レビューメディア「ジグソー」

果てしない沼へのお誘い

先日まで、KS-Remasta製の中級グレードを中心としたシェルリード線のレビューを掲載していましたが、実は意外と低価格帯の製品を十分に聴いていなかったという反省もありました。

 

そもそも私が初めて使ったKS-Remasta製品は約2,000円のKS-LW-2000MSであり、それで十分に既存の製品との違いは感じ取れていて、それ以降徐々に使う製品の価格帯を上げていったという経緯があります。

 

 

 

 

 

 

というわけで、今回からは比較的お手頃な価格帯の製品を少しずつ紹介していくことにします。

 

上記KS-LW-2000MSはヤフオクのみで販売されているものですが、一般的なオーディオ店取り扱いがあるKS-Remasta製品としては最もスタンダードな製品として位置付けられている、KS-LW-4000MRを取り上げましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この製品についてはオーディオユニオンお茶の水アクセサリー館のブログで詳細に伝えられていますので、そちらから型番の説明を引用しましょう。

 

 

KS=Karasawa Shingo (柄沢 伸吾)

LW=Lead Wire(リードワイヤ)

4000=4N-OFC(99.99% 純度の無酸素銅)

MR=Music Reference グレードの半田

 

 

(以上、http://blog-accessory.audiounion.jp/Entry/1746/ より引用)

 

 

ヘッドシェルの添付品や、audio-technica AT6101辺りからのグレードアップを考える際に、まず最初に試して欲しい製品が、このKS-LW-4000MRだということです。

 

線材はありふれた4N-OFC、ハンダは今では使われなくなった鉛入りハンダとのことです。Music Referenceの名の通り、幅広いジャンルの音楽を楽しめるバランスの良さが特徴となります。

 

特にDENON DL-103と組み合わせた場合に、添付品レベルとは明らかな違いを感じ取ってもらえる筈とのことでした。

 

 

今回はヘッドシェルとしてaudio-technica AT-LH18/OCCを用意して、試聴するシェルリード線を装着しています。

 

 

 

 

 

 

更新: 2021/04/27
音質

「いかにもアナログ」というトーンバランス

今回も視聴用の基準カートリッジとして、カートリッジ自身による色づけが少ない、ZYX R50 Bloomを利用します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然ながらTechnics SL-1200G+Phasemation EA-200の組み合わせでの試聴となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、試聴ソースは私の定番である「Babylon Sisters / Steely Dan」に加え、「10 Miles / Champlin Williams Friestedt」、「One Last Kiss / 宇多田ヒカル」を使いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは「Babylon Sisters」からですが、アナログらしい中低域の肉厚感が特徴的に感じられます。R50 Bloom自体はもう少しあっさりした音が持ち味ですが、音場がこってりと濃厚に描かれてアナログらしさが強くなる傾向が見られます。

 

ドナルド・フェイゲンの声は少し柔らかく厚みが感じられます。もう少し張りが感じられても良いかもしれませんが…。ドラムのアタックはやや丸い印象ですが、空間表現は濃厚です。間接音はほどほどにありますがそれほど豊かという感じでは無く、総じてほどほどのバランスという辺りでまとめられています。

 

「10 Miles」は中低域の濃厚さが良い方向に作用して、冒頭から雰囲気たっぷりの空間を構築します。ジョセフ・ウィリアムズのヴォーカルはやや力強さに欠けますが、こってりとした空間表現には案外マッチしている感があり、この曲に関しては結構好印象でした。

 

「One Last Kiss」をについても、丁度宇多田ヒカルの声の帯域に厚みがあるため、冒頭のヴォーカルの質感は予想以上に良好です。セルフコーラスの雰囲気もなかなか良好です。ただ、曲が進み打ち込みのリズムが入り出すと、低域方向の締まりが甘く、やや散漫な刻まれ方に感じられます。ベースラインも最も低い辺りが出きっていません。この辺りは価格なりの限界はどうしても感じられるかも知れません。

 

 

この製品の4,000円という価格帯は、丁度他社のスタンダードクラスが出揃う辺りに近く、ライバルは多く存在します。しかし、このKS-LW-4000MRはその中でも「アナログらしい質感」という点で確かな存在感を放っています。

 

実際、私自身も某大手ブランド製のこの価格帯のシェルリード線から、KS-Remasta製のローエンド買い換えた経験はありますので、この価格帯として音楽性の表現に関しては抜きん出た存在と評して良いと思います。「シェルリード線でそんなに変わるの?」という疑問をお持ちの方に、最初に使っていただくのに最適であることは確かでしょう。

  • 購入金額

    4,400円

  • 購入日

    2021年04月24日

  • 購入場所

    KS-Remasta

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