GLANZ 「G-20」 MF方式レコードカートリッジ
70年代のオーディオブームを支えた企業、ミタチ音響 GLANZ(グランツ)。 OEMに専念された企業で、世間的には有名では無かったのですが、自社開発のカートリッジも販売してました 一般的なMM方式カートリッジはMOVING MAGNETですが、今回のはMOVING FLUX、 FLUXは磁力線 , 磁束の事です MF方式に興味が有ったので針折れジャンクカートリッジを購入してみました GLANZ社は会社解散後、トーンアームだけに絞って浜田さんという方が現在でも、お仕事をしているようです。
本体と針部は後部に針部の一部を差し込み先頭の爪に引っ掛けるタイプです
この三角形の筒(スリーブ)の中にカンチレバー、ダンパー、パーマロイ等が有るはずです
スリーブもパーマロイなどの透磁率の高い金属でしょう
テグス状テンションワイヤーが見えます 此の価格帯でテンションワイヤー付は珍しいです
針とカンチレバーを動かないように後ろに引っ張っています
本体側のこの形状は観たことないですね 下部にコイルが有るのでしょうね
70年代、オーディオブームの頃はGLANZブランドで一般市販もされていたようで実力は有るのですが縁の下で頑張っていた企業とも言えます 当時、カートリッジやトーンアームを家電メーカーはOEM委託生産していた訳です 其の頃、オーディオ雑誌を読んでいたのですが扱われることは殆ど無かったとも言えます 有名どころの家電メーカーばかりが扱われていました。
G-20 発売 1979年10月
http://glanz.tech/j/about_glanz/hamada_history/
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磁力線の変化で発電する?---MM方式に似ていますが...(*´з`)
上の画は後期型で、その下の複雑な画は前期型なのでしょう
調べたところ、fulcrum とはテコの支点、pivotは回転軸だそうです...
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違いはコイルを通過する磁力線を変化させるのがコイルの中か外の物体ですが、MF型はマグネットでは無いですが詳細不明ですね パーマロイなど?
MF型カートリッジはMM型の1種とも言えます。
オーディオテクニカのVM型、今回のMF型、他の会社のIM型、MI型などはMM型の亜種という事で
一般的にはMM型カートリッジの範疇に入っています。
G-20 仕様
■価格 8,000円
■発電方式 MF型
■出力電圧 4mV(5cm/sec 1kHz)
■針圧 1.75~2.25g(最適 2.0g)
■再生周波数帯域 20-20,000Hz
■チャンネルセパレーション 25dB/1kHz
■チャンネルバランス 1.5dB/1kHz
■コンプライアンス 8×10-6cm/dyne
■直流抵抗
■負荷抵抗 47kΩ
■内部インピーダンス 1.4kΩ(1kHz,L・160mH)
■針先 0.5mil
■自重 14.5g(シェル含む)
■交換針 M-20(4,000円)
■発売 1979年10月
■販売終了 1993~94年頃
■備考 価格は1979年頃のもの
ヘッドシェル付き。
針折れの先端部を切断しました 奥の構造が判らないので先端を切断
やや径が大きいですが針組立?を付けて、接着しました 接合丸針だと思います
周波数帯域グラフ等は私の環境での測定で、正規なものでは無いですのでご承知ください
今回のカートリッジはカンチレバーを外せなく、折れたカンチレバーに普通の丸針組み立てを継ぎ足していますが、試聴した感じではまあまあフラットで歪みも少ない感じはします 高木麻早の「シルエット」というレコード聴くと軽快に聞くことが可能です さわやかに聴こえますね 低音も高音も過不足なく出ますが、過大ではなくバランスが取れていて歪も少ないです 中域の歪が少ないのでしょう。
価格的には当時のランクでは下のほうの製品ですが、物理的性能としては良いものを持っていると思います 2KHz~6KHz位のレベルがやや上がって居ればよいと思います 交換した針の所為かとも思えますが(*´з`) しかし普通のMM型でこの特性が出るカートリッジは中々無いです OEMメーカーとして難しい、ジレンマ商品とも言えますね
出力レベルは4mVですが、それほどは無いと思います 発電コイルの外側にパーマロイ等があるので起電力が弱いのか、強烈なエネルギー感は感じられないですがドラム音などは頑張ってそこそこ再生します ネットでは涼やかな再生音というインプレッションが見受けられますが、発電の磁束素子の外側設定というのは多分に影響があると思います 草食系民族が好きそうな音質ですね。
ドンシャリでなくフラットに聴こえます 1975~80年頃のレコード再生にマッチすると思います
癖のないカートリッジとも言えますね 低音、高音とも過大には出ず、歪も少なく聴きやすいカートリッジです。
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購入金額
0円
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購入日
2020年頃
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購入場所
jive9821さん
2020/08/05
昨年のOTOTENで、GLANZの浜田さんと少し話を出来る機会があったのですが、当時のGLANZはかなり手広くOEMを請け負っていたようです。
私がSL-1200GやGT-2000を使っているので単品のトーンアームが載らないという話をしていたら、「実はGT-2000のアームもウチで作ってたんですよ」とのことで…。
タコシーさん
2020/08/05
GLANZの浜田さんの経歴を見ると凄いですね 高校生の頃から活躍してますよ
静岡は本田宗一郎しかり鈴木修(スズキ自動車)など人材を輩出してますけど
土地柄なんでしょうかね
当時の家電メーカーでオーディオ専業はビクター、デンオン位でしょう
急にプレーヤー作れ、カートリッジ作れと言われても出来ないですよ
普段やっていないし...(*´з`)
そこでOEM製品ですよ 各社似たようなフォルムをお客は買わされていました
良いような悪いような。
トーンアームの製造ノウハウなんて家電メーカーには無かったですからね
OEMも、黙って居れば判らない訳ですね 内製は殆ど無いと思いますね
60年代頃はBSR, DUALなどのプレーヤー載せていました
しかしこれらは壊れないんですね 日本製が壊れやすいわけでした
オートリターンでレコード数枚、自動演奏などできました
日本のメーカーも他人の褌で仕事してましたね。
それで各社素晴らしい製品を作り出したのですから日本人凄いです。