ソニー MCフォノカートリッジ「XL-55」
1977年発売
今回のカートリッジは1977年にソニーが発売したXL-55で、当時の定価は3万円でした
以前にジャンク状態のXL-55を入手しましたがテンションワイヤーが切れていて0.9gの針圧が精一杯でした(それは磁石の引っ張るお蔭でしたが)弄っているうちに文字通りジャンクとなってしまいました。
今回入手したXL-55カートリッジで針先が無いです テンションワイヤーは切れていませんでしたが、 ケース割れがあります 割れの多いカートリッジで、前の所有者が周りをエポキシ系接着剤でガチガチに固めてあります
後継のXL-55が欲しいなとずっと思っていました しかしXL-55の中古稼働品は4万円位しますのであきらめていました ある日ネットを見ていたらジャンクのXL-55が出ていて 断線はしていないという事でしたが、外観に割れが入っていました 大丈夫かなとは一寸思いましたが博打で購入してみました(上画像)。
で、繋ぐカンチレバー組み立ては前回のXL-55のものが使えるかと検証したら今度の
XL-55のカンチレバーは空洞ではないのです そこでナガオカ 原音針のカンチレバーを
使い被せました 前回のXL-55もカンチレバーが修復されていたのかもしれないですね。
前回のXL-55
本当はこちらを使いたかった ダイヤの楕円無垢針 前回のXL55のもの
無垢針でしたが残骸です
↓今回で実際に使用したナガオカ交換針(IM型です)
下画像..テンションワイヤー切れで中を開けた前回の残骸と今回のセット 接着剤ドーピング状態が観えます、オレンジ色の外ケースはダイキャストでないので元々割れやすいようです 右下画像は8の字コイルの残骸です 4部分のうち2個しか残っていません 線が密に巻かれています(右下画像)。
当時のソニー森芳久さんはカートリッジで低音を出すには、カートリッジ内にボンド(エポキシボンドでした)を充分に充填したほうが良いと言ってましたね ある意味経験談なのでしょう 何となくそういう気がします。
黒く見えるダイキャスト製のベース部分をオレンジ殻で囲みますがヘッドシェルのネジ締めで
ケースが割れてしまいます 台形上部分に本当は発電コイル、テンションワイヤーが付きます。
上のナガオカ原音レコード針をややカットして(アルミ空胴を利用)被せて接着します 元々XL-55はカンチレバーが長いです
https://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/etc/xl-55.html
周波数特性 L-CH
R-CH
1KHz時 高調波特性
このカートリッジはキャビ割れが多いです プラでは無理なのかも。
「音質」
上グラフでは20Hz, 20KHz地点では1KHzに対して-2dB位落ちています 音質はハッタリのない、
歪の少ない、ワイドレンジで爽やかな音質です 空芯8の字コイルの成果か、繊細かつソースに
忠実な再生音が得られています レコードを聴くのが楽しくなる、気負いを必要としない自然な
再生音のカートリッ ジですね 大袈裟に言えば従来私のオーディオ環境で歪んでいたレコードも
歪みなく再生できます DENON DL-103Rは高音がやや強く出ますが、XL-55は全域フラットに
再生され聴き疲れなく音楽を聴くことができます
(音源 : PHILIPS FS-5046~7 「森山良子ストーリー」)
「追記」 2023-2-23
過去記事では歪率グラフが表示されていなかったのでグラフを採ってみました ついでにSWEEP波形も。
歪率は2%位ですね SWEEP波形はまあまあフラットかも。
サウンドTEC
http://www.sound-tec.com/audioblog/16219
「最後に」
XL-55開発者と言われる、森芳久さんは2018年逝去されています
生前のご活躍を偲びつつ、ご冥福をお祈り申し上げます。
測定ソフト efu氏作 WaveSpectra お世話になっています。
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購入金額
0円
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購入日
2022年01月頃
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購入場所
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