レビューメディア「ジグソー」

有用さは使いこなし次第

ここ最近オーディオ界で話題になっている小物の一つに、旭化成が開発したノイズ抑制高機能不織布「PULSHUT」を採用したノイズ抑制テープ、オヤイデ NRF-005Tがあります。

 

PULSHUTについては開発元の旭化成に紹介ページが用意されていますのでそちらをご覧いただくとして、これをどのようにオーディオで使えば効果的なのか、ユーザーが日々研究を続けている状態です。

 

製品版のNRF-005Tは幅15mm、長さ4mで7,700円という商品なのですが、さすがに庶民が気軽に買って試すにはちょっと敷居の高い価格でもあります。そこでオヤイデ電気の秋葉原直営店限定となりますが、これを長さ80mm×2枚と細かくカットしたお試しパックが用意されていますので、取り敢えずこれを買って試してみることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テープ状となっていて、一見多少厚みがあるように見えるのですが、実際にはこの厚みは台紙の方によるものでテープ自身の厚みは極めて薄いものとなっています。

 

このお試しパックは主にケーブルに巻くことを想定しているようですが、そこそこ良質な据え置き用のオーディオケーブルであれば皮膜やシールドに後付けのチューニングを施しても、必ずしも良い方向の変化とならない場合も多いということで、それ以外の用途を探ってみることにしたいと思います。

 

取り敢えず最初に実験するには、普段持ち歩いているポータブルオーディオ環境にしてみましょう。

 

DAPがCayin N6ii/R01、イヤフォンは64AUDIO U4(m15)、ケーブルはWAGNUS. petit NEUTRON Lily、変換ケーブルはBrise Audio STR7-CONV(相当品)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2022/12/03
総評

効果は試行錯誤して調べる

まずは王道ともいえるケーブルです。とはいえ、イヤフォンケーブルは何重かに巻いて柔軟性を損なってしまうと取り回しが悪くなりますし断線もしやすくなります。二重巻き程度が良いといわれていますが、私は一周だけ巻くことにします。

 

 

 

 

 

 

 

台紙を剥がさず巻いてみたところ、変化量がある程度あったのは2.5mm4極バランスプラグ付近でしたので、ここで台紙を剥がして固定してみました。

 

この組み合わせでは高域方向の緻密さが向上する印象がありました。とはいえ、一周巻きでは効果は限定的で、気のせいで片付けられてしまう程度でしか無いかも知れません。STR7-CONVの端子部などは仮に当ててみても目立った効果は感じられなかったので、ここで使うのは止めました。何しろ計160mmしかありませんので…。

 

続いてDAPのCayin N6ii本体です。最初はオーディオマザーボードR01で色々試していたのですが、率直に言って先日取り上げたAdPower Sonicの方が大きく変化が感じられる感覚で、コストパフォーマンスが悪いのでここは止めました。

 

少ない使用量である程度の効果が実感出来たのは本体底面の端子周りでした。

 

 

 

 

 

 

 

充電しながら再生していたせいもあるのかも知れませんが、USB端子付近やI2S端子付近に貼ってみると雑味が消えS/N感が向上する印象がありました。

 

結構期待していたDAP関連ですが、思いついた範囲での効果は劇的というほどではなく、残りをどう使うか悩んでいたのですが、ここでふと思いついた部分がありました。

 

私はDAPでオーディオファイルを持ち歩くときには、極力メモリーカードにデータを置きます。つまり近年のDAPでは殆どの場合microSDタイプのメモリーカードです。これは本体内蔵のFlash ROMの読み書き回数を極力減らしたいという理由からです。

 

つまり普段聴いている音楽はほぼ全てmicroSDメモリーカードに入っている訳で、メモリーカードのノイズ対策に意味があるのではと思いついた訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

但し、真似しようとしている方に注意していただきたいのですが、利用するDAPのカードスロットの構造によっては大きさや位置によってスロットに引っかかって剥がれたり、最悪スロット内に残って故障の原因となってしまう可能性があります。利用するDAPのスロットの特性が十分に理解出来ていて安全と思えなければ、この方法は試さないようにしてください。

 

 

さて、このメモリーカード(Essencore Klevv microSDXC 512GB)とCayin N6iiの組み合わせにおいてですが、この方法ははっきりと効果が出ました。濁りを生んでいた付帯音が取れ、ヴォーカルの実在感がはっきりと向上します。ケーブルやDAP本体は、それぞれのノイズ対策を含めた構造により効果は大きく変化しますが、microSDメモリーカードのノイズ対策はどの製品もそこまで徹底されていないと思いますので、一定レベルでの効果は見込めるものと予想しています。

 

ただ、裏面がチップ状に盛り上がっているSanDiskの大容量品などでは効果的な場所に貼るのは難しいかも知れません。端子側の面に貼るのであれば、このEssencore Klevvのように盛り上がりが存在していないmicroSDカードを使うようにしてください。

 

 

現時点でまだ1枚+αが残っていますので、あとはどこに使うかまた考えたいと思います。

  • 購入金額

    550円

  • 購入日

    2022年11月11日

  • 購入場所

    オヤイデ電気秋葉原店

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