所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽や楽器を芸に使う芸人、コミカルソングや替え歌が多い音楽家...自分を表現する時に楽器や音楽を絡める人の中で、「正統派」ではなく、「変化球でくるひとたち」がいます。そんな「音を使うパフォーマー」の初期作品集をご紹介します。
明和電機。ローテクな「中小企業」であることを、自分たちのアイデンティティとした芸術ユニット。「社長」を名乗る土佐信道と兄の土佐正道(一時脱退時期あり)を中心としたユニットで、他にヲノサトルやクワクボリョウタなど役員(準レギュラー)陣と、その時々のパフォーマンス内容に合わせて集められる臨時工?からなる。彼(ら)のコンセプトは、自分たちの表現に、自ら開発した電気製品を用いるのだが、それが背中に背負った翼につけた木魚を、指パッチンと連動させたバチで叩く大がかりな機械とか、指でこするのではなくグラス側をハンドルで回して音を出すグラスハーブとか、魚の骨型の電源延長コードとか、そういうもので、限りなく(電子的に)ローテクなしくみを使って、大げさに小さいことをヤル、という感じ。今となってはスマホでパーカッションなども演奏できるので、わざわざ背中に背負った2つの木魚を、遠隔で指パッチンと連動したバチで叩かせる必要などまるでないのだが、そのシカケの馬鹿馬鹿しさも含めてアピールするユニット。当初ソニーに所属していたからか、その「(電化)製品」の「製品発表会」としてそれらを使う楽曲を数多く発表していた。
最初の5年間所属したソニーで残した5枚のミニアルバムを中心に、アルバム未収録音源や、未発表音源を加えたベストアルバムが本作“GOLDEN☆BEST ALL OF 明和電機”。ただ「ベスト」と言ってもここに収められていないのは、シングルなどに含まれる「オリジナルカラオケ」と言われるオフヴォーカルテイクだけなので、実質ソニー時代の「全曲集」。
結構昔の作品(2005年)で、オリジニルミニアルバムもほとんど持っているので買わなくて良いか...と思っていたのだが、twitterであと売り切れまで5枚と流れた日に、たまたまアキバにいたので、「なくなる」と聞くと騒ぐレアものヲタクの血を沸き立たせられて、ラジオデパート2階の「明和電機秋葉原店」でラス前の1枚をゲト。
懐かしくも色あせない、彼らのパフォーマンスを楽しんだ。
帯域ナローで、ラジオから、あるいは雑誌付録のソノシートからきこえてくるような音で♪スパークいっぱつ/やりにげ/みんなのあしたをてらしだそう/スパークいっぱつふっとべー/めいわでんき♪と歌われる「明和電機サウンドロゴ」で幕を開けるこのCD、わずか15秒で「彼らの世界」に引きずり込まれる。
「地球のプレゼント」は、明和電機専属歌手、大谷健太郎氏のヘタウマ絶妙ラインのヴォーカルがなぜか心にブッささる昭和アニメの主題歌のような曲。この曲の中でもポクポクと鈍いウッドブロックのような音をさせているのが、くだんの大がかりな木魚演奏装置「パチモク」。ベースは「ゴムベース」という製品で、弦に強力な荷造り用ゴムを使った楽器。これが思いのほか音が良くて痺れる。
「エーデルワイス」は、一番彼らのエッセンスが出ている曲かもしれない。♪空のカセットに吹き込んだ/言葉をたっぷり/今/君に届けたい♪や♪パジャマでおやすみ/だけどチャンネルまわしてミッドナイトゲーム/気がつきゃ朝まで/砂の嵐のランデブー♪という歌詞が、令和時代には理解してもらえなさそうで、二重の意味で泣ける。
韓国の歌手、李博士(イ・パクサ)と盲目のキーボーディスト金壽日と組んだユニット、「アリラン明電」の「オレは/私は/俺は/ガバは宇宙のファンタジー」という同一曲の歌詞違い&編曲違いの曲を挟んで、リコーダーやティンバニーといった「楽器」から、ゴムベースやグラスカープといった「製品」に、メトロノームや掃除機といった音が出る手近のものまで何でも使いつつ、切なく♪肩にもたれて/今日は眠りなよ/君の涙が枯れるまで♪と歌い上げる名曲、「カナリア」まで入っていて盛りだくさん。
ラストは蔵出し音源で、1994年の「新製品発表記者会見」で来場した記者たちに配られたカセットテープに入っていた「地球のプレゼント」。つくば市の合唱団(ビァッツァアルテ少年少女合唱団)とエレクトーン(演奏 榛原雅美)によるバッキングというのが新鮮。正式なCDでは「ナッパーズ」と呼ばれる3人組の女声コーラスに置き換えられたが、これは元の少年少女合唱団の方が良いかも。
最近でこそYouTubeでのヘンテコ電化製品を用いたパフォーマンスも多くなってきたが、前世紀末はライヴも多く、音楽と芸のバランスが前者寄りだった時期。彼らの目のつけどころが他と違う音楽、また、聴きたいな。
「令和」に元号が決まった瞬間(決定数時間後投稿。あまりに素早くて、YouTubeのタイムスタンプは決定前日の2019/3/31となっている)に、こんな(↓)ビデオ作るくらいだから、まだ枯れてはいないと思うんだよね。
彼らが現役でパフォーマンスしているうちに、一度はナマで観たいと思っているパフォーマーです。
【収録曲?】( )内収録作品
<DISC1>
1. 明和電機サウンドロゴ(1st "提供")
2. イカリを揚げよう(1st "提供")
3. バレリーナ(1st "提供")
4. お陽さまみえたらふとん干して(1st "提供")
5. 地球のプレゼント《明和電機愛唱歌》(1st "提供")
6. 明和電機社歌(2nd "御中元")
7. 寸志(1)(2nd "御中元")
8. ワン・ノート・サンバ(2nd "御中元")
9. 寸志(2)(2nd "御中元")
10. 子象の行進(2nd "御中元")
11. 寸志(3)(2nd "御中元")
12. 亡き王女のためのパヴァーヌ(2nd "御中元")
13. ツクババリバリ伝説(3rd "魁")
14. 秋葉原☆キラリ(3rd "魁")
15. サバオの歌(3rd "魁")
16. 君はエプロン僕はパンタロン(3rd "魁")
17. エーデルワイス(3rd "魁")
<DISC2>
1. オレは宇宙のファンタジー(4th "俺は宇宙のファンタジー" by アリラン明電)
2. キム・スー・イルが唄う「私は宇宙のファンタジー」
(4th "俺は宇宙のファンタジー" by アリラン明電)
3. 明和電機が唄う「俺は宇宙のファンタジー」(4th "俺は宇宙のファンタジー" by アリラン明電)
4. ガバは宇宙のファンタジー(4th "俺は宇宙のファンタジー" by アリラン明電)
5. 会長・かく語りき(5th "道")
6. 白い花咲く丘(5th "道")
7. カナリヤ(5th "道")
8. 風のピタゴラス(5th "道")
9. ムーンライトな夜へ(5th "道")
10. エーデルワイス(ツクバREMIX)(1stシングル "エーデルワイス" C/W)
11. 現代音楽(明和電機メドレー)(V/A "POISON JUNKIE" by アリラン明電 with T)
12. 地球のプレゼント(記者会見未発売ver.)※MONO
「地球のプレゼント《明和電機愛唱歌》」
「エーデルワイス」
オッサンには懐かしく、若者には理解不能???
君たち(対象30歳以下)はこれが理解できるか??
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購入金額
3,121円
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購入日
2020年03月22日
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購入場所
明和電機秋葉原店
supatinさん
2020/06/29
(*・ω・)*_ _)ペコリ
久しぶりに名前を聞き懐かしくなって公式サイトをみたら
実に様々な製品(作品)が有って企業活動存続を願い何か買ってみようと思ったしだいです
最初登場した頃イロモノだと思いましたがプロダクト説明会のようなパフォーマンス
Yシャツネクタイ+作業着着用から醸し出される中小零細企業感w
製品開発(?)を続ける姿勢やサイトの作りまでブレの無さ
結構好きなグループです(*´ω`*)
北のラブリエさん
2020/06/29
なんか以前は出身の筑波の学祭に毎年でてたらしいですね。
cybercatさん
2020/06/29
最近のモノだと、明和電機のレトロなプレートがセンス良し!←何の役にも立たないがw
明和電機Twitter
cybercatさん
2020/06/29
北のラブリエさん
2020/10/22
cybercatさん
2020/10/22