レビューメディア「ジグソー」

一聴してわかる圧倒的な違い

長年使い続けたカセットデッキ、EXCELIA XK-009がついに故障してしまいました。とは言っても、この製品にありがちなテープリール駆動用のベルトの劣化でトルク不足となり、テープが回転しなくなるというものですので、想定の範囲内ではあります。

 

 

 

 

 

 

ただ、このカセットデッキはとにかくメカ周辺のメンテナンス性が皆無で、仮に交換用のベルトが入手できても、自分できちんと精度を保って組み立てるような自信はありません。そこで、オーディオ店に取り次いでいただいて業者の修理に出すことに。

 

 

前回この店に顔を出した際に、以前から注目していたターンテーブルシート、ACOUSTIC REVIVE RTS-30の展示品が入荷していることに気付いていました。そこで予めお願いしておいて、修理品を持参するついでに自分のSUNSHINE STS-2を持ち込んで比較試聴させていただくことにしていました。

 

幸いにも、デモ用に使っていたターンテーブルはTechnics SL-1200Gで、カートリッジはaudio-technica AT-OC9/IIIと、私が使っている組み合わせそのもので試聴できる環境となっていました。RCAケーブルもaudioquest Columbiaということで、銅と銀の違いはあるもののDBSユニット装備のCheetahにグレードが近いケーブルでした。もっとも、フォノイコライザーは単品ではなくmarantz PM-10内蔵でしたが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レコードも持参したもので、「CWF 2 / Champlin Williams Friestedt」「Hell Freezes Over / Eagles」です。いずれも聴き慣れていて、かつ予備があるレコードということで選択したものですが。

 

 

詳細については後述しますが、一言で言ってRTS-30の圧勝でした。元々試聴をお願いした際に「結果が良かったらその場で買う」と宣言していましたので、予告通り購入してきた訳です。昨日午後からちょっと体調が悪く、丸一日放置してからようやくプレイヤーにセットしましたので、音の印象等について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ACOUSTIC REVIVEの製品というと、真っ赤な箱に入っているという印象があったのですが、こちらは白の地味な外装でした。

 

 

 

 

 

 

 

内箱の方は案の定というべき赤でしたが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが表面ですが、凹凸が結構派手に付いているのが特徴です。

 

 

 

 

 

 

 

裏面の方は平坦で、良く出来たゴムマットという印象しか受けません。もっとも、大まかにはゴムマットの触感なのですが、表面はザラザラしている感触があり、ちょっと他に例えようのない独特の手触りといえます。

更新: 2021/04/18
音質

中域の密度や質感が圧倒的に改善される

それでは、実際にプレイヤーにセットしてみましょう。当然、Technics SL-1200Gにセットします。

 

 

 

 

 

 

 

 

意外と明るめのグレーであり、セットするとプレイヤーの外観が違って見えます。個人的にはもう少し濃い色の方が好みですが、まあ大した問題ではないので気にしないでおきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

もう少し近づいて撮影したものです。よく見ると表面が意外とザラザラしていることがお判りいただけるでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

SUNSHINE STS-2と交換して印象に残ったのは、とにかくレコードがマットの上で全く滑らなくなったということです。STS-2は単体でも、静電気除けで使っていた47研究所 Model 4728との組み合わせでも、レコードがスリップしやすい印象がありましたので。

 

 

 

 

 

差し当たって

 

 

 

 

 

 

 

や、「Chicago 19 / Chicago」などを適当に聴いてみました。なお、カートリッジは普段使っているAT-OC9/IIIではなくaudio-technica AT-ART7となります。

 

 

どのソースでも、ヴォーカルの質感や中域の密度感が圧倒的に変わりました。「Chicago 19」はちょっとレコードで聴くとヴォーカルが痩せている印象があったのですが、声の太さが出てきましたし生々しさが感じられるようになりました。

 

ヴォーカルものでは、特にテレサ・テンの声の豊かさや柔らかさの表現は格段に増していて、カートリッジの性格もあるのですが「聴かせる」表現になっています。

 

「CWF 2」は店頭の試聴でも聴いたレコードですが、これは正直言って自分の環境の方が圧倒的に良いと思いました。「10 Miles」の空気感やジョセフ・ウィリアムズのヴォーカルの質が店頭よりも数段良く感じられます。今までのSTS-2で出ていた音と比べても、とにかくヴォーカルの表現や中域の分解能が格段の進歩を見せました。

 

STS-2は低域方向の充実とアームの高さ調整範囲不足を緩和するために、約5mmという厚みを買って使っていたという理由もあるのですが、RTS-30も厚みは約5mmありこの点においても不足はありません。強いて言えば低域の量感だけはSTS-2の方があったと思うのですが、それ以外の表現はRTS-30の完勝だと思います。

 

 

ターンテーブルシートとしては結構高額だと思うのですが、周囲の騒音がある店頭で聴いても空気感に差が付くほどでしたから、音質の向上幅は圧倒的です。この分野としてはかなりの人気商品となっているらしいですが、それも頷けるだけの実力持った製品といえるでしょう。

  • 購入金額

    24,640円

  • 購入日

    2021年04月17日

  • 購入場所

    ノジマ オーディオスクエア

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • nikikenさん

    2021/04/18

    私もSL-1200Gにアコリバ のこのシートを使っております。
    カートリッジはオーディオテクニカのVM-750SHですが、
    全く同じ印象ですね中音の密度が上がってレコードらしい音になったって言えば良いのか。
    ちなみにSL-1000Rの為に売却したSL-1200Gですが名残惜しいので買い直しました。
  • jive9821さん

    2021/04/18

    > nikiken さん

    これは各所で絶賛されていて、どうにも気になってしまったので販売店で
    頼んで試聴環境を用意していただいたのですが、ここまで変わるとはという
    驚きがありました。

    しかし、SL-1000RとSL-1500Cを使いつつ、SL-1200Gもとは、凄いとしか…。
  • nikikenさん

    2021/04/18

    Jive9821さん、当初はサブ機としてSL-1500Cを使っていたのですが
    とてもSL-1000Rの代役を務めるには荷が重く、SL-1200Gを呼び戻した次第です。
    SL-1500Cは別室のサブ環境にて使っております。
    カートリッジも同じオーディオテクニカにしたのもそういう事情です。
    ところで、其方はAT-ART7を購入したのですか?
    私は兄弟機のAT-ART9を持っているので、空芯のAT-ART7が気になります。
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