所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。新しい試み。楽器にしても器具にしても、元々想定の演奏法や使用目的を逸脱したところから拓ける新しい世界があります。歌わせるために作られた合成音声ソフト(ボーカロイド)があるのに、あえてしゃべらせるための合成音声ソフト(ボイスロイド)を歌わせることにより、新しい世界を目指した作品をご紹介します。
GYARI(ココアシガレットP)。2008年からの活動歴の中で、ボカロジャズ(最初期はカバー、のちにオリジナル)⇒多種リリースされたボーカロイドを試した路線模索時期⇒20分を越える長尺曲を延々やるシリーズ...と作風を変遷させてきたが、自身が手がける楽曲群としては、2021年現在最後の「ターン」がボイスロイドに歌わせたシリーズ(これに平行して、ボーカロイドとボイスロイドを兼ね備える結月ゆかりをフィーチャリングしたシリーズがある)。
人声を発し、歌わせるソフトウェアとしてはボーカロイドがあるので、わざわざ音読ソフトのボイスロイドを使わなくても...と思うのだが、この前の長尺曲シリーズの2作目「ボーカロイドたちがただテッテーテレッテーするだけ(tettey-terettey)」
で歌とも言えない繰り返しフレーズを歌わせたり、3作目「ボーカロイドたちがただ叫ぶだけ(WAAAA!)」
で叫ばせたり、ボーカロイド結月ゆかりに実装されているexVOICEと呼ばれる台詞集を使ってラップのように歌わせたりしているうちに、この台詞調の歌、ボイスロイドでやったら面白いンぢゃね?と思ったのかも。
そこで?ボイスロイドで、歌(とセリフ)を歌わせた楽曲をリリースした。
その一作目が本作、“Seyana. ”。
なお、本作からディスク添付がされなくなって、本を買って、その最終ページにあるダウンロード情報で音源と画像をダウンロードするという頒布方式に改められた。
ダウンロードすると、3曲2種(mp3形式とwav形式)の楽曲と、冊子のpdfファイル、冊子表紙の画像データ2種、表題曲の動画と動画に使われた素材の画がゲットできる。
曲は3曲だが、表題曲とそのマイナスワン、およびマイナスワンのリミッター(音の最大音量を抑えることで大小差をなくし、音量のダイナミックレンジを縮小する代わりに、音の粒を揃えたり全体の平均音量を上げることで迫力を出す装置)オフ音源だけなので、実質上1曲。
その「Seyana.」は、結月ゆかりとあかねちゃんこと琴葉茜との掛け合いで進行する。あと、ギターを弾いているのが弦巻マキという設定なので(実際のギタープレイはボカジャズ焼肉支部で、GYARIとは親交があるギタリスト&ボカロPのなきゃむりゃ)マキが少々しゃべるのと、間奏で茜とコーラスをハモるのに、双子の妹琴葉葵を使っているが、ほとんどはゆかりと茜。
...これホントにボイスロイド??長尺曲シリーズでボーカロイドに言葉をしゃべらせているより自然な感じ。ボイスロイド持っている人、ボーカロイド要る?というくらい完成度が高い。
あとこの曲、ベースラインが非常に良い。動画のmp4だとアピール度イマイチだが、ダウンロード音源のwav形式、特にコンプレスされていない「Seyana. - off vocal -(LimiterOFF).wav」のベースはグングン前に進む推進力があって...イイ!
なお、冊子には、ダウンロードコンテンツの期限は「2020年12月28日まで」と記載されている。今回、フォルダ構造を確認するために再ダウンロードを試みたらできたが(2021年7月時点)、すでに作者の設定期限は過ぎているので、今後冊子を手に入れた人でダウンロードできなくても、そこは諦めてください。
【仕様】
A5 / 16P / カラー / イラスト漫画 / ダウンロードコード
ダウンロード内容
audioフォルダ
・Seyana. - off vocal -(LimiterOFF).mp3
・Seyana. - off vocal -(LimiterOFF).wav
・Seyana. - off vocal -.mp3
・Seyana. - off vocal -.wav
・Seyana..mp3
・Seyana..wav
bookフォルダ
・front-cover.png(冊子の表紙データ-1315×927-)
・front-cover-square.png(冊子の表紙正方形変型データ-927×927-)
・Seyana..pdf(紙の冊子全ページのpdfデータ)
movieフォルダ
・Seyana..mp4
・materialサブフォルダ(動画で使われた112の素材)
「何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン(Seyana.)」
いや、この曲でニコニコの良さを再確認した
曲の良さもあって、「歌ってみた」でよく取り上げられるGYARIだけれど、この曲でも子作品が400を越えている。単なる「歌ってみた」ではなく、歌詞や題名などいろんなところを変えてパロッているものも楽しく、その中でもニコ動全盛期のレジェンド歌い手、ぐるたみんとGeroのコラボが素晴らしかった。至高のコーラス部分は、もはや原曲よりよいかもしれん。
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購入金額
750円
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購入日
2018年04月27日
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購入場所
メロンブックス
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