比べて、本品LHD-EN80U3WRは1.5倍以上高額。
ただそれが、購入店の年イチのセールで、当時のバルク8TB WD Red Plusの秋葉原最安値とほぼ変わらない売価が出ていたため、思わずつかんでおいたわけ。
メインPCが、およそ容量1.5.TBのシステム系ドライヴ群と、容量4TBの長期保管系データドライヴからできていたため、それらをすべてバックアップするには、最低6TB以上の「安心できる保管用ドライヴ」が必要で、「アップグレード後のWindows 11でも問題なく接続できて」「安定性に優れていて」「製品として保証がある」外付けストレージを購入することで、パーツ寄せ集めストレージによる相性などの、別の不安要因を取り除きたかったのが購入理由。
で、モノだが、外装はそっけない。
でもこの手のストレージは使い始めたら出しっぱなしが一般的なのでそれでよいのかな。
附属品としては、
・ACアダプタ
・セットアップガイド(保証書含む)
・横置き(平置き)用ゴム足(縦置き用はあらかじめ組み込まれている)
・USBケーブル(USB3.0 Type-Aオス⇔USB3.0 Type-Bオス)
という感じで最低限。
平置きすると上側になる方(立てて置いた時、コネクタなどがある方を後ろにすると右面)は、つるつると光沢があるプラスチックで、美しいが若干傷が心配。一方逆面はシボ入りのプラなので、傷は心配ない。どうせ「上下」素材(表面処理)を変えるなら、下側(右側)に最初から横置き用ゴム足つけておいてくれた方が良かったかも(こういうのはPC設置場所が変わると、得てして置き方が変わり、その時になって探し回ることになる←イマココw)。
電源ボタンは背面にあるものの、USB接続したPC連動機能があるので、実際には使わず、接続後はほぼノータッチで使える。
端子側。電源スイッチはほぼ使わない。 ※表面処理がわかるように反射させて撮ってみた。
開腹すると保証の問題があるので、CrystalDiskInfoで中身を確認すると 「WD80EFZZ」とたしかに8TBのWD Red Plus。速さ的には、しょせんはHDDなので、SSDのスコアを見慣れた現在では、まさに桁違いに遅いが、「倉庫兼退避場所」としては速度より安定性なので。
WD80EFZZは前世代のWD Red Plusでキャッシュは128MBどまり(回転数5640rpm)。
【USB 3.2 Gen 2接続】
【USB 3.2 Gen 1接続】
10Gbps対応ポートから5Gbpsポートに落としたが変化なし。
使い勝手としては、繋いであるPCとの電源連動機能がある程度で、あとはいたって普通だが、こういったストレージは、ケーブル繋げば普通に認識されて、データを安全に保管できればそれでよいので、全く問題なし。
数日間の作業で、無事、メインPCの全データを逃がすことができたので、いよいよ
①二つの論理ドライヴと3枚のディスクに分散しているシステム系ファイルを論理ドライヴひとつに
②RAID0対応クローンツールで、①を1枚のSSDにクローン(これをWin10のバックアップとする)
③②をさらにクローンしてそれにWin11を適用する(ここでできたのをWin11バックアップとする)
④③をさらに容量が大きなSSDにクローンして、それをWin11常用システムドライヴとする
という手順を踏む(現在鋭意作業中)。
メインPCのOSは、最初期のDSP版Windows 10 Proが元ライセンスなので、OS更新後のWindows 11 Proには「インストールディスク(USBメモリ)」というものがない。また、Windows 11は、特に現時点限定配布中の最新版、24H2に不具合多そうなので、万一Windows 10に戻さなければならなくなっても、②があれば何とかなるかな。②に関してはWindows 11化したあとしばらくして問題が起きなければ、初期化して普通に使えばよいと思うし。
で、Windows 11化が問題なく行ったら、このLHD-EN80U3WRに退避させたデータはすべて戻せるので、本品は通常のバックアップ先として使える...というそういう算段で。
そういった場合でも「中の人」の素性がわかっていると安心して使えると思います。
【仕様】
容量:8TB
インターフェース:USB3.0(USB3.2 Gen1)
データ転送速度(理論値):5Gbps
動作時環境条件:温度 5℃~35℃ 相対湿度 20%~80%(ただし、結露なきこと)
入力電圧(ACアダプタ):AC100V±10% 50/60Hz
消費電力(定格):24W(ACアダプタを含む)
外形寸法(幅×高さ×奥行き):120×35×183mm(本体のみ、突起部を除く)
質量:850g(本体のみ)
設置方向:垂直/水平両対応
冷却ファン:無し
コネクタ形状:USB Type-B×1
ユニット前面装備:電源表示ランプ
ユニット背面装備:電源スイッチ、USBコネクタ×1、電源コネクタ、セキュリティスロット
保証期間:3年間
付属品:USB Type-Aケーブル、横置き用ゴム足、ACアダプタ、セットアップガイド・保証書
基本このメーカー(中の人)は裏切らない[個人の見解です]
今回、一枚逝かれたRAID1のArrayを構成していたのもWD Red(Plusではない方)だったが、あれは引越業者による雑な転居作業外部振動によるものなので...
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購入金額
31,984円
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購入日
2024年07月16日
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購入場所
ロジテックINAソリューションズ(Amazon)
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