レビューメディア「ジグソー」

置くだけで始まる、無言の対話

 

Xperia1VII を購入したので、そのワイヤレス充電のために購入。
Anker から販売されている PowerWave 10 Pad というワイヤレス充電器です。

 

この製品は対象では無いですが、企業的には実は、購入した後に現在のリコール騒動がありました。

4製品について国内で41件の重大製品事故(発火など)が報告、2025年10月には日本国内で52万台以上の製品が自主回収の対象となり、経済産業省から初の行政指導を受けています。

 

これは単なる製品事故ではなく、グローバルサプライチェーンの品質管理や、急成長する中国系テック企業のガバナンス問題を象徴する事例として注目されています。

 

わりと信用できる企業とされていただけに、界隈でのショックは大きいように思います。

 

 

 

外箱。相変わらずにシンプルを通り越して、無地。

 

 

 

裏面。全部英語。

 

Ankerは中国・深セン発のテクノロジー企業で、モバイル充電器やスマート家電などを展開する世界的ブランドです。創業者は元Googleエンジニアのスティーブン・ヤン氏で、現在は100カ国以上に製品を展開しています。D2C(Direct to Consumer)モデルを採用し、主にAmazonなどのECサイトを通じて製品を販売。日本では家電量販店や直営店、オンラインショップを通じて製品を展開。ローカライズされた製品と迅速なサポート体制が高評価を得ています。

 

Ankerの製品は「高品質 × 手頃な価格 × ミニマルな設計思想」が特徴です。特に充電器やバッテリーは、信頼性と安全性を重視し、国際的な安全規格(UL・CE・PSEなど)も取得済み。
創業者のGoogle出身という背景もあり、技術とユーザー体験の両立に強いこだわりが見られます。

 

 

 

 同梱物は、クイックスタートっぽいカードと、多言語のマニュアル。

 

 

 

日本語部分は、これくらい。

 

 

 

USBケーブル。

 

 

 

 本体。薄くロゴが見えるくらい。目立たなくてシンプルで良い。

 

マットな質感、ロゴすら沈んだトーンで刻まれた天面、そしてケーブルの取り回しに配慮された裏面のラバーリング。どれもが「主張しないこと」を徹底しているが、それは決して無思想ではないとも感じます。むしろ、ユーザーの生活動線を乱さず、ただそこに在ることを許されたプロダクトだけが持つ、静かな自信があるようなかんじ。

 

 

 

背面。注意書きとか少ない。シリアルは縁に書いてある。

 

 

 

埃が付いたのでウェスで拭ったら、白い毛がいっぱい付いた……。

表面はマットな質感で滑り止め加工のようなものがされており、起毛とか持っていかれるくらい滑らないです。掃除にはテープとか必要かも。

 

Qi対応のスマホを日常的に使っていますが、PowerWave 10 Pad は「置く」という動作に対して、無造作に置いてもちゃんと応えてくれる。これは単なるコイルの配置精度の話ではないです。パッドの直径、滑り止めの配置、LEDインジケーターの控えめな光量、とくに意識することなく使用できるようになっていて、空間の一部になっています。

 

 

 

充電してみたところ。

専用ケースは外せ、とケースの説明書には書いてありますが、普通に置くだけで充電できます。

 

充電すると、かすかにジーっという音が聞こえるので気になる人はいるかも。

 

 

 

注意書きで電力を多く消費される、と表示されます。

有線での充電より、めちゃくちゃ遅いので、フル充電までたぶん一晩くらいかかりそう。

有線だと1時間あればいけちゃうのに。

 

10W という出力は、今となっては決して高速とは言えないです。しかし、発熱の少なさ、安定した給電、そして異物検知の確かさを考えると、「速さ」よりも「信頼性」を選んだ設計判断が見えてきます。

 

でも時間かかるので、正直、あまり使わないかも。

更新: 2025/11/03
デザイン性と機能美

意識されないことこそが、最高の機能美

目立たない。意識されないことこそが、最高の機能美であるという逆説的な美しさ。

しかし、それは「目立たないように設計された」結果であり、そこには明確な意図があると思います。プロダクトデザインとは、形状や色彩の話ではなく、「どう使われ、どう忘れられるか」の設計であることを、この小さな円盤は静かに表現していると思います。

 

無駄を削ぎ落としたミニマルな造形。マットな質感と控えめなロゴが、空間に溶け込む存在感を生んでいます。

 

置くだけで確実に充電できる精度、滑り止めやLEDの配置など、使いやすさがそのまま美しさに昇華されていると感じます。

更新: 2025/11/03
メンテナンス性

シンプルという構造

構造がシンプルで、可動部がなく、表面は拭き取りやすいマット仕上げ。
日常的な清掃だけで性能を維持できる、設計された「手間のなさ」が美点です。

更新: 2025/11/03
コストパフォーマンス

手頃な価格

高精度な充電性能と堅牢な設計を、手頃な価格で提供しており、「信頼できる日用品」としての価値が高い。過剰な機能を排し、必要十分を丁寧に積み上げたコスパです。

  • 購入金額

    1,190円

  • 購入日

    2025年10月19日

  • 購入場所

    Amazon

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