このシリーズはより上位のR6/R5シリーズとは異なりAndroid OSではなく独自のHiBy OSを採用しています。HiBy OS機の場合には、まずは必ず楽曲データをスキャンしてデータベースを構築する必要があります。

これはそこそこ時間がかかりますが、気長に待つしかありません。

スキャンが完了すると楽曲が表示されます。1曲ごとのリスト表示の他、アルバム名やアーティスト名等による分類でも表示されるようになります。写真はアルバム表示の状態です。

それでは下位のR3、上位のR3Pro Saberと聴き比べてみましょう。今回は組み合わせるイヤフォンをJH Audio Michelle＋WAGNUS. Chocolat Lilyとしています。

まずR3との比較では分解能に差が感じられます。R3は一つ一つの音があまり分解されず、団子状に出てくるイメージがあります。R3Proもお世辞にも分解能が高い製品ではないのですが、R3よりは上です。スマートフォン等で直接再生するよりはオーディオ的に良質ではあるのですが、さすがにより高価なDAPと比べてしまうと基本性能に限界が見えてきます。

ただ、音場はまずまずの広さで構築され、雰囲気も結構出ています。この辺りはコストパフォーマンスに優れるDAPを得意とするHiBy Musicらしい出来だと思います。バランス接続対応DAPとしては市場でも最廉価クラスの製品ですが、DAPで音楽を聴く意味はこれでも体感出来るでしょう。

一方上位のR3Pro Saberと比べるとなかなか面白い結果となります。分解能やレンジ感といったオーディオ的な基本性能は実はそれほど違いません。大きな違いとなるのは音場で、R3Pro Saberの方が一回り広く、間接音の情報量も少し増えます。ただ、直接音の明瞭さはむしろR3Proの方が有利で、人によってはこちらの方を好ましい音質と捉えることもありそうです。一般的なJ-Popやアニソンの

録音であれば直接音重視のR3Proの方がそれらしい鳴り方になりそうです。もっとも、Michelleのケーブルが間接音が特に豊かなChocolat Lilyであるだけに、ケーブルによってはR3Proの音に素っ気なさを感じる可能性もあります。

オーディオ的な性能ではR3ProとR3Pro Saberに大きな差があるわけではなく、R3Pro Saberと同様にHi-Fi向けDAPの入り口という水準は保たれていると思います。この価格帯ながらバランス接続にも対応しますので、取り敢えずスマホからDAPへのステップアップを考えるならこの辺りからでも良いように思います。