レビューメディア「ジグソー」

使い方次第だが、仮想アースとしての効果は十分

主にアナログ再生時のノイズ対策を目的として、少し前に仮想アースとしては比較的安価でベストセラーとなっているKOJO Crystal Eを導入しました。

 

 

 

 

 

 

Crystal Eは使いこなしが必要ではありましたが、私の目的であったノイズ低減には役立ってくれました。ただ、出力電圧が特に低い空芯型MCカートリッジである、audio-technica AT-ART7の使用時にはもう少しノイズが低減されていると嬉しいという程度にとどまっていたのも事実です。

 

 

 

 

 

その後色々試行錯誤しているうちに、余っていたアース線を使って電源タップやフォノイコライザーのアースを取ってやるといくらか改善することがわかりました。しかし、Crystal Eは1つしかありませんし、スチールラックを使ってアースを取るのも限度があります。そこでもう一つ何か仮想アースの類が欲しいと思っていたところで、オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館のブログに紹介されているKonadeアース01という、仮想アース自作キットを知ったわけです。

 

オーディオ用の仮想アースとしては6,000円という破格の安さであり、これなら気軽に試すのもアリだろうということで、Amazonの在庫が復活した時点で即注文しておいたところ、先日手元に届いたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金井製作所は「奏(KaNaDe)」というブランド名でオーディオアクセサリーを展開している会社ですが、この仮想アースキットは粉末を使うことに掛けて「Konade」という商品名になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中には灰色の粉末が入ったビニール、アース線の材料、説明書が入っています。なお、アース線の材料を束ねている粘着テープや粉末が入った袋、外箱に至るまでこれらは全てキットの一部になっているため、捨ててはいけません。

 

まずはアース線の組み立ててです。面倒であれば銅線の両端の皮膜を剥くだけでも使えますが、この皮膜を除去して付属の皮膜に通した方が音の鮮度が向上するそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半透明の皮膜をカッターナイフ等で切って全て剥がしてしまいましょう。オーディオ信号を伝送するケーブルではありませんので、多少傷が入ったりしても大きな影響はないと説明されていますので、思い切って切ってしまいましょう。

 

銅線が全て出てきたら、付属の布製皮膜に通します。このときケーブル先端をテープ等で止めておいた方が通しやすいと説明されていますが、私は少し先端を丸めておいてそのまま通しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように通したら、位置を決めて銅線を束ねていた粘着テープで皮膜先端を閉じます。

 

ここまでの下準備が終わったら、いよいよアース本体の作成に移りましょう。

更新: 2022/04/04
総評

仮想アースを体感するのに最適なキット

灰色の粉末が入ったビニール袋と、先に作成したアース線を用意します。

 

粉末は下手に扱うと空気中に舞い散り、吸い込むと健康に悪影響を与える恐れもあるため、念のためにメガネやマスクを着用するよう指示されています。

 

粉末が入った袋に水を200cc入れ、粉末と水を優しく揉み、粉末と水をできる限り均一に混ぜ合わせます。混ざったところで先ほど作成したアース線の先端を粉末の真ん中に差し込みます。

 

 

 

 

 

 

 

水気が粉に完全に馴染むまで、1~2時間程度そのまま放置して待ちます。

 

水気が見えなくなったら、外箱にこの袋を詰めます。アース線は箱の隙間を使うか穴を開けるかなどして粉末の中にささっていない方の先端を外に出しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に元々この箱を閉じていた透明バンドを使って箱をきちんと閉じれば完成です。

 

今回は説明書の手順通り作りましたが、箱の外に出ているアース線の先端に適当なサイズのYラグの様な端子を取り付けておくと使い勝手が良くなるかも知れません。

 

今回はフォノイコライザー Phasemation EA-200のアースを取るために使ってみました。フォノイコライザーは元々ターンテーブルからのアースを受けるための端子が用意されていますが、今回は逆にそこにこのKonadeアースを接続してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この状態でAT-ART7の再生音を聴いてみました。

 

 

まずはっきり言ってしまうと、ノイズの量はスチールラックでアースを取っていたときと大きくは変わりませんでした。ただ、ラジオのノイズのような音で強弱が結構あったノイズが、弱の状態で固定されたようなイメージであり、効果もある程度は実感することが出来ました。

 

そして大きく変化したのはむしろ再生音です。エコー成分がより豊かになり、またそのエコーに対する付帯音というか雑味は減ったような印象があります。AT-ART7は元々雰囲気を楽しめるカートリッジでしたので、この方向性の進歩は歓迎されます。

 

 

粉末に混ぜた水分は約1年程度保たれると説明されていますが、乾燥してきたら再度水を含ませることで再び効果を発揮することが出来るそうです。

 

設置面積も小さく済みますし、アース線の工夫次第で色々楽しめそうですので、今後複数導入してみても面白そうと感じました。

 

仮想アースを試してみたいけれど、あまり高い金を掛けてまで試すのに抵抗があるという方にお薦めできる面白い品と思います。

 

  • 購入金額

    6,000円

  • 購入日

    2022年04月01日

  • 購入場所

    Amazon

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