クラウドファンディングのリターンは忘れた頃にやってくる??
比較的新しもの好きで、面白いものを開拓していくのが好きなので、クラウドファンディングはいつも大小並行で複数支援しているような状態。
そうなると、ものすごく進捗に興味があるものや高額支援を行ったもの以外は、進捗・完成のステータス管理がおろそかになりがちで、「支援リターンは忘れた頃にやってくる」。
これもそう。
缶オープナー、Draft Top LIFT 日本版。
缶ビールや缶チューハイ、缶の水割りウイスキーなど缶入りの酒類は結構ある。それを飲むためにはプルタブを開けることになるのだが、そこで開く「穴」は結構小さい。一部の具入り?のジュースやつぶ入り汁粉などの缶の開口部には大きく開くようになっているのもあるが、酒類のものはあまりヴァリエーションがない。
缶入り酒類を飲む際には、この小さな穴から直接か別容器に移して飲むわけだが、特にビールに関しては、出来るならコップに移して飲む方がおいしいというのは周知の事実。
これは、ビールにおいては表面に浮いた泡とその保ちが風味に重要だから。
それがあの小さな穴から飲むと、泡はほとんど立たずに、ダイレクトにビール本体?が口に流れ込んできて、香りも少なくアルコールの刺激が多い味になってしまう(刺激に関してはそれが多い方が好きという人たちがいるのは否定しないが)。
それを解決しようと、缶の上部がすべてが取れて、「缶ビールなのに泡が立つ」商品も大手メーカーからも発売されている。その「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は、高発酵なスーパードライが実は苦手な自分が飲んでも、缶ビールのクオリティを超えた飲み味だった。この「全開け缶」、イロモノで終わるかと思ったら、その後も意外に長く売り続けられているし、昨年(2023年)追加された「アサヒ食彩」はプレミアムビールで、さらに今年12月からは第3弾として、「アサヒスタイルフリー<生> 生ジョッキ缶」が発売されるので、この「泡立つ缶」というのに一定の需要はあるようだ。
そんな「アサヒ食彩」の発売直後の昨年夏に案内があったのが、缶の上部を安全にフルオープンできるDraft Top LIFTの日本版の開発プロジェクト。Draft Top LIFTは以前からあった缶オープナーで、缶の上部を切り抜くように開けることで、缶上部をフルオープンにし、コップのような形状にしつつ、唇などが傷つかないよう切り口をまるめる機能もある缶オープナー。
以前から日本にも入ってきていたが、実は使い勝手が悪かった。
それは外国と日本とで缶の規格が微妙に違い、いわゆる「輸入缶」に最適化されたオリジナルのDraft Top LIFTは日本のビール缶に合わなかったから。
国内缶(左)は輸入缶とは上部の形状が違うので、オリジナルDraft Top LIFTは対応していない。
そこを日本の缶に合わせて再開発するというのがDraft Top LIFT 日本版のプロジェクト。
クラウドファンディングサイトのkibidangoで募集されたのが、それを見たのがちょうど「アサヒ食彩」を飲んだ直後だったこともあり、「なんでもフルオープンに出来る」缶オープナーに興味を持ち、支援してみた。
元々はリターンは「2024年1月上旬〜1月中旬」の予定で開発が続けられていたが、その後、何度か製品改良のため設計変更がされ、延期された(輸入缶⇒国内缶への単なる「適合径の変更」ではなく、国内缶にも輸入缶にも対応できる形にするためか、オリジナル版と大幅に設計が変わったためらしい)が、支援から1年後、予定リターン時期から遅れること8か月後にようやく到着した(支援日2023年8月25日⇒クラファン〆切9月15日⇒予定リターン時期2024年1月上旬〜1月中旬⇒リターン品到着2024年8月28日)。
当初約4カ月で届くはずが結局ほぼ1年と、納期が3倍にも伸びたのもあって、支援者の一部がかなり騒ぎ、クラファンサイトの支援者ページには、Draft Top社 CEOから遅延要因説明(釈明)のビデオメッセージが掲載されるような事態にもなったが、自分はわりに静観していて、なんなら忘れていたくらいだったのだが、ほんとに忘れかけていた1年後にやってきたのがこちら。
結構長い間かかった(自分にとっての初クラファンが遅延しまくりだったので、慣れているw)
内容物。使い方ビデオのQRコードが製品の封印に書かれているのが、アメリカ設計「らしい」。
説明書みてもビデオを見ても、この白い謎の部品の役割はわからずw⇒コメントで判明
なんだか使い方不明の白い部品もついてきたが(未だに用途わからず⇒おものだちの情報によると、Draft Top LIFTで全解放した缶の上部に取り付け、スピリッツのミニボトルを逆さまに突っ込み、缶内でカクテルを作る器具のようだ・・・・ただしこれも輸入缶用)、オリジナルDraft Top LIFTから大きく設計が変更された日本版、どのような使い心地なのだろうか。
【使い方:写真撮るのに手を離しているため、レバーが開いて写っているが、使用時は強く握る】
まず、Draft Top LIFTの隙間にプルタブをぴったり合わせて、缶を90度ねじる(今回左廻し)。
プルタブの穴とDraft Top LIFTの突起をかみ合わせたら、グリップを強く握る。
そのままDraft Top LIFTの片方(写真では右)を持ち上げて「わずかに缶を開ける」
レバーを強く握って最初に90度捻ったのと同じ方向に缶を回し続ける(360度以上)
手ごたえが軽くなったら、プルタブ側に傾けつつ(写真では右)、Draft Top LIFTを離す
完了。上手くいくとDraft Top LIFTの裏側に缶の上が残る。多少変形した缶でも開いた。
今回、日本版は国内で販売される複数の缶の上部の径(※)に対応したため、いろんな缶を開けることができるユニバーサルタイプになっている。
※対応缶上部径
・202径(例:バドワイザー、ヒューガルデン、ギネスなど)
・204径(例:スーパードライ、淡麗、金麦など)
・206径(例:檸檬堂、ほろよい、トリスハイボールなど)
さらに保証外ながら、コーヒー缶=200径の缶も開けることができるとのことで、コーヒー缶と同径のコーンポタージュなどは、上を全解放すると劇的に飲みやすくなると思う。
一方、オリジナルのDraft Top LIFTはレバーが両側にあって、ちょうど握力トレーニングに使うハンドグリップのように均等に力を掛ければよかったが、今回ユニバーサル化にあたって片レバー型になって力の掛け具合が難しくなったことは、オリジナルDraft Top LIFTからの明確な劣化点(と前回も支援した人からの声)。
また、開け切ったときの「蓋」が結構な確率で「缶の中に落ちてしまう」。これに関してはオリジナルDraft Top LIFTからの問題であったようで、既存支援者からはかなり要望が強い改善ポイントだったらしいが、さほどに改善されているわけではないようだ(同)。
さらに、(当然ともいえるが)単にビールの上部を取っただけでは「泡は立たない」。生ジョッキ缶は、実は「泡立たせる機構」が仕組まれていて、缶の中に特殊な塗料を焼き付けて、クレーター状の凹凸を形成させることで、開栓時缶内圧力が下がるとともにその凹凸部にビールがぶつかることで泡を形成させる仕組み。
Draft Top LIFTで全面開口させたとしても、普通の缶ビールの内側にはその機構はないので、当然ながら開けるだけだと「泡が立たない」。一応、缶をさかさまに冷やしておいて、開ける直前に少し水道水かけて缶肌を温め、数回ひっくり返して開けるといった「泡が立ちやすい(泡を立たせやすい)」努力をすると多少は泡立つが、それでもそのための仕組みがある生ジョッキ缶の泡立ちには全然及ばない。やり過ぎると開栓中に吹きこぼれるし。
別のポイントとしては、すべてが開口して空気に触れる面積が広がるのがよいのか、開口部が広くて鼻に近い部分で蒸発があるのがよいのか、香りはかなり良くなる。自分は他人と比較して明らかに鼻が効かないバカ鼻なのだが、それでもわかるくらい。
そういう意味では缶入りのワインやウイスキーを楽しむには最適。
ビールほどそれらを飲まないのが残念だけど(爆
ビールの泡の件は「そりゃそうだよね」という感じだけれど、缶の飲料を狭いプルタブ開口部からチューチュー?すするように飲むよりは、コップ状態で飲めるというのは、飲み味も含めてかなり美味しさがアップする。そういう意味では支援してよかったプロジェクトと言えるかな。
少なくともビールに関しては、泡がでるわけではないので直のみと大差ない
一方、ワイン(発泡ワイン含む)やハイボールのように、発砲しない酒類もしくは発泡性でも喉ごし時の炭酸の刺激やピリッとした味が重要で、「泡」が「残らなくて良いもの」に関しては、口を大きく開けることで香りが引き立ち、かなりおいしくなる。
力のかけ具合に結構コツが必要
今でも「開けること」は全く問題ないが、蓋を缶の中に落とさず除去するのは5回に1回は失敗する。
開けるのに力は要るし、缶の押さえ方にもコツがある。
するする簡単に開くと思ってはいけない。
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購入金額
3,980円
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購入日
2023年08月25日
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購入場所
Kibidango
atsuo@tokyoさん
11/20
力の掛け具合はむしろ片ハンドル版の方が簡単で、両ハンドル版では何度もゴリゴリ回さないとフタが開かず毎回中身を少しこぼしてました。
新しいものでは回す回数が少なく開けられるようになったので、かなり改善されたと感じてます。
刃が少し大きくなって水平から斜めに取り付けられるようになったおかげかと思っていますが、定かではありません。
時々失敗してフタが中に落ちてしまう事もありますが、両ハンドル版と比べたら雲泥の差です。両ハンドル版ではかなりの確率でフタを落としてましたから(^^;
プルタブを引っ掛ける窪みが出来ただけで全然違います。
そもそも最初期版は片ハンドルでフタは中に落とす仕様だったので、それと比べたら最新の日本版はかなり簡単に開けられるようになりました。
他社製の似たような製品もいくつか使った事がありますが、切り口の安全度は初期版の頃からこちらがダントツで、他製品より多少価格が高めですがその分の価値はあると思ってます。
cybercatさんが書かれていた様に何度か改良が行われ大分納期が遅れましたが、待った分の改良はしっかりされたと思ってます。
cybercatさん
11/21
>力の掛け具合はむしろ片ハンドル版の方が簡単
そうなんですね。
想像では均等に力がかけられるハンドグリップの方が良さそうで、クラファンページにもそういう記載があったので、そう書いたんですが、トータルでは今回の方が良いんですね。
切り口の安全度は確かですね。
危ないと思ったことすらありません。
あ、そういえば穴の開いた白い部品の意味ってなんでしょう?
おせーてエラいひと...ならぬ、れきせんのゆうしゃ!
atsuo@tokyoさん
11/21
両ハンドルの場合、片方が刃で缶の縁を挟みつつカット、もう片方で缶の縁をおさえつける役割になっていました。
反対側からおさえつけた部分は特にローラーが付いている訳でもなく摩擦力が大きいまま缶の縁を滑らせているので力加減が難しく回す回数が増えていた気がします。
結局刃の形、当てる角度を変えることで反対側のハンドルはいらないと判断されたのではないでしょうか。
> あ、そういえば穴の開いた白い部品の意味ってなんでしょう?
私も分からず放っておいたのですが、再度プロジェクトページを総ざらいしてみると「缶クリップ」という名前でした。
使い方は、缶のフタを空けた後に缶クリップを被せ、クリップの穴にミニボトルを逆さに突っ込み隙間からストローを差し込むという使い方の様です。
そういえば昔行った飲み屋で南国果実のジュースにコロナビールが逆さに突き刺さったカクテルを呑んだ事あるけど、そんなイメージでしょうか。
現在缶クリップだけAmazonで売られてますね。
※ Amazon販売ページ
cybercatさん
11/21
なるほど、それを訊くと今回の改良品の方がよいんでしょうね。
以前のハンドグリップ型の方がよい、と言ってたひとは、ハンドグリップ型の力の掛け方に慣れてしまったのかも←ずいぶん機構が違いそうなので、力の入れ方は全然違うかと。
>使い方は、缶のフタを空けた後に缶クリップを被せ、クリップの穴にミニボトルを逆さに突っ込み隙間からストローを差し込むという使い方の様です。
説明されてなお (・・? でしたが、Amazonのリンク先の写真を見てやっと納得。
かなりレアな飲みかた用のパーツですなー。
缶にスピリッツを連続滴下しながら飲む...なんてパリピな?用途に使うものとは気づかなかったww