レビューメディア「ジグソー」

ヘッドシェルでも音が変わることが明確に理解できる

先日外出ついでにビックカメラのオーディオ売り場を覗いてみると、アナログ用品の所に「値下げしました」と表示された品が見つかりました。

 

先日GRADO製カートリッジ、Reference Master 2を格安で購入した時にもこの表示でしたので詳しく見てみると、Ortofon製ヘッドシェルLH-10000の価格であることが判りました。

 

 

 

 

 

LH-10000はオルトフォンの最高級ヘッドシェルですが、同社の高級カートリッジ(具体的には現行であればCadenzaシリーズ以上、過去のモデルでもKontrapunktシリーズ以上)専用設計となっているため、適合するカートリッジは極めて限られます。

 

当然単に取り付けるだけであれば他社製でも何とかなるはずですが、それでも明確に取り付け可能といえるのはカートリッジ上部からビスを通し、ネジ穴が切られているカートリッジに限られます。

 

手持ちのカートリッジでいえばaudio-technica製は私が持っている世代は全て下からネジを通すタイプですので不可です。上掲のGRADO Reference Master 2やClearaudio Virtuoso辺りは取り付けられるだろうと思いました。また最適とはいえないまでもOrtofon製のMC-10Wもいけるだろうということで、使えないことはないなと思い、普段到底買うことがない価格帯のヘッドシェルの実力が気になって買ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2024/05/30
総評

上手く適合するカートリッジなら使う価値はある

この製品は亜鉛とアルミの合金素材で作られていますが、特徴といえるのはそこにTPEコンパウンドを挿入することでダンピング効果を飛躍的に高めているということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白いラインがTPE素材製で、これが裏からも表からも見えていることがおわかりいただけるかと思います。

 

 

裏からの写真でリード線が写っていますが、これは同社製の最上位製品であるLW-800Sです。実売価格8千円前後ですから十分高価なのですが、普段万単位のリード線ばかり使うようになってしまったのでそれ程に感じなくなってきたのが恐ろしいところです…。

 

 

 

 

 

 

 

 

カートリッジ取付け用ビスは適合対象カートリッジが極めて限定されるためか、8mm、6mmが1ペアのみ添付されています。まあ、合わなければ他のビスを使っても良いのですが、やはり色のマッチングなどは純正がベストです。

 

 

組み合わせるカートリッジですが、木製のGRADO Reference Master 2は同じく木製のOritofon LH-8000と組み合わせたかったので、LH-8000と組み合わせていたClearaudio VirtuosoをLH-10000の方に移設することにしました。

 

 

 

 

 

 

 

Virtuosoはエンブレムシールが取れてしまいましたので、外観のイメージが随分変わってしまいました…。

 

さて、これまで何をしてもぱっとしないイメージだったVirtuosoですが、今度のヘッドシェル交換では初めて「おっ」と思いました。

 

今までフォーカスが甘くぼんやりとした音だったVirtuosoの音に、一本芯が通ったような印象が生まれたのです。LH-8000と組み合わせたGRADO Reference Master 2と比較しても、傾向の違いはあるものの水準としては結構近いところにいるのではないかと思うほど印象が良くなったのです。

 

これまでと同様響きの部分が豊かに表現されるのですが、直接音の明瞭度が格段に向上しています。このカートリッジを手に入れて10年以上経過して、初めてこのカートリッジが高級MMカートリッジであることを実感したような気すらします。まあ、それでもこの後カートリッジをAT-ART7に交換すると繊細さも情報量もAT-ART7の方に分があるように感じられましたが…。

 

私の購入価格ですら格安モデルであればヘッドシェルセットのカートリッジが買えてしまうほどの高価なヘッドシェルですが、高価なりの実力はきちんと感じ取ることは出来ました。適合するカートリッジが決して多くはないため使える環境があればという前提付きではありますが、そこそこ高価なカートリッジを使うのであれば実力を引き出すための投資として妥当なところかも知れません。

 

もっとも、今回の購入価格であればそのような感想となりますが、通常価格(8万円前後)であればさすがにあり得ない価格だとは思います。

 

 

最後に苦言を呈しておく部分があります。Ortofon製のリード線は以前問題視したZonotoneと同様リードチップの開口部を三角形に折り曲げているため、とても取り付けが難しいのです。通常カートリッジ側はピン径1.2mmで作られているはずですが、この製品に標準で取り付けられているLW-800Sは最も狭い部分では恐らく1.0mm程度しかありません。

 

Zonotone Grandio LW-1を使うために用意したリードチップ加工具を用意して何とか取り付けられたという程度です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百均で買えるキリの先端を丸めて、少し差し込むと穴が0.数mm程度広げられるようにしたものです。普段から頻繁にカートリッジの着脱をするようなユーザーでなければこんなものを用意していることはないでしょうからね。

 

  • 購入金額

    19,800円

  • 購入日

    2024年05月11日

  • 購入場所

    ビックカメラ

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