単焦点のレンズのくせに、ボディーと合わせて約3kg。こんなカメラを持ち歩いているのには体力のほかに気力も必要です。おまけに、家の中では威圧感が強すぎて、飼い犬でさえ顔をこわばらせる始末。これでは、気持ちのいい屋外に家族を連れ出さない限り、いい顔を撮ることができません。いや、もっと短いレンズをつければいいじゃないというのはあるんですが、でも一眼レフのもつ独特の威圧感みたいなものをすべて消し去ることはできません。
それならば と極端な方向に振ってみました。スナップ専用のカメラ。被写体にカメラを意識させない、ジミーなカメラ。でかいカメラを持ち歩きたくない日に限って見つける、あ、カメラ持ってくればよかった的な被写体を写真にするためにいつでもポケットに放り込んでおけるようなカメラ。X100Vと最後まで悩みましたが、目立たない・操作系が好み・軽い・ちょっと安いでGR3をチョイス。まだ手に入れて1日と経ってない段階で、発売から相当時間が経過したカメラのレビュー(なんて大げさなもんじゃない)です。
カメラを持っていることを被写体に意識させない これに尽きるかと
自分みたいな素人にとってカメラはスペックで語るものかと思っていましたが、このカメラはスペックによる比較を真っ向から否定しているようで、ある意味潔い。しかし、何を基準に選べばいいか難しくしてしまうのではないかと思います。単純にスペックが上で買える範囲のものなら、それが一番いいと思っていたら選択肢には入りません。
スマホのカメラは年々高性能になっていて、コンデジと呼ばれるジャンルのカメラはどんどん市場を食われているようですが、そんな中、わざわざコンデジを買う意味って一体?と思わなくもありません。ただ、悲しいかな、日本でスマホを買っている限り、あのなんとも言えないシャッター音なるものがついてきます。いや、鳴るのが悪いと言っているのではなく、スローシャッターだろうが高速シャッターだろうが、シャッターの速度を感じられない音がするのが個人的には一番許せません。あと、静かなところで悪目立ちする音質も。
iPhone月を撮ります。「カシャ」シャッター音がしたので、手を下すと、そこには月ではなく得体のしれない光の線が。。。実際には「カシャ」の後にシャッターが切られているようです。違うんだよなーっと思ってしまうと、2枚目を撮りなおす気力が。。。大した写真じゃないというのもありますが、自分はたいてい撮りなおしません。
GR3はというと、シャッター音は極めて静か、そして、物理的なシャッターボタンを押しシャッターが切れたときに音がするので、腕を下げても得体のしれない光の線にはなりません。当然写るべきものが写っています。そして、限界を突き詰めた小さな筐体は、威圧感はほぼ皆無。写されることに慣れていない人の顔をこわばらせることはかなり少なくて済みます。これが実用性の高いカメラってことなんじゃないですかね。
写真を撮るためのセンサーサイズは可能な限り大きく、本体と存在感は可能な限り小さく意識させない写真を撮るには最高の存在だと思うのです。
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購入金額
100,000円
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購入日
2021年01月10日
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購入場所
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