レビューメディア「ジグソー」

これまでとはEVO.IIの印象が少し異なる

前回取り上げたKS-Stage221EVO.Iから、リードピンと導線を結合するハンダの種類だけが異なっているのが、今回取り上げるKS-Stage221EVO.IIとなります。

 

 

 

 

 

KS-Remastaが独自に用意したハンダがEVOという名称を与えられていますが、EVO.IとEVO.IIとの関係はグレード差ではなく音色の違いを表すものとなっています。それぞれ明確に別の音を持ちますが、価格は完全に同一です。

 

過去に取り上げたKS-Remasta製品で、EVOシリーズのハンダを用いているものについては、私は大体の場合にEVO.IIの方の音を気に入っていて、購入時にオーダーしてEVO.IIのものを注文することが多かったのです。現在メインのカートリッジとしているaudio-technica AT-OC9/IIIに使っているのも、敢えてハンダを指定させていただいたKS-Stage401EVO.II/VKです。

 

 

 

 

 

 

EVO.IとEVO.IIの何が違うのかは実際に音を聴いていただく他は無いと思うのですが、強いて言えば音の頭の部分の応答性でEVO.IIの方が勝っているのではないかと感じていました。そのため楽器やヴォーカルの質感や間接音の表現でも有利な感じがしていたのです。

 

しかし、今回このKS-Stage221EVO.IIとKS-Stage221EVO.Iとを聴き比べた結果、その違いが今までとは少し違って感じられましたので、今回はその点を中心に触れていくことにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッドシェル側のピンの皮膜はKS-Stage221EVO.Iと同じく白で、白(L側+)の赤いリングがなければ見分けは困難でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

画像ではKS-Stage221EVO.Iと見分けが付きにくいため、過程の部分は省略して早速試聴に移ります。

更新: 2022/05/08
総評

やや明るめの音色が特徴的

いつも通りのTechnics SL-1200G+Phasemation EA-200という環境で試聴します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試聴ソースは今回統一して使っている「Babylon Sisters / Steely Dan」と「Runaway Dancer / Champlin Williams Friestedt」「10 Miles / Champlin Williams Friestedt」となります。

 

 

まず「Babylon Sisters / Steely Dan」の冒頭で、低域方向の重心が僅かながらKS-Stage221EVO.I比で高くなりました。これまでに聴いたKS-Stage121EVO.I、KS-Stage221EVO.Iのいずれも従来のKS-Stage10x、KS-Stage20xシリーズよりも低域方向が質・量共に向上していたため、KS-Stage221EVO.IIではEVO.Iハンダ採用モデルよりもその向上の度合いが小さく感じられました。

 

ヴォーカルが入るとドナルド・フェイゲンの声は少し硬質でハスキーさも出てきます。エコー成分はEVO.Iよりも明瞭でEVO.IIらしさは見えるのですが、声の自然さはむしろEVO.Iの方が少し上だったかも知れません。スネアドラムの歯切れの良さなどはさすがにEVO.IIの良さが出てきますので、総合的には一長一短程度でしょうか。印象としてはEVO.Iが落ち着いたナチュラルトーン、EVO.IIがやや明るめのハイスピードサウンドといったところでしょうか。これまでは明確にEVO.IIの方を好みと言い続けてきましたが、KS-Stage221系では「甲乙付けがたい」としか言いようがありません。

 

「10 Miles / Champlin Williams Friestedt」ではさらに判断が難しくなります。この曲ではリード・ヴォーカルがジョセフ・ウィリアムスとビル・チャンプリンの2人となるのですが、高音側のジョセフ・ウィリアムスの声はEVO.IIの方がハリがあって良いのですが、低音側のビル・チャンプリンの声はEVO.Iの方が声に懐の深さが感じられて良いのです。

 

そして「Runaway Dancer / Champlin Williams Friestedt」ではリード・ヴォーカルがビル・チャンプリンとなり、アップテンポな楽曲ですのでバスドラムの重量感が一歩勝るEVO.Iの方がやや優勢という印象でした。スネアドラムはEVO.IIの方が良いのですが、バスドラムがやや軽く感じられてしまうのです。

 

このように、楽曲ごとに一長一短であったり、どちらが優勢となるかが変化するぐらいに甲乙付けがたいという結果となりました。KS-Remastaとしての基準はEVO.Iの方と伺っていたのですが、今回のKS-Stage221シリーズでそれが初めて納得できた気がします。今までなら迷わずEVO.IIをオーダーしていたのですが、KS-Stage221シリーズであれば、私でも恐らくEVO.Iの方を選ぶと思います。甲乙付けがたいのは間違いないのですが、よりナチュラルさが感じられたのはEVO.Iの方でした。

 

  • 購入金額

    27,500円

  • 購入日

    2022年05月03日

  • 購入場所

    KS-Remasta

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