レビューメディア「ジグソー」

京アニの「アニメ」ファンには物足りなかったかもしれないが、「音楽」ファンには良きイベントだった。あとはフル生バンドだったら言うことなかったが。

「芋づる式洲崎綾 Part10」。Webラジオのキャラクターの面白さと、天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連レビュー。12月といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品やDJCDや書籍、原作本など、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビューの10回目。

 

昨年「Part9」の最初にレビューした「第5回京都アニメーションファン感謝イベント」関係。

昨年参加した「京都アニメーションファン感謝イベント」、通算5回目の開催だったわけだが、このイベント、途中で方向性が変わっている。第1回~第3回は制作スタッフとファンとの交流イベントの様相が強かったようだが、第4回(2019年)は例の事件のすぐ後で、制作スタッフがほぼかかわっていない、京アニ作品音楽をオーケストラで演奏するコンサートというイベントになった(厳密にいうと、製作スタッフがかかわるはずだった「第4回京アニ&Doファン感謝イベント 私たちは、いま!! 届け!京アニ&Doのいろいろ編」の方が中止になり、音楽イベント「第4回京アニ&Doファン感謝イベント 響け!京都から世界へ編」だけが開催された形)。

 

昨年(2021年)開催された第5回は、第4回よりは作品との関係性は深いものの、やはりスタッフの参加はない「音楽イベント」だった。ただ、出演した各作品のキャストは第4回のときよりはるかに多く、作品の世界観をより濃く表した感じになった。それが「第5回京都アニメーションファン感謝イベントKYOANI MUSIC FESTIVAL ―感動を未来へ―」。

 

第4回は、本来スタッフ交流イベントと音楽イベントが併催される予定であり、音楽イベントの方は、大和田雅洋指揮の洗足学園音楽大学フレッシュマン・ウインド・オーケストラや、栗田博文指揮の関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏がメインで、そのフルオーケストラ演奏をバックに、京アニ作品にかかわった北宇治カルテットTRUEが歌を添えたり、作品出演者が幕間にトークをしたりと言うイベント。どちらかと言うとキャストの方が「ゲスト」というかたちで、オーケストラメインで純粋に楽曲を鑑賞するイベントだったようだ。

 

それが第5回は、当初からこの音楽イベントだけで成り立つように企画されたからか、「京アニ作品」のアピールが強い構成だった。歴代京アニ作品にかかわったキャストが、自身のかかわった楽曲を中心に歌唱し、世界を創った。

 

週末二日間にわたって開催されたこのイベント、約1年後に円盤化されたので、予約購入した。

一見シンプルなようでいて、ラメとか入って意外にゴージャス
一見シンプルなようでいて、ラメとか入って意外にゴージャスなパッケージ

 

内容はBD2枚とCD、フルカラーアフターパンフ
内容はBD2枚とCD、フルカラーのアフターパンフレット

 

まずcybercatも参加した土曜日の「DAY1」。

 

両日ともにオープニングアクトを務めた相沢舞が、劇場版「天上人とアクト人最後の戦い」のエンディングテーマ「ユメミタソラ」を歌った後、ステージに登場したのは、あやちゃん!かなり高音域も使い、調が不安定で、速い譜割と長音が交互に現れるような難曲「ドラマチックマーケットライド

⇒かわいらしい「ねぐせ」、

そして劇場版の主題歌にして、「北白川たまこ(C.V.洲崎綾)」ではなく、「洲崎綾」のクレジットでリリースされた「プリンシプル

につなげる。「ドラマチックマーケットライド」はレコーディング時も当初は全然出なかったという、高い音が連続する難しい節回しの曲だが、年齢を経た今でもかなり出てる!そして「プリンシプル」は沁みる名曲。♪いま少し震える手で/まだ見えない明日の/窓を開けたら/何があるかな?/奏でてみたい/探してたこのメロディ/風がふきぬけたら/未来まで/駆けだす新しい私をそう/誇れるように♪久々に映画(たまこラブストーリー)観たくなったな...

バックの映像は当然京アニのオリジナル画像からのもので、説得力高し
バックの映像は当然京アニのオリジナル画像からのもので、説得力高し

 

中間部のスペシャルステージは、「けいおん!」と「氷菓」という古典?を挟んだ。ただ「氷菓」のテーマ「優しさの理由」はオリジナルシンガーのChouChoで聴けたのは盛り上がった。

 

1日目のハイライトは、音楽担当の加藤達也による怒濤の「Free!」 系楽曲パフォーマンスの後の、「響け!ユーフォニアム」シリーズ。劇中のメインキャラ4名のグループ、北宇治カルテットに続いて、TV第1期、同2期、劇場版と全てにおいて主題歌を担当したTRUEによる圧巻のパフォーマンス。特に、第2期主題歌「サウンドスケープ

はお気に入りの曲なので、生でTRUEの美声が聴けてとても楽しめたステージが、想い出される。

TRUEの朗々としてヌケがイイ声は、気持ちいい
TRUEの朗々としてヌケがイイ声は、気持ちいい

 

2日目は参加していないが、こちらはこちらで盛り上がったようだ。スタートは「中二病(中二病でも恋がしたい!)」!特にこの「中二病」で取り上げられてブレイクしたZAQの圧巻のパフォーマンスがスゴイ!DAY1はスペシャルステージとトリを務めたTRUEが出ずっぱり...という感じだったが、DAY2はZAQ!声量がすごくてロック!特に劇場版の「中二病でも恋がしたい!-Take On Me-」のテーマソング「JOURNEY」は激しい。ロックな曲を立て続けに歌った後は、「中二病」の声優ユニットBlack Raison d'êtreが合流。Black Raison d'êtreは本来4人組だが、五月七日くみん役の浅倉杏美が不参加のためか、ZAQを加えた4人で歌唱。

ZAQは腹から出ている力強い声がロック!!
ZAQは腹から出ている力強い声がロック!!

 

の3人に、ZAQを加えた4人で歌う
Black Raison d'êtreの3人に、ZAQを加えた4人で歌う

 

「境界の彼方」~「小林さんちのメイドラゴン」と進んで、スペシャルステージには「涼宮ハルヒ」、「らき☆すた」というこちらも「古典」で盛り上がるが、ZAQが加わると歌が力強いなー。

 

スペシャルステージが明けると、怒濤の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」攻勢。ピアノ+弦楽四重奏のEvan Callによる劇伴の後は、TRUE茅原実里が交互に歌い世界を創る。ラストは結城アイラのピアノ弾き語りでしっとりと....という感じ。

茅原実里の声は存在感がある
茅原実里の声は存在感がある

 

両日とも全員歌唱で、「バジャのスタジオ ~バジャのみた海~」の「てとてとて」を歌って〆。1日目と2日目、オープニングとエンディング以外全て同じ曲がないのにいずれも名曲、というのが京アニの楽曲への力の入れ方がわかる。

 

予期していなかった?3枚目はCDで、イベントのエンディングのクレジットで流された曲。これはDAY1、DAY2各当日の演奏曲を全てつなげたリミックスで、流して聴くのにいい感じの曲。

 

特典のブックレットは48ページフルカラーで、写真やセットリスト、出演者のひとことなどがちりばめられているが、「京アニ」らしいなぁと思うのは、オープニングCGの制作過程の公開があったり、イベントレポートが「写真ではなくイラスト」だったりすること。この「AFTER PAMPHLET」は思いのほか読み応えがあった。

出演者インタビューなど「定番」ものから....
出演者インタビューなど「定番」ものから....

 

オープニングCGの制作過程詳説...
オープニングCGの制作過程詳説...

 

イベントレポートが写真ではなく、イラストというのがアニメ制作会社らしい
イベントレポートが写真ではなく、イラストというのがアニメ制作会社らしい

 

本品、一応一般販売もあったみたいだけれど、ほとんどが予約販売で捌けた感じ。

 

たしかにイベントを思い返すのにも最適ではあるが、京アニのこだわりの音楽が詰め込まれていて、イベントに参加していない人でも純粋に楽曲が楽しめる作品になっている。そういう意味では、購入機会が限られてしまっているのがちょっともったいないと思えるほどの作品です。

 

【収録内容】(作品名:歌唱-演奏-担当)

<Disc1>【DAY1】2021年11月20日(土)
1. ユメミタソラ(天上人とアクト人最後の戦い:相沢舞)     
2. ドラマチックマーケットライド(たまこまーけっと:洲崎綾)
3. ねぐせ(たまこまーけっと:洲崎綾)
4. プリンシプル(たまこラブストーリー:洲崎綾)
5. Naked Dive(無彩限のファントム・ワールド:SCREEN mode)
6. 純真Always(無彩限のファントム・ワールド:田所あずさ)
7. Naru(ツルネ -風舞高校弓道部-:ラックライフ)
8. オレンジ色(ツルネ -風舞高校弓道部-:ChouCho)
9. Songbirds(リズと青い鳥:Homecomings)
■スペシャルステージ--------
10. Don't say "lazy"(けいおん!:TRUE)
11. ふわふわ時間(けいおん!:田所あずさ)
12. 優しさの理由(氷菓:ChouCho)
----------------------------
13. From EVER BLUE(Free!:加藤達也)
14. Rhythm of new sensation(Free!-Dive to the Future-:加藤達也)
15. Departure for the future(Free!-Eternal Summer-:加藤達也)
16. Pure blue starting〜Starting days(ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-:加藤達也)
17. Starting to the future(ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-:加藤達也)
18. Relate to you(Free!-Dive to the Future-:加藤達也)
19. Into the new world(Free!-Dive to the Future-:加藤達也)
20. Never seen landscapes(Free!-Dive to the Future-:加藤達也)
21. Don't matter anymore(Free!-the Final Stroke-:加藤達也)
22. We could be free(Free!-the Final Stroke-:加藤達也)
23. トゥッティ!(響け!ユーフォニアム:北宇治カルテット)
24. ヴィヴァーチェ!(響け!ユーフォニアム2:北宇治カルテット)

 北宇治カルテット=黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳
25. Blast!(響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~:TRUE)
26. サウンドスケープ(響け!ユーフォニアム2:TRUE)
27. DREAM SOLISTER(響け!ユーフォニアム:TRUE)
28. てとてとて(バジャのスタジオ ~バジャのみた海~:DAY1出演アーティスト)

 

<Disc2>【DAY2】2021年11月21日(日)
1. ユメミタソラ(天上人とアクト人最後の戦い:相沢舞)      
2. Sparkling Daydream(中二病でも恋がしたい!:ZAQ)
3. VOICE(中二病でも恋がしたい!戀:ZAQ)
4. JOURNEY(中二病でも恋がしたい!-Take On Me-:ZAQ)
5. INSIDE IDENTITY(中二病でも恋がしたい!:Black Raison d'être + ZAQ)
6. Van!shment Th!s World(中二病でも恋がしたい!戀:Black Raison d'être + ZAQ)

 Black Raison d'être=内田真礼、赤﨑千夏、上坂すみれ
7. 境界の彼方(境界の彼方:茅原実里)
8. 会いたかった空(境界の彼方 -I'LL BE HERE- 未来篇:茅原実里)
9. 約束の絆(境界の彼方:茅原実里 + ZAQ + towana)
10. めいど・うぃず・どらごんず♥(小林さんちのメイドラゴンS:スーパーちょろゴンず)
11. イシュカン・コミュニケーション(小林さんちのメイドラゴン:スーパーちょろゴンず)

 スーパーちょろゴンず=桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、高橋ミナミ、嶺内ともみ
12. 愛のシュプリーム!(小林さんちのメイドラゴンS:fhána)
13. 青空のラプソディ(小林さんちのメイドラゴン:fhána)
■スペシャルステージ--------
14. 優しい忘却(涼宮ハルヒの消失:茅原実里)
15. ハレ晴レユカイ(涼宮ハルヒの憂鬱:茅原実里 + ZAQ + TRUE)
16. もってけ!セーラーふく(らき☆すた:スーパーちょろゴンず)
----------------------------
17. ヴァイオレット・エヴァーガーデン劇伴メドレー

  (ヴァイオレット・エヴァーガーデン:Evan Call)
18. Sincerely(ヴァイオレット・エヴァーガーデン:TRUE)
19. エイミー(ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-:茅原実里)
20. みちしるべ ~Movie Version~(ヴァイオレット・エヴァーガーデン:茅原実里)
21. WILL(ヴァイオレット・エヴァーガーデン:TRUE)
22. 未来のひとへ 〜Movie Version〜(ヴァイオレット・エヴァーガーデン:TRUE)
23. Violet Snow(ヴァイオレット・エヴァーガーデン:結城アイラ)
24. てとてとて(バジャのスタジオ ~バジャのみた海~:DAY2出演アーティスト)

<Disc3>イベントエンディングリミックスCD
1. DAY1
2. DAY2

封入特典:48Pアフターパンフレット

 

〈Day1〉ダイジェスト映像

 

〈Day2〉ダイジェスト映像

更新: 2022/12/08
洲崎綾推し的オススメ度

新田美波以外の歌声は最近少ないので...

たまこま(たまこまーけっと)系の楽曲が今になって聴けるとは思わなかった.....惜しむらくはバックが録音もので生バンドではなかったことか....

  • 購入金額

    27,500円

  • 購入日

    2022年11月22日

  • 購入場所

    京アニショップ!

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