レトルト食品専門調理器のところでも使用しているレトルトカレー、「スパイシーキーマカレー」です。この商品はネット上で話題になる事も多く、パッケージを見かけた人も多いかと。
その理由は、ズバリ価格です。めちゃくちゃ安い。
湯せんや電子レンジで温めるだけで手軽に食べられるのが特徴です。
簡単に調理できるので、時短でぱっと食べたい時に便利。手軽さとコストパフォーマンスの良さから、多くの消費者に支持されている商品です。
業務スーパーで販売されている「スパイシーキーマカレー」は、神戸物産が販売し、グループ会社の宮城製粉が製造しています。
この商品は、あらびきの鶏肉と大豆ミートを使用した中辛のキーマカレーで、3種類のクミンスパイスを配合し、香り豊かで奥深い味わいに仕上げられています。1袋あたりのカロリーは153kcal。
お皿に盛りつけてみる。ちゃんと肉肉しいキーマカレーです。
肉の粒粒がたくさんあり、こんなに肉なのに価格が安いな、と思って原材料を見ると、チキンミンチと大豆ミートでできているようです。まったく分からないし、教えてもらえないと分からない。
カレーなのにカロリーが低いのは、大豆だからですね。
意外な副産物でのメリットです。
鯵は欧風カレーに近いかも。
低価格の理由
レトルトカレー180gが150円以下という価格設定は、原価的にはかなり抑えられていると言えます。
ビジネス的な側面で原材料コストを考えてみます。
この価格帯では、原材料の品質は基本的に良くても中ランク程度と見られます。
原材料を見るとブラジル産の鶏肉が使用され、そこに牛肉エキス調味料で肉っぽさを出しています。
キーマカレーの場合は肉の割合は少なめにすることができないので、上手なコストダウンですね。
高価な牛肉や豚肉ではなく、鶏肉や粒状大豆たん白を使用。これにより、コストとヘルシーさを両立しています。粒状大豆たん白はかさ増しになるため、原価を抑えるのに効果的です。
野菜はフレッシュな野菜ではなく、加工済みの玉ねぎペーストやトマトペーストを利用。保存性が高く、大量調達しやすいです。ペーストなどの加工品は玉ねぎを炒める工程を簡略化し、手間と燃料コストを削減できます。
スパイスは業務用のブレンドが使われている可能性が高いです。
カレー独自のとろみを出すために小麦粉などを使用します。これにより、スパイス感を調整しやすく、スパイスや高価な原材料の使用量を減らすことができます。
香りが強いスパイス(クミン、クローブ、カルダモン)は少量でも配合することで、コストを抑えつつ風味を維持できます。
いろいろ紐解いていくと、計算された食品設計が見えてきて、かなり食品としての完成形に近くて唸らされます。
キーマカレーという難易度で分析
キーマカレー(ひき肉を使ったカレー)は、一般のカレーよりも原価が高くなりがちです。
以下の点が課題点です。
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肉の比率が高い
- キーマカレーは通常、肉が主役。そのため、肉をどのようにしてコストを抑えるかが鍵になります。鶏肉や大豆ミートでかさ増しし、コクや食感を補うことが多いです。
- キーマカレーは通常、肉が主役。そのため、肉をどのようにしてコストを抑えるかが鍵になります。鶏肉や大豆ミートでかさ増しし、コクや食感を補うことが多いです。
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スパイスのバランスが重要
- キーマカレーは肉の風味が前面に出るため、スパイスのクオリティが味を左右します。バランス良いスパイスブレンドを工夫してコスト削減するしかないので、生産者のセンスが問われます。
- キーマカレーは肉の風味が前面に出るため、スパイスのクオリティが味を左右します。バランス良いスパイスブレンドを工夫してコスト削減するしかないので、生産者のセンスが問われます。
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食感の維持
- ひき肉特有の食感を維持するには、適度な脂肪分が必要。脂肪分の少ない肉ではジューシーさが失われがち。油分や旨味を補うための添加物(調味料や油)を活用することが多いのですが、このカレーでは特に記載が無いの肉本来の脂でまかなっているのかと思います。
低価格のキーマカレーを市場に大量販売していくのは難しいですが、不可能ではないことを、この製品は証明しています。
肉のコストを抑える工夫や加工品の活用、そしてスパイスの調整で実現しているのですが、どれも工夫や研究の成果だと思います。品質や風味を犠牲にしすぎていないことが売れている理由だと思います。
この製品「スパイシーキーマカレー」などは低コスト良食品の好例で、肉を中心に組み合わせ、バランスの良いスパイスで低価格ながら満足感を得られるよう設計されています。
低価格でも美味い
手軽さと本格スパイスのバランスを低価格で実現した、お得で満足感のある家庭用カレー。
ここまでである程度語れてしまったので、特に語ることがないのですが、いわゆる設計という意味でのデザインが素晴らしいと思いました。
コストと味を高いレベルで共存させられる食品はなかなかないです。
企業努力とアイデアというスパイス
内容量は1袋180gで、3袋入りのセットとして販売されています。価格は店舗や時期によって異なりますが、3袋で 354円(税込)ぐらいが平均かなと思います。
180g程度のカレーであれば、原材料費はおよそ40〜60円に抑えられている可能性が高い。
これにレトルトパウチの包装コスト(材質や印刷費用)、これは10〜20円程度かなと思います。
物流や販売店へのマージンを考慮すると、10〜20円程度。
これでコストは合計60円~100円。
メーカーはこの価格帯の商品では薄利多売を狙っているため、利益率は5〜10%程度が一般的です。
こう計算すると、企業努力と工夫がすごいと感じます。
ビジネスの参考になります。
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購入金額
354円
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購入日
2025年01月17日
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購入場所
業務スーパー
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