レビューメディア「ジグソー」

MWiCの演奏にはリードが必要。ただし、原理的にリード自体が「鳴る」わけではないので、音色を気にせず選べるのもあり選択した「樹脂リード」。

手作りウインドシンセコントローラーMWiC、

最近の角柱型タイプはAKAIのウインドシンセコントローラーEWIに似た吹き口がつく、「ソフトマウスピースタイプ(専用ソフトマウスピース1個付属)」が標準になったが、以前のMWiCは、そして自分の持つ円筒形MWiCは今も「アルトサックスマウスピース対応モデル(マウスピース別売り)」が標準。

 

そこで、自分で別途アルトサックスマウスピースを入手しなければならない。

 

で、マウスピース本体は開発時に基準としたというYAMAHAのアルトサックス用マウスピース4C

を入手したのだが、当然これだけでは音は出ない。

 

MWiCはアコースティックサックスのように、リードが「震えて音(の元)になる」わけではなく、「ブレス圧」を音量・音程に変化させて発音させるので、リードが「鳴る」わけではないのだが、音程変化を割り当てることが多いバイトセンサを「押す役目」などもあり、リードは必要。

 

なのでマウスピースに合わせてアルトサックス用のリードを手配することにした。

 

ところで、サックスをはじめとするリード楽器のリードには材質として大きく二つある。ひとつは伝統的な木製リードで、サックスではケーンと呼ばれる葦の一種が使われている。もう一つは樹脂系の合成リード。

 

木製リードは、乾燥すると割れ、唾液で湿りすぎると動きが悪くなりと、扱いが難しいらしい。さらに(リードが鳴るわけではないMWiCでは関係ないかも知れないが)複数枚を束で買っても、その中で「使える」のは少ないとか(プロサックスプレイヤーの話では、5枚に1枚「使える」のがあればラッキー、程度とか)。ただし、「あたり」リードの音は素晴らしいらしく、束で購入したリードの中から複数枚の「あたり」リードをセレクトして、湿って動きが悪くなったらローテーションして...という使いかたをするらしい。それでも(使う頻度や時間にもよるのだろうが)寿命は数週間というのだからまさに消耗品。なお唾液がある程度「染み込む」ので、吹き口が唾液であふれるのには時間がかかる=唾液をぬぐうのが頻回必要ではないらしいという利点?もある。

 

一方、樹脂リードは、割れ欠けの心配無用で、湿気の影響皆無で扱いが楽。1枚は確かに高いが(木製もピンキリ、樹脂製もメーカーによって3倍ほど価格差あるが、1枚あたりに換算するとだいたい5~10倍程度は樹脂製が高い)、劣化がなくて「ハズレ」もないことを考えると、むしろ長い目で見ると安いかも。ただ音色的には、硬めで、遠達性は木製リードに譲るという。そのため「練習用」として使う人が多いらしい。ただ、薄めのリードでも曲の吹き始めと吹き終わりで音色が変わらないメリットもあるので(木製リードは使用中に唾液が染み込んで、特に薄めのものは「重く」なるらしい)、プロの奏者でも樹脂製を好んで使う人もいるようだ。

 

今回、MWiCでの使用なので、「音」はどうでもよく、

・耐久性には劣り、メンテには手間がかかるが、1枚当たりの価格が安い木製リード

・価格は高いが、取り扱いが楽でメンテ不要な樹脂製リード

の選択。

 

たしかに樹脂製リードは木製リードの数倍の価格だが、永く使えば元は取れると考え、樹脂リードにすることにした。

 

樹脂リードに関しては、今回選択したマウスピースと同じYAMAHAからも出ているし、他にもMADE IN JAPANを謳うTriolet(トリオレ)、ギターなどの弦で有名なD'Addario(ダダリオ)、安価帯には木製リード2枚分くらいで購入できるBRAVO REEDSなど、さまざまなメーカーがあるが、圧倒的なシリーズ展開で、好きな厚さや反応性を選べるカナダのLégère(レジェール)が一番存在感がある。

 

そのLegereの樹脂リードはシリーズも豊富で、厚さの刻みも細かい。たとえばYAMAHAのアルトサックス用樹脂リードには、ASRシリーズという1シリーズしかなく、厚さも2・1/2から3・1/2まで1/2刻みに3種しかない。一方、Légèreの樹脂リードには(時期によって名称の変遷はあるが)2024年現在では、French Cut、American Cut、Signature、Classic、Studio Cutの5シリーズがあり、厚さも2.00~3.50(一部シリーズは4.0)までと幅広く、さらにClassicとStudio Cut以外の3シリーズは、厚さが0.25(1/4)刻みとなっていて、とにかく種類が多いので好みの吹き心地を探しやすい(らしい)。

 

あと、自分がよく利用している通販サイトでほぼ欠品なく供給されているのも大きい(意外にも日本のメーカーでも厚さによっては欠品があることがある)。

 

そこでLégèreにすることにしたのだが、今度はなまじ種類が豊富なので、シリーズと厚さで迷うというw

 

シリーズ的にはせっかく薄さが1/4ピッチの細かい刻みがあるシリーズもあるので、1/2刻みのClassicとStudio Cutは除いて、残りの3種から。アコースティックサックスで鳴らすときは、鳴らしやすく扱いやすいSignature、低音部が安定してるAmerican Cut、パワフルなFrench Cutというキャラ付けのようだが、リードで音を出すわけではないので、同じ番手(厚さ表示)なら、一番硬いAmerican Cutが丈夫かと考えた。

 

厚さに関しては、パワフルな演奏をする、サックスを吹くVTuber(女性)が、木製リードで硬めの3を使っていたというので、ちょっと日和ってそれよりやや薄いものを。

 

という事で選択したのが、LégèreAlto Saxophone American Cut 2.75(2・3/4)。

の樹脂リードの良いところに、ケースがつくところ。
Légèreの樹脂リードの良いところは、ケースがつくところ。

 

リードは薄い白色がついた半透明。
リードは薄い白色がついた半透明。

 

透け感?はこれくらい
透け感?はこれくらい

 

樹脂リードには、木製リードを模して茶色だったり、マウスピースから「浮かせない」ためか黒かったりするリードも多い中、半透明なLégèreのリードは、バイトセンサが透けて見えるし、傷が入ったときにすぐわかるので良いかな。

 

硬さ的には気持ち硬い気がするが(トゥトゥトゥトゥと区切って吹きたいときに、ちょっと音符がトォトォトォトォと繋がる感じがする←自分の息の切り方が拙いだけかも知れないケド)、取りあえずコレで慣れていこうと思います。

は、やや明るめ(ブライト)で遠達性(プロジェクション)はソコソコ、反応性(レスポンス)は良い
やや明るめ(ブライト)で遠達性(プロジェクション)はソコソコ、反応性(レスポンス)は良い

更新: 2024/08/16
扱いやすさ

木製のものと比べると多分かなり楽

木製(ケーン・・・葦の一種)のものと比べると、乾燥などで割れ欠けしないし、汚れたら丸洗いすらできるので扱いは楽。

 

ただ、引っ掛けて変形などもあるので、一度買ったら更新不要の「一生もの」ではない。

  • 購入金額

    4,130円

  • 購入日

    2023年09月02日

  • 購入場所

    株式会社やぎ楽器(Amazon)

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