レビューメディア「ジグソー」

ウェルバランスで細かい音を表現する

以前KS-Remasta製のシェルリードを一斉試聴しましたが、そのときに線材としてPC-Triple Cを使った製品を実は試していなかったということに気付きました。気付いたきっかけは、先日掲載したアースケーブル、SAEC SE-300/1.2がPC-Triple Cを採用していたことですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、仕事で東京に出向いたついでに、KS-Remasta製品の店頭在庫を割合豊富に持つ、オーディオユニオンアクセサリー館に寄って購入してきたのが、PC-Triple C単線を採用したKS-LW-1500EVO.Iです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例によってオーディオユニオンアクセサリー館のブログから、この型番の読み方を引用しておきましょう。

 

 

KS=Karasawa Shingo
LW=Lead Wire
1500= 1 は「単線」 500 は 「PC-Triple C」
EVO.I =KS Remasta 特製半田の1つ

 

 

 

少し前まではリード線に1万円は高いという印象しか無かったのですが、自分がKS-Stage401EVO.II-VK(55,000円)を使うようになると、1万円クラスがスタンダードに見えてしまうのですから、慣れとは怖いものです…。

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、KS-Remastaで発売されているPC-Triple C線材採用製品としては、このKS-LW-1500EVO.Iが最も安価なはずですが、同社がOEM生産を請け負っているAnalog Relax AR-LW-PS1や音楽之友社 VJ-KS-TripleCでは、同一の線材をより安価(どちらも5,500円)に使うことができます。このKS-LW-1500EVO.Iも含め、違いは使っているハンダによるものの筈です。

更新: 2020/10/10
音質

Hi-Fi調で整った音

以前の比較試聴では、ZYX R50Bloomまたはaudio-technica AT-OC9/IIIと組み合わせて、「Babylon Sisters / Steely Dan」(それにプラスしてその組み合わせで聴いてみたかった曲)を聴くという形に統一していたのですが、どちらも環境を固めた後なのであまりそこに手を付けたくないという思いがありました。

 

そこで、現在同じKS-Remasta製のKS-LW-6000を組み合わせている、ADC MC1.5と組み合わせることで、KS-LW-6000とKS-LW-1500EVO.Iの比較試聴という形にすることにしました。ヘッドシェルはaudio-technica AT-LH18/OCC、プレイヤーはTechnics SL-1200Gです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、直径0.6mm単線のPC-Triple C線材であるため、結構硬くて取り回しはやや厳しくなります。ある程度着脱作業に慣れている方であれば問題ないかと思いますが、初心者の方はきちんとした道具を用意した上で引き回し方もきちんと考えてから取り付け作業をされた方が良いと思います。

 

 

さて、今回は「CWF 2 / Champlin Williams Friestedt」のA面全体を聴き比べてみました。

 

まず、聴き慣れたKS-LW-6000は、勢いが良くやや派手目ながらスネアドラムの爽快さなど、個人的には結構好みの音を出してくれています。ハンダがより上位のものとなるKS-LW-6000EVO.Iにはあらゆる要素で一歩ずつ及びませんが、この音で6,000円は見事としかいえないと改めて感じさせられます。

 

一方、これをKS-LW-1500EVO.Iと交換すると、一聴すると正直パッとしないと思ってしまいます。結構派手目のKS-LW-6000と比べるとバランスが整っていてやや大人しめであるため、どうしても第一印象が弱いのです。

 

しかし、良く聴いてみると、主にビル・チャンプリンのヴォーカルに力が出てきますし、間接音が直接音に対して不自然さを感じない程度の適度な豊かさで入ってきて、全体的なバランスがとても良いということが判ります。

 

また、じっくりと聴き比べるとKS-LW-6000のハイハットの音が、KS-LW-1500EVO.Iよりも少しだけ粗いということも判ってきます。KS-LW-1500EVO.Iは良く聴くとかなり細かい音まで自然に表現しているということが判ってくるでしょう。

 

 

以前一斉試聴した製品の中では、KS-LW-4000LTDがバランス的によく整っていたのですが、その音色をほんの少しだけ明るくした上位互換品が、このKS-LW-1500EVO.Iであるという印象を受けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

KS-LW-4000LTDと同様に組み合わせたカートリッジの特性を素直に表現するタイプですので、添付品や格安のシェルリードからグレードアップしたいという時に適した製品といえそうです。

 

  • 購入金額

    11,000円

  • 購入日

    2020年10月07日

  • 購入場所

    オーディオユニオン アクセサリー館

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • jive9821さん

    2020/10/10

    > harmankardon さん

    私も以前はそう思っていたのですが、実際に使い比べてみると

    ・5,000円前後 → 10,000円前後
    ・10,000円前後 → 20,000円前後
    ・20,000円 → 50,000円
    ・50,000円 → 200,000円

    ときちんと越えがたい壁が存在していました。

    個人的に特に劇的な差だと思ったのは2万円と5万円の間でしたが、標準添付やAT6101辺りから1万円クラスにグレードアップすることで、カートリッジを1クラス上げるのに匹敵するぐらいの効果は感じられます。

    結構良いカートリッジに標準添付レベルのリード線が付いているのを見かけると、勿体ないとしか思えなくなってしまいました…。
  • kaerkiさん

    2020/10/11

    数センチでこんなするんですか・・・
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