スマホ用のマイクロレンズ(顕微鏡レンズ)です。
簡易な製品パッケージです
スマホやPCで使える顕微鏡というと、本格的な顕微鏡型のものからペンのような形をしたものまでさまざまな製品があるようですが、スマホのカメラレンズに装着するタイプのものはスマホやレンズの形状によって使えない場合もあって汎用性に欠けているので、スマホのカメラに依存しないペン型の4千円前後で販売されているものを購入しようと思っていました。
ちなみに以前は「ハルスコープ」というマクロレンズを愛用していましたが、機種変更してから使えなくなり、いつの間にか行方不明になっていました。
顕微鏡愛好家と専門家のグループ「Shanghai Qingying E&T LLC」が開発したスマホ用のポータブル顕微鏡レンズということで、2021年頃からクラウドファンディングサイトなどで予約販売されていたものが、公式ショップから購入できるようになったので、さっそく購入してみました。
■購入につながったポイント
◇高解像度イメージング
1ミクロンまで見える高解像度と非球面レンズを採用した歪みの少ない光学設計ということで使い道は色々考えられますが、今までの私のパターンだとレビュー用の写真として超アップのカットが欲しくなります。例えば針の先端やアイテムの表面処理など肉眼では把握しにくい部分で、今まではクローズアップレンズなどを駆使して撮影していましたが、作業がラクになって精度も上がりそうです。
別のレンズにて撮影したペン先
◇コンパクトで持ち運びやすいデザイン
カード型のケースにレンズとフォーカススタンドが収まるというのは非常に合理的な作りだと感じました。個人的にモバイル用途はあまり無く、財布やカードケースに入れることはまず無いと思われるので、レンズの保護やフォーカススタンドの利便性を追求して欲しいと思いましたが、まずは使ってみたいと思ったのが正直なところです。
カード型のケースに入った製品一覧
一般的なカードとの比較
カードサイズではなく「カードケースサイズ」です
というよりカードケースそのものです
◇モバイル機器との親和性
ほとんどのスマホカメラに対応しているということで、その汎用性の高さに驚きました。
現在使用しているデバイスは「iPhone 13Pro」なのですが、3つあるカメラレンズ全てに装着は可能ですが、超広角レンズは画角的にケラレる部分があるので使えないということなので、問題なく使用できるのは「広角レンズ」と「望遠レンズ」ということになります。
超広角も使えますが、激しいケラレが発生します
カメラアプリとしてはレンズを手動で切り替えられないiOS純正カメラアプリは本製品には不向きですが、「手動で使用レンズを固定できる」さらには「撮影中のライト常時点灯」が可能なカメラアプリがいくつかあるようなので、とりあえずは大丈夫でしょう。※公式アプリ「i-Seeing」は、レンズ固定(広角レンズのみ)ながら使い勝手は微妙そう。。。
i-Seeingの画面、機能は少ないかも、、、
公式ページで推奨しているアプリとしては「Mカメラ(無料)」「MyCam(有料)」などがありますが、以前から愛用しているマナーカメラの「OneCam(有料)」がレンズ固定とライト常時点灯の両方に対応しているので、こちらを使おうかと思います。
汎用性やアプリも重要ですが、何と言ってもスマホケースを利用したままでも使えるというところに惹かれました。
◇画像の取り扱い
あくまでもスマホのカメラレンズを通して撮影するので、保存先はもちろん編集についてもいつも通りのアプリで扱えるので違和感なく使えそうなところが良さそう。
◇価格は微妙・・・?
私個人としては、これを使うことで正確な診断をしたり、科学的分析などの用途に使用したりするつもりは全く無いので、拡大レンズとしてはやや割高な印象を受けましたが、本格的な顕微鏡レンズであり、進化し続けている製品仕様を考慮すると納得の価格だと判断しました。
この時に気づいていれば良かったのですが、、、
まぁ、クラファンの予約販売で購入した方が安く購入できたと思いますが、当時は気付かなかったので仕方ありませんね。
※実は寝る前の妙なテンションでうっかりポチッてしまったというのは内緒ですw
とにかくコンパクトで扱いも簡単!
パッケージ内容は、X30レンズ、X100レンズ、フォーカススタンド、マイクロ定規M、カード型ケース、アプリのダウンロード用QRコードです。
パッケージ内容 ※中央奥の小さいパーツは用途不明?w
X30レンズは30倍~240倍、X100レンズは100倍~800倍まで拡大できるということです。レンズは片面に吸着パッドが付いていて、カメラのレンズに直に貼り付ける方式となっています。吸着パッドは汚れると吸着力が落ちますが、汚れを取り除けば吸着力が復活するそうです。
X30レンズ(白)
X100レンズ(透明)※吸着パッドが透けて黒く見えます
吸着パッド面、意外と吸着面は広いです
光学系のアイテムは光の乱反射等を防ぐため黒いものが多いのですが、X30レンズは本体が白色です。これは、少しでも対象物を明るくしようということなのでしょうか?さらに圧倒的に光量が不足すると思われるX100の方は、少しでも外からの光を取り込むためなのか本体も透明仕様となっていました。
両方とも透明で良かったのではと思いましたが、色違いの方が見分けやすいのでこれが正解なのでしょうね。ただ、スマホに白いレンズを装着すると見た目の違和感が凄いので見栄えはあまり良くないし、ちょっと安っぽく感じるというのは私だけでしょうか。。。
レンズの装着方法は目見当でも何とかなりますが、レンズの吸着パッド面を上に向けて置き、カメラアプリ(レンズが固定できるアプリ)を起動して画面を見ながら装着するのがベストです。レンズは床面に置くと光が遮断されがちなで位置合わせが難しいので、装着する際はレンズを付属のカード型ケースの上に置くとレンズ部分が明るく見えて合わせやすいようです。
目玉のようなX30レンズをカバー付きiPhoneに
装着するとポケモンっぽい?
望遠レンズ+X30レンズ
望遠+X100レンズ
斜め横から見た感じ
ピント合わせと配光具合で苦労します
レンズを装着するところまではスンナリ進みますが、いざ撮影(または観察)となると少々厄介というかコツがあるようで、慣れれば何てことは無いと思いますが、このレンズを通して見たいモノに合わせてアプリや撮影方法を使い分ける必要がありそうです。
広角レンズに装着した例
いくつか身近なものを撮影してみましたが、倍率が高ければ高いほどブレやすく、ピントの合う範囲が狭いので、手持ちの場合はスマホの一部を接地させてブレを抑えながら撮ると良いようです。ピントが合わせづらい時は付属のフォーカススタンドを使うと比較的ピントが合わせやすいようでした。
また、接地するのが不可能な場合は、三脚を使用すると良いかも知れませんが、機動性を優先するならば動画で撮影してあとから画像として切り出すのが良いかも知れませんね。
被写体については、平面的なものは割とピントが合わせやすいのですが、立体的なものは被写界深度の関係でピントの合う範囲がピンポイントになってしまうので、ピント合わせが結構難しいです。マニュアルのカメラだったら三脚立てて絞り込んで撮れば大抵はうまく撮れていたのですが、無料のカメラアプリには絞り値を変更して被写界深度を深くするようなものは見つけられませんでした。
※以下の作例はX30レンズのみで画像編集(色合い調整やトリミングなど)しています。
平面的なものの例(広角+X30):印刷物の網点
平面的なものの例(望遠+X30):印刷物の網点
黄色インクのボールペンの先端(広角+X30)
黄色インクのボールペンの先端(望遠+X30)
縫い針(ミクロハンターレンズ無し)
縫い針(広角+X30)
縫い針(望遠+X30)
オマケ:縫い針(超広角+X30)
スマホ側のライトを点けると、画面が明るくなりますが、金属などの光モノは乱反射して白飛びすることがあるのでキレイに撮るのは難しいです。また、近づくほど逆光気味になるので、意図した陰影が付かないこともあります。
髪の毛(望遠+X100)
逆光で中央が黒くつぶれています
iOS純正のカメラアプリにはポートレートモードで絞り値を変更できる機能がありますが、十分な距離がないとポートレート画像として保存されないので、接写用としては全く使用できないようでした。(残念)
◇iOS純正カメラアプリ
・ポートレートモードならレンズの手動切り替え(固定)が可能
・ビデオ撮影モードだけライトの常時点灯が可能
ポートレートモード左の丸ボタンでレンズを切り替え
◇i-Seeing(ミクロハンター純正)
・広角レンズ限定
・ライトの常時点灯が可能
・定規を表示
定規を表示※要キャリブレーション
◇OneCam(有料)※サブスク無し
・レンズの手動切り替えが可能
・ライトの常時点灯も可能
・露出(明るさ)調整あり
◇ProCam(有料)※サブスク無し
・レンズの手動切り替えが可能
・ライトの常時点灯も可能
・マニュアルモードあり
右下の丸ボタンでレンズを切り替え
フォーカススタンドはカード型ケースの中に収納できる組み立て式のピント調整用簡易スタンドです。プレパラートなど薄いものや高さが低いものを観察する時にピント合わせがしやすくなるツールです。スタンドといってもスマホの下に下駄を履かせるような感じで、一定の高さを保持するための簡易的な台です。
組み立てると三つのパーツになります。下の画像のように置いてiPhoneのライトニングポートの位置にあるパーツを前後させると、残りの二つのパーツを支点にシーソーのようにレンズ部の高さが上下するので、その仕組みでピントを調整します。多少の慣れが必要ですが、嘘のようにピタッとピントを保持できるので、被写体によっては大変重宝します。
毎回バラバラのパーツを組み立てます
フォーカススタンドをセットした状態
ただ、厳密には被写体に対してやや斜めに見ることになるので、均一にピント合わせをするのは難しいかも知れません。まぁ、私の場合は画像をそのまま使用することはなく、大抵トリミングして使用するので、その辺りは許容できる仕様だと思っています。
ちなみにフォーカススタンドは、スマホケースに入った状態(上の画像)でも使用できますが、私が使用しているスマホケースは丸みがあるので、安定感は微妙です。スマホケースから出した方が安定感が増すと思います。
もっと良さげなスタンドは無いものかと探してみましたが、コレだというものが見つからなかったので、安い顕微鏡用の昇降式スタンドを購入・改造してスマホを取り付けられるようにしてみようかと思っています。
使い勝手は良いものの宝の持ち腐れになる可能性大w
吸着方式のレンズは軽快で取り回しも良く、手軽にセットできて非常に良いと思います。ただ、うっかりすると装着したままスマホをポケットに入れてしまい、レンズを失くしてしまうおそれがあるくらい装着感がないです。
ピント合わせには若干クセがあるので慣れが必要かも知れません。シャッターを切るようなちょっとした行為でピントがズレたりブレたりするので、BT接続のシャッターリモコンがあると良いかも知れませんね。
ダイソーで売ってるBTシャッターリモコン
二種類のレンズのうち「X100」レンズの方は高倍率過ぎて、接写というより本格的な顕微鏡用途となってしまうため、撮りたいものが思いつかないというのが現状ですw 子供用のプレパラートでも買ってみるかな、、、
対して「X30」レンズの方は低倍率ながら使い勝手が良く、私の求める用途に近いので、こちらがメインとなりそうです。
10円玉のアップ
カサカサの毛穴から毛が一本w
クルマに付いた5mmくらいの傷(ミクロハンター未使用)
広角+X30レンズ、何の傷だろう??
望遠+X100レンズ、もう何がなんだか、、、
ということで、ちょっと顕微鏡に寄り過ぎている気もしますが、ミクロハンターレンズならスマホを機種変更してもそのまま使えそうなので、長く使えそうな気がしています。
※作例は気が向いたら追加したいと思います。
-
購入金額
8,550円
-
購入日
2023年08月頃
-
購入場所
公式ショップ
HTTKさん
2023/10/03
ちなみに、動画でも使えたりするのでしょうか?
「観察」とあったので見られるのかなと…
老眼鏡でも見えにくいような細かい作業
(プラモとかラジコンの)なんかで
気軽に使えそうだなと思いまして。
izappyさん
2023/10/03
コメントありがとうございます。
動画撮影は可能ですし、動画で撮って後から静止画を切り出す方法も便利です。ただ、添付画像のようにレンズと被写体の隙間がほとんどありませんので、細かい作業をしながらというのは難しいかも知れません。
私も同じような用途で気軽に使いたいと思って購入しましたが、思いのほかピントの合う範囲が狭く、思い通りの画像が撮影できなくて毎回四苦八苦しています(苦笑)
HTTKさん
2023/10/05
まさに顕微鏡ですねw
ここまで拡大したいものはなさそうかも。
でも、ミジンコとかミドリムシとか見てみたくなりますね。
izappyさん
2023/10/05
私の用途的にもちょっと拡大率が高過ぎでしたw
しかも平面的なほうが観察しやすいので、別売の観察用プレパラート標本(鉱物とか)を買ってしまおうかとも思いましたが、一度見たら飽きてしまいそうだったので止めました。