Android13ベースのカスタムOSを採用したエントリークラスのユーティリティDAP『HiBy Digital M300』です。
様々な使い方ができるのでユーティリティDAPと謳っているらしいです
iPhone 15 ProとSonyのワイヤレスイヤホン『WF-1000XM5』 の組み合わせで十分満足していた私ですが、ちょっとハイレゾ音源を聴いてみたくなったので、ネットの記事や口コミなどを参考にして、ハイレゾ初心者の入門用としてこの『HiBy Digital M300』を購入してみました。
本当は使っているイヤホンと相性が良さそうなSonyのウォークマン(A300シリーズ)を狙っていたのですが、予算の都合でこちらになりました^_^;
シンプルなデザインの化粧箱
パッケージ内容
M300本体、USBケーブル(充電用)、取説類
DAP視点ならスリムでスタイリッシュかも
本体のデザインについては、ネットの記事などで『スリムでスタイリッシュ』的な意見が多かったのですが、スマホ視点で見ると明らかに野暮ったい印象を受けます。また、好みの問題かも知れませんが、デザインだけ見たらウォークマンのA300シリーズの方が洗練されていると思いました。
今回は気まぐれでシルバーをチョイスしたのですが、シルバーなのは両サイドのアルミ部分のみで、その他の樹脂パーツは白なので、ブラックやブルーよりもチープな印象を受けました。ちゃんと現物を確認してから購入すべきだったと後悔しています…
裏面のデザイン、シルバーというより白です
画面を観なければそれなりにシャープな印象です
底部には3.5mmイヤホンジャックとUSB-C、スピーカーが並んでいます
底部のパーツも白です
上部にはマイク(2ヶ)が付いています
丈夫もやはり白い樹脂パーツです
ネジがむき出しな仕様です
トルクスネジを使用していますが微妙にチープ感があります
マイクロSDカードスロットとストラッ用ピン
ピンは頑丈そうで良いですが、スロットカバーはやはり白です
カラー選定については若干の後悔がありましたが、購入後すぐに保護ケースに入れてしまったので本体カラーについては余り気にならなくなりました。また、保護ケースによって耐衝撃性は上がったと思いますが、ゴツさもアップした感じですw
クリアーな感じが好印象な社外品の本体カバーです
カラーリングの不満が気にならなくなりました
iPod touchを思い出しました
HiBy Digital M300はAndroid13ベースのカスタムOSを採用しているので、音楽アプリだけでなくWi-Fi環境で各種ストリーミングサービスを利用したりゲームをプレイしたりできます。要するに通話やカメラ機能がないスマホという感じなのですが、スマホと言うよりiPod touchと言った方がわたし的にはしっくりくる気がしました。ただ、昔はガラケー+iPod touchの組み合わせで便利に使っていましたが、今はスマホがあるので特段便利な感じはしないですね。。。
【仕 様】
製品名:HiBy Digital M300
OS :Android 13(カスタム)
SoC :Qualcomm Snapdragon 665
DAC : CS43131
オーディオフォーマット:DSD256 PCM768kHz/32bit
出力端子:3.5mm PO / USB out
Wi-Fi :2.4GHz、5GHz
Bluetooth :Bluetooth 5.0
Bluetooth codecs :LDAC / AAC / SBC ※アップデートでaptXに対応予定
WiFi audio :HiByLink
ディスプレイ:4.0 インチ タッチスクリーン
ディスプレイタイプ:IPS
ディスプレイ解像度:1280×640
RAM :3GB
内部ストレージ:32GB
マイクロSD :2TB
筐体素材:アルミニウム筐体、ガラス製のフロント、バックプレート
サイズ:113×58×13mm
重量:136g
電源入力:5V/1.5A
バッテリー容量:2000mAh/3.8V
再生時間:最大約29 時間
付属品:USB A to USB Type- C充電用ケーブル、クイックガイド、保証書(1 年間)
スマホのバッテリー節約という意味では大いに役立つと思いますが、ストリーミングするにはWi-Fi環境が必要ですし、動画視聴やゲームをプレイするには少々画面が小さいので、スマホっぽい使い勝手に惹かれながらも、結局は音楽鑑賞用途以外に使うメリットはあまり無さそうな気がしています。。。
まぁ軽快ではあります、、、
システムの起動時間はスマホ並みな感じです。システムの設定やアプリのインストール状況などによって変わるかも知れませんが、私の環境では電源オフの状態から約26秒ほどで起動しました。バッテリーの減り具合についてもスマホ並みといった印象で、スリープ状態にしておいてもどんどん減っていくので、こまめに電源オフした方が良さそうです。
状況によってランプが点灯します
充電中(赤)、起動中(青)※消灯可
SoCには比較的低価格なスマホに採用されていることが多い(らしい)Snapdragon 665を採用しているということで、それなりに軽快に動いていると思います。概ね満足できる操作感ですが、やはりiPhoneなどの最新モデルと比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまいます。
重めのアプリをいくつも起動した場合の挙動は今のところ未確認ですが、スマホに使われているSoCなら特に問題ないだろうと思っていますし、自分の場合おそらく音楽用途にしか使わないので十分過ぎるスペックだと思っています。
画面サイズが4インチということで、愛用していた5代目iPod touchの4インチと同等ですが、すっかり6インチクラスの画面に慣れてしまった今となっては、文字入力や小さなボタン操作が辛いです。。。あと、保護ケースに付属していた画面保護用のガラスフィルムを貼ったら、かなりレスポンスが悪くなった気がします。タップ位置も少しズレた感じなので、様子を見て別のモノに交換しようと思います。
新品時の保護フィルム付き画面
ほぼスマホ画面です。。。
ボタン類の操作はある程度直感で何とかなりますが、付属の取扱説明書には姿図と部位の名称くらいしか載っていないので、細かい使い方が分かりません。さすがにこれは手抜きだと思いますが、このブランドはいつもこんな感じらしいので、ネットで必要な情報を収集するしか無さそうですね。。。あぁ、何となく宝の持ち腐れになりそうな予感、、、
シンプル過ぎる取扱説明書の内容
まぁ、これ以外の説明も多少はありますが、、、
操作面で少し不満なのは、ボタン類の押し下げストロークが浅い(あるいは軽い)ということでしょうか。ちょっとしたことで一時停止になったりすることが何度かありました。マルチファンクションボタンでボタンをキーをロック(デフォルト設定)させてキー操作を無効化すれば、ある程度は防げるようですが、、、
持った時にボタンに触れやすいのがネック?
慣れれば問題ない?
スライド式のマルチファンクションボタン
「FN」の文字が逆さということは、画面を下に置くのが正解?
マルチファンクションボタンの設定画面
とりあえず4種類から選べます
あと音量の調節もボタン式でスマホライクではありますが、やはり細かい調節はダイヤル式の方が直感的で良いと感じました。
HiByLinkは便利っぽいが、、、
HiBy Digital M300には「HiBy Music」という純正音楽アプリがプリインストールされています。このアプリはただ音楽を聴くだけでなく、独自のHiByLink機能を利用することでスマホから遠隔でHiBy Digital M300の再生操作が行えるようになります。
HiByLinkを利用するためにはスマホ側にもHiByMusic(海贝音乐)をインストールする必要があります。HiBy Digital M300側をサーバーに設定しスマホ側をクライアントに設定すれば、Bluetoothまたは同一LANに接続した状態でスマホ側でリモート操作が可能になります。
iPhone側の「HiBy Music」、HiByLinkの設定画面
これはとても便利そうな機能ですが、本アプリ限定の機能でHiBy Digital M300内に保存された曲のみに対応しているので、AmazonMusicなどのストリーミングサービスには対応していないのが残念なところです。ということで私の使い方だと役立ちそうにありませんでした。
FMラジオも聴けるらしい、、、
プリインストールされているアプリの中にFMラジオアプリがありました。そういえばHiBy Digital M300は「FMラジオ機能をサポート」と書いてありました。初めは全く機能しなかったのですが、有線イヤホンを繋いだら使えるようになりました。どうやらイヤホンケーブルをアンテナ代わりにするらしいのですが、説明書きが無かったので気付くのに時間がかかりました^_^;
ということで、適当にいじって何とか番組を聴けるところまで辿り着きましたが、チューナーの周波数が87~107MHzくらいの範囲しか合わせられないので、聴けない局が多々あるようでした。
また、感度が悪く安物のラジオのAM放送を聴いているようで音質はかなり悪いです。Wi-Fi無しでも聴けるという利点もあり、災害時には多少役立ちそうですが、通常はFMラジオが利けるプリを使った方が確実に高音質でラジオが聴けますので、FMラジオ機能はあまりお勧めできるものではありませんでした。。。
解像度が高くクリアな印象
ワイヤレスイヤホンの接続は普通にペアリング操作で行い、設定についてはソニーのアプリである『Headphones Connect』をインストールして行いました。初めはLDAC接続になってくれないというトラブル(?)があって焦りましたが、何度か接続し直したり、接続品質などを弄ったりしていたら、いつの間にかLDAC接続できるようになっていました。
Headphones Connectのステータス画面
LDACで繋がるとこんな表示になります
私の場合、Amazon Musicを利用しているので、まずはAmazon Musicアプリをインストールしました。アカウントにサインインする事で従来のライブラリ等も共有できますので、早速いつも聴いている曲をWi-Fi環境でストリーミング再生してみました。
Amazon Musicの曲毎の音質確認画面
(内蔵スピーカー使用時)
折角なのでUltraHD(ハイレゾ相当)音質で提供されている曲を、Headphones Connectアプリの音質設定(イコライザー)などは一切弄らずに素の状態でiPhone 15 Pro(AAC接続)と聴き比べでみました。
Headphones Connectアプリのイコライザー設定オフ
音質について語れるほどの知識や経験がないので、あまり細かいことは言えませんが、iPhone 15 Proより解像度が高くクリアな印象で、空間の広がりや音の厚みも増しているように感じました。
たまたま聴いた曲にハミングや子供のコーラスが入っていたのですが、今までは何気なく聴いていたハミングやコーラスの息遣いや声音の生々しさが伝わってきてゾクっとしました。これが有線イヤホンだったら、もっと良い音なのか?と一瞬心が揺れましたが、気を取り直してグッと堪えました^_^;
最近は移動中にイヤホンなどで音楽を聴かなくなったので、移動中の検証はほとんど行っていませんが、自宅や職場などで普通に聴く分にはBluetoothは安定しており、LDAC接続でも途切れることはありませんでした。通勤電車でも何回か試してみましたが、LDAC接続でAmazon MusicのUltra HD品質で聴いても特に問題はありませんでした。※ラッシュ時はイヤホンを落とすと嫌なので試していません。。。
あと、電源をオンにして曲を再生すると必ず出だし部分で1回だけブツっと途切れる仕様(何かが切り替わる?)が地味に気になります。
スマホライクに使いたい人には良いかも
HiBy Digital M300は、一応デジタルオーディオプレーヤーという位置づけの製品ですが、音楽を聴く以外にもスマホのように多用途で使えるので、スマホユーザーが初めて持つDAPとしてはとても受け入れやすい製品だと思います。
ただしストリーミング再生を利用する場合などはWi-Fi環境必須ですし、カメラもなく電話回線を利用した通話もできませんので、モバイル時はスマホのテザリングなどを利用する必要があります。まぁ、それでもスマホのバッテリーを気にしないで済むので、スマホのサブとしては結構使えるガジェットだと思います。
HiBy Digital M300とソニーのワイヤレスイヤホンWF-1000XM5の相性は割と良いと思います。LDAC接続については送信のみのようですが、今のところ安定しているので非常に満足しています。
音については、DAPの上位機種と比べたらどうか分かりませんが、iPhone 15 Proよりは良い音だと感じましたので、DAP初心者の私としては買って良かったと思います。
操作方法については、初心者でもある程度は何とかなりますが、細かい使い方がよく分からないのでメーカー(あるいは販売店)サイドで使い方をキチンと案内した方が良いのではないかと思いました。
ということで、今のところスマホライクなこのDAPを便利に使えているとは言えませんが、ハイレゾの魅力の一端を知ることができたので、今後iPod touchのように使い道が無くなることは無さそうですし、これから自分なりの使い道を探りながら使ってみようと思います。
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購入金額
29,800円
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購入日
2024年06月09日
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購入場所
e☆イヤホン秋葉原
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