現在常設ストレージの再構築と増量、OS更新が終了したメインPC。
幸いなことにRAID1を組んでいたおかげで、引越業者の雑な扱いによって使用していた6枚の記録媒体中2枚、つまり1/3が障害を受けるという絶体絶命の状態だったが、ひとつのデータもロスすることなく復旧&Windows 11化を完了した。
Windows 11に関しては、2025年4月現在の最新ヴァージョン「24H2」の出来が良くなく、リリースから半年経っても不具合の報告が止まらないのだが、ちょうどWindows 11化を行った時期はギリギリその前ヴァージョン、23H2がWindows 10からのヴァージョンアップ先対象だったのは、逆に予定外に始めさせられたこの作業も、振り返ってみれば運が良かったのだろう(Proヴァージョンなので、その後更新を止め続けている)。
そのストレージ・OS系の手当が終わったら、PCに手をかけるのは終わりか...というと、2018年以降使い続けていた躯体が元なのでイロイロ機能が足りないのと、チョイチョイ不具合が出て来ているのもあって、その対応もついでにやってしまおうと作業は続く...。
今回の不具合特定&換装作業で、頻回の抜き差しが発生した関係で破損したケース造り付けのSATA電源ケーブルを代用品
で手当てしたが、そのほかにも
・光学ドライヴが上手く動かない
元々パイオニアBD/DVDドライヴの宿命?で、トレイが空になるとトレイオープンできなくなると
いう持病はあったが、さらに縦置き状態では上手く動かなくなった
・カードリーダー接触不良
もう一つの5インチベイに、USBハブ機能付きマルチカードリーダーを積んでいたが、使用頻度が
一番高いフルサイズSDカードスロットの接触が悪くなってきた
という、ともに5インチベイに関連する問題も解決しておきたかった。
光学ドライヴの方は、本来横置きの方が安定するのは物理的にも当然のことで、幅を狭くコンパクトにするために5インチオープンベイを縦に90°立てて積むというデザインのPCケース、Corsair Carbide Air 540
との相性の問題だと思う(他の平面設置では問題なかった光学ドライヴとスワップしてみてもやはり×-すべてパイオニア製なので、縦置きに弱いのはパイオニア製ドライヴの弱点かもしれないが-)。ただこれは、ソフトインストールなどもほぼダウンロードになってきていて、PCにおける光学ドライヴの必要性が低下しているのもあって、リッピングなどは当面手持ちのUSB接続BDドライヴ
で逃げることにした。
マルチカードリーダー
の方は、SDカードの認識が出来ない事が多くなってきたので、外付けのSDカードリーダー
で凌いでいたのだが、それがほとんど挿しっぱなしになって、フロントのUSBポートを潰し続けているのが気になっていた(またフロントからずっとUSBカードリーダーが飛び出しているのは、手を引っ掛けて破損..などの危険性を上げるので、リスクマネジメント的にもイマイチ)。
さらに既存のマルチカードリーダーは、カードリーダー部分が
・Extreme Digital
・SD/MMC(SD,SDHC,SDXC,MMC,RS MMC)
・MicroSD
・CF/MD(CFⅠ,CFⅡ,MD)
・MS-メモリースティック-(MS,MS Pro,MS Pro Duo)
・M2
I/Oポート部分が
・eSATA ×1
・USB3.0 ×3
・USB2.0 ×2
・充電専用USBポート ×1
という造りなのだが、カードリーダー部分としては2スロット(SD/MMCとMicroSD)、I/OポートとしてはUSB3.0の3口しか使わないのに、使用していないスロット・ポートもドライヴレターを消費する仕様というのも地味に使い勝手が悪かった。
また、古い設計の機器のため(おそらく発売開始が2013年)、今後主流となっていく、Type-Cがないのもイマイチ。
これらの案件を一気に解決することにした。
選んだのは、ドイツCHAB GmbH(ブランドはGRAUGEAR)の5.25インチ USB 3.2 PCフロントパネルカードリーダー、G-MP03CR-AU。
今まで使っていたものと比べると、プラスチッキーな外装はイマイチだが...
内容物。ツールレス構造のPCのため、今回は使わないが、固定用のネジも同梱。
ポートはこんな感じ。従来機のカード類6スロット、USB系6口からは減ったが...
これは、カードリーダー部分が
・SD
・MicroSD
だけで、I/Oポート部分が
・USB 3.2 Gen 2 ×2
・Type-C ×2(10Gbps)
というシンプルな構成。USBポートは1つ減ることになるが(充電専用のまで入れると2つ減)、USB3.0以上の高速データ接続口という観点ではむしろ一口増える計算。
そのほかに、Mic-inポートとLine-outポート(ともに3.5mm)がある。
これは、メモリーカードとしてはデジカメ用のSD(SDXC)カードとDAP用のmicro SD(SDXC)カードしか使わず、PCフロント側にType-Cが欲しかった自分としては充分...どころか、イヤホン用にも使えるLine-outポートが、PCケース本体よりも耳に近い部分に出来ることになるのは、望外の機能(現在スピーカーとして使っているのは、挿しやすいところにイヤホンプラグがある以前のTASCAMの初音ミクスピーカーではなく、イヤホン端子がないKRIPTONのスピーカーなので、ケーブルが短いイヤホンでPCの音を聴きたい時は、HDMIで持ってきた音声信号をディスプレイのEIZO FORIS FS2333のイヤホンジャック経由で聴いていたので、音も悪かった)。
ただこのカードリーダー&USBハブ、1つ問題がある。
それは要求するヘッダの種類。
今まで使っていたBulletのマルチカードリーダーIOP525が要求する内部ポートは、
①USB3.0(2x10ピンコネクタ)×2
②USB2.0(2x5ピンコネクタ)×1
③SATA7ピン ×1
④ペリフェラル電源コネクタ ×1
だった。
それが本品だと
①USB3.0(2x10ピンコネクタ)×1
②USB3.2 Type-E Key-A 20ピンヘッダー×1
③15ピンSATA電源コネクタ×1
となる。
一番右のが新しい規格、Type-E(Key-A 20ピンヘッダー要求)
eSATAポートがないのでM/BのSATA端子を浪費しないし、電源コネクタは最近数を減らしているペリフェラル電源コネクタを、ベイアクセサリのために用意しなくて済むので助かる。
さらに、もはやUSB3.0ドライバがBIOSレベルでサポートされている現在では不要なUSB2.0のヘッダに、接続する必要もない(USB3.0登場当初は、「USB3.0ドライバを組み込まなければUSB3.0ポートが動かない」という時代もあり、キーボードなどの起動時最低構成用にUSB2.0ポートが排除できない時代もあった)。
ただ問題はType-E Key-A 20ピンヘッダー。
Type-C用の使用を前提とした新しいコネクタで、コネクタのプラグ部分が大きく、それにつながるケーブルも硬いわりには、ヘッダ側の造りがきゃしゃで、ケーブルを急なカーブで曲げづらいのでケーブルマネジメント的に厳しく、さらにきちんとしたロック機構がなくて内部で抜けやすいと悪名高かった?USB3.0のヘッダを置き換えるもの...だが、自分の使っているM/B、ASUS ROG ZENITH EXTREME
は2017年の発売なので、2014年最終仕様確定のType-Cのサポートは非常に薄く、リアパネルに1口あるだけという状態で、さらにそれより後発規格となる(2017年7月に規定書Rev1.1がリリース)Key-A規格のヘッダがM/B上にあるわけがない(と思った)。
さてどう使うか...
ということで、「Key-Aコネクタを2x10ピンのUSB3.0コネクタに変換する」変換プラグ
を入手して、さらに19/20ピンの内部USB3.0ヘッダを増やす変換基板
を追加してポート全部活かそうとしたが、スピードが出ない(CableCC シングル 19/20ピン ヘッダー - 19/20ピン デュアルポート スプリッター ハブの項参照)。
あまりにスピードが出ないので、変換基板の撤去作業をしている時に気が付いた。
M.2 SSDを2枚積むドーターカードとその冷却ファンの下、ビデオカードの先端の陰のあたりに、なにやらKey-Aヘッダに似た端子があることに。
M/Bのシルク印刷には「U31G2_1」とあり、マニュアルを確認してみると「USB3.1 Gen2 コネクター」とのこと。どこにも「Type-E」や「Key-A」の文字は出で来ないが、端子数も含めて一見違いが判らない形状。
ひょっとして...と思い挿入してみると、すんなり入る。
※余談だが、Key-Aヘッダの裏表、非常にわかりづらい。今回PCケースに取付済みのM/Bの奥で、周りにドーターカードやビデオカードがあって非常に見えづらい位置だったが、遠目でわかる切り欠きや変形(凹型や台形など)がないため、とても挿しづらかった。内部配線なので、頻回の抜き差しはしないとは言うものの、今回のような「途中から使い始める」というケースもあるため、配慮があればよかったな。
おそるおそるUSB-SSDを挿して計測してみると、スピード出る出る。
【今回のベイアクセサリType-Cポート経由】
本ベイアクセサリのType-Cポートで計測。スピード出てる!
【今回のベイアクセサリUSB-Aポート経由】
USB-AはType-Cとは差がないようだ(相変わらず速い)
【対照:M/BのバックパネルUSB 3.2 Gen2 Type-Cポート経由】
【対照:M/BのバックパネルUSB 3.2 Gen2 Type-Aポート経由】
Type-Cとは変わらないが、やはりバックパネル経由の方が遅い....
結局上流が十分太いと自由分なスピードが出て、将来性の高いベイアクセサリです。おすすめ。
ただ一点難を言うなら、ちょっとType-Cポートが「硬い」。どのケーブル、USB-SSDを使っても抜き差しがしづらく、ちょっとストレス。特にケースのベイがオープン・クローズ問わずツールレス固定方式で、ベイアクセサリ(本品)もネジでがっちり固定されているわけではないので、抜き差しの時本品が数cm動いてしまうほど硬い。
ここは使用感に大変大きく影響するところなので、もう少し抜き差ししやすい方が良いかも?
Type-CとUSB3.2 gen2対応、外部メモリカードとして最大シェアのSDカードなので...
万全
Key-A 20ピンヘッダーがあるM/Bは結構最近のもの
旧来の抜けやすいUSB3.0コネクタより取り扱いは楽だが、装備されているのは最近のM/Bだけ⇒と思ったら、「全部盛りM/B」のROG ZENITH EXTREME、規格策定と並行して搭載していたみたい(タイミング的には規格ドラフト段階で設計に入れないと間に合わないはず)。
ただこんな頭おかしい(誉め言葉)M/Bばかりではないはずなので....
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購入金額
5,690円
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購入日
2025年02月28日
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購入場所
Detron International Co., Ltd(Amazon)
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