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MF方式カートリッジ 解明版?...

GLANZ 「G-20」 MF方式レコードカートリッジ   No.Ⅱ

 

知る人ぞ知るというグランツ(ミタチ音響:GLANZ)という会社のカートリッジです。 グランツ社は1970年頃のアナログオーディオブームの頃はOEMで家電メーカーの裏方に徹していました カートリッジやトーンアームで活躍して、後半には自社製のカートリッジも販売してました 

その後、会社解散しましたが、現在は再興してトーンアームのみを製造生産してるようです。

 

今回のは自社販売分のカートリッジです  GLANZ社はMM,MCカートリッジを販売してましたが、自社ブランド販売分はMMカートリッジはMF(MOVING FLUX)方式でした、またMCカートリッジも製造してましたがこちらは針交換式でした MF方式は輸出もしていたので特許回避だったのでしょう。

 

独自の技術を持った企業であったわけです MF方式と言う、アメリカ、ヨーロッパには特許で輸出できないという事から苦肉の策を考えたのです OEM相手先の名称でカートリッジに相手先のエンブレムを付けているのもあります。

 

GLANZ : ミタチ音響製作所----http://glanz.tech/j/about_glanz/ 

 

 

     

  

以前針折れ品を入手してましたがMF方式と言うのが判らないで、針を色々試行錯誤で弄っていましたがあまりうまくいきませんでした で、今回針も折れていないの物を入手できました G20と言うのは価格的には安い方で入門機です 当時でヘッドシェル付きで8000円 当時でレコード4枚分位。 

     

 

                    G-20 仕様      

       

       

 

  

       交換針は奥に差し込んで手前の爪で引っかけるタイプで取り付け簡単です   

      

      

       針部分に本来は針カバーが付きます 

          

    

 

      上画像の裏側 テンションワイヤー無し

   

 

  

       金属部のV型の処に金属板がありそこに針が乗る感じですね

     

   

 

薄いV型金属板の裏側に金属棒が有り、左右CHで2個ですが、それに付随してL , R発電コイルが奥に有り、カンチレバーの根元のマグネット振動でコイルに電圧が誘起されます カンチレバー奥のマグネットの位置が微妙で最大発電位置はクリチカルです。

     

  

        だし巻き卵のような奥の2個の金属はパーマロイなどでしょうね  

       

        

  

 奥が赤く見えますが発電コイルです 左右に2個あります 手前がレコード針側です

    この金属の加工跡が見えます。  

     

   

       SWEEP波形 L-CH 

      

    

                      SWEEP波形 R-CH

       

   

 

SWEEP波形はフラットでお見事です 低価格帯で20KHz迄フラットは流石ですね MM型でも

あまり見ないものでMC型と比較しても素晴らしいです。 

  

    

1KHz高調波 下の波形が正解かも 2次高調波がある筈ですがキャプチャー時に写らなかった   

         

  

     

       中央1KHz再生時の高調波等  右二次高調波が見えます 

       

  

  

       20-20KHz SWEEP波形(波高値高く薄い部分) 

   

  

後記 

MF型ですが、以前よりMOVING FLUXという語句からはどういう構造なんだろうという思いがありました。可動磁力のような意味ですが、簡単に言えばMM型カートリッジで交換針をカートリッジ内に差し込まないで、外側に置いた構造と言えばいいですかね。 カンチレバーの針の反対側に付いているのはマグネットです マグネットとコイル間に磁力線を仲介する金属が必要です。

 

形は変えたけど普通のMM型カートリッジと言う訳です 磁界を収束するのにパーマロイなどの透磁率の高い金属を必要とした所為か構造もやや複雑です   原理的にはIM型、MI型などと同じ、オーソドックスなMM型カートリッジの亜流とも言えます。

しかし70年代のオーディオ開発者は寝食を惜しんで、色々と試行錯誤して開発に打ち込んでいたと言えますね それを実用化してしまうのですから流石ですわ。

 

音質はフラット傾向ですが、低価格の所為か音質は贅肉が無いです 高音はやや控えめですし、低音も出すぎる感じはしないです エネルギッシュな再生音では無いです 周波数特性は良好ですが、年数が経っているので高音が出にくくなっているのも多少有るのでしょう、ボーカルは明瞭に聴こえますし、良好です 所謂ドンシャリでなくノーマルな再生音と言う感じはします MF方式、戦後の日本人は色々考えました そして輸出して外貨を稼ぎました。 

(試聴曲 : 高田みづえ LP:プライベートコレクション) 

 

  

後日談 2022-9-20

昨日は台風14号(2022-9-19)で暇なので、前回品のG-20  No.1を弄っていたのですが、なかなか出力電圧が上がりません カンチレバーも変えたりしましたがかなり落ちていました 結局カンチレバーに付いているマグネットの磁力が弱いと出力が出ないんじゃないかと思います コイルギリギリでマグネットが振動すれば良いが、今回の様に離れていると出力電圧が減少するんでしょう またマグネットの位置も微妙なところだと思います。

 

MF方式はMM方式の特許は回避できたのでしょうが、製造上はかなりの制限や負荷があったと思います MM型は割と構造が簡単で製造も一応は簡単だったという事です GLANZ社などは、やはり後追い企業の宿命でしょうか、なかなか大変な製造工程だったと思います。 

 

 

 

 

   

 

    G-20   No.1

 

 

 

使用ソフト

eFU氏作 WAVE SPECTRA

VB-AUDIO SOFTWARE社 SPECTRALISSIME

 

 

  • 購入金額

    4,750円

  • 購入日

    2022年08月頃

  • 購入場所

    ハイファイ堂

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