所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。 こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。曲というモノは作曲者その人のクセや好みが出ます。そのため、曲の一部を聴いただけでも「○○の曲だ」とわかる場合もあります。そんな個性が強い曲をリリースしているユニットの「新味を狙った」作品をご紹介します。
fripSide。八木沼悟志を中心とする音楽ユニットで、現在は2代目ヴォーカルとして声優の南條愛乃(なんじょるの)を迎え活動している。打ち込み中心で、小室哲哉の影響を強く感じるキーボード中心の作風。高めのところで、あまり揺らしたりシャクったりすることなくパーンと通るなんじょるのの声にも特徴はあるが、初期から深く楽曲制作に関わっているギタリストa2cのテーマを明快に提示する曲前のソロと、sus4から解決するコード進行の多用で、インストで聴いても「あ、これfripSideだ」とわかる特徴がある。
そんな彼らが、「新たな一面」「史上かつてない」と謳ってリリースした、2019年9月現在最新シングルが“Love with You”。Blu-ray同梱版には、表題曲のMVとともに15周年記念ライヴが収められ、彼らの音楽性を俯瞰できる作品になっている。
まず表題曲「Love with You」。ロミオとジュリエットをモチーフとした「寄宿学校のジュリエット」のアニメ化時のテーマソング。fripSideにしてはアップビートな曲なのに生ギターが結構使われていてオッと思うが、中間部でエレキギターのソロが前に出てくるとやっぱりいつもの...それよりこの曲、シカケとしては歌詞の方が面白くて、1番は男性目線で、2番は女性目線で書かれている。♪輝いている/君の横顔/見ていた/秘めた想いが/風を感じた/その瞬間に/僕はこの気持ち全て/君に打ち明けたんだ/鼓動がきこえてる/瞳をそらせずに/君を守るために僕は/この世界/変える程/強い力がホシイと覚悟決めた♪⇒♪いつからだろう?/気づいていたあなたの/その優しさに/私がずっと/信じ続けた/世界はその瞬間に/大きく形変えた/鼓動が止まらない/瞳をそらしたい/あなたを信じる勇気は/いつまでも/失くせない/一緒に理想を掴むその時まで♪
カップリングの「Blue Moon」はモロ「fripSide節」。なんじょるのの声から始まるサビ前の曲で、続いてエレキギターでサビメロをなぞる形で明快に提示されるテーマ、Aメロに入ると起伏が少ないメロディラインで無機質に進む。そしてサビラスでのパーンと上に跳ねるメロディライン、最終章での転調と全てがfripSideの公式が当てはまる。ちょっと新鮮味はないけれど、その分安心して聴ける。
Blu-rayに移るとまずはMV。fripSideのMVというとDJ KOOのような音楽界の人物以外にも、トランプマンやマギー司郎のようなマジシャン、ダチョウ倶楽部の上島や高木ブーのようなお笑い系、格闘家のボブ・サップなどがゲスト出演し、世界観を創り、そして壊しw、混じり合ってカオスになるww..というのがお約束だが、今回は「寄宿学校のジュリエット」でヒロイン、ジュリエット・ペルシアを演じた「かやのん」こと声優茅野愛衣が出演。当初は後ろ姿や横顔だけで、分厚い物語の本をめくり、その挿絵がfripSideの二人...という幻想的なタッチだったのだが、終盤かやのんの顔が大写しになった時点で壊れw、その後はなんじょるのに代わって歌ったり、八木沼の代わりにキーボードを弾いたりして、はしゃぐかやのんのシーンが挟まれカオスなことに...これらの舞台裏を見せるメイキングも楽しい。
続いてはfripSideの15周年を記念して、2017年末から2018年初頭に掛けて行われた"crossroads"ツアーから、関東最終日の公演の模様をフル尺(約2時間44分)で収める。この年のライヴは、fripSideとしては15年目だが、ヴォーカルがnaoからなんじょるのに代わってからは8年目ということで、なんじょるのが前任者naoのキャリアを追い越した年。そのためか、今まであまり歌ってこなかった「nao時代の曲」を多く披露した(crossroads versionと表記されている曲)。
ときどき八木沼がコールのタイミングを取るため、「せーの!!」と客席に声を掛ける
...とは言っても盛り上がるのは、なんじょるのに合わせて書かれた「black bullet」だったり「only my railgun」だったりするわけだけれども。
通して聴くと/観ると、やっぱりfripSide。でもそれは「安心の」という一面もある。fripSideの作品を買えば「期待」を裏切らない、というか....
変化を極小にすることで、ブレない、そういう生き方もある、と感じた作品でした。
【収録曲】
<CD>
1. Love with You
2. Blue Moon
3. Love with You <Instrumental>
4. Blue Moon <Instrumental>
<Blu-ray>
【Love with You MV】
1. Love with You MV
2. Love with You MV making
3. SPOT
【fripSide 15th Anniversary Tour 2017-2018 "crossroads" supported by animelo mix day2"crossroads"(2017.12.03[sun] 千葉・幕張メッセ展示ホール7・8)】
1. hurting heart -crossroads version-
2. before dawn daybreak -crossroads version-
3. pico scope -SACLA-
4. split tears -crossroads version-
5. an evening calm -crossroads version-
6. killing bites
7. only me and the moon
8. a gleam of prologue
9. trusty snow
10. snow blind -crossroads version-
11. come to mind (version 3)
12. escape -crossroads version-
13. distant moon -crossroads version-
14. The end of escape -fripSide edition-
15. the chaostic world -crossroads version-
16. Red ‘‘reduction division’’ -crossroads version-
17. crescendo -version 2016-
18. prominence -crossroads version-
19. sky -crossroads version-
20. sister's noise
21. black bullet
22. brave new world -crossroads version-
23. only my railgun
-アンコール-
24. Two souls -toward the truth-
25. crossroads
「Love with You」MV Short Ver.
「寄宿学校のジュリエット」オープニング
まあ、「fripSide節」
一応メンバーで作曲者の八木沼に言わせると、いつもの「激しいデジタルロック」ではなく、爽やか系らしい。確かにアップテンポの曲なのに、アコギをフィーチャリングしているなど若干新しい部分もあるが、ヴォーカルを追いかけるようなフレーズを弾くファットなシンセ音と、コード進行的にsus4からの解決などアレンジが「fripSide」してるので、曲単体としての「必聴度」は高くない。
買うならBlu-ray版一択
税抜き3500円と「シングルCD」と考えると異常に高いが、合計25曲のフルサイズライヴ映像、シングルのMVつきと考えるとお得。曲だけの通常盤が1200円なのに対して、MVのみが添付する初回限定盤のDVD版が1800円(ともに税抜き)。そう考えるとこのライヴ映像は1700円。Blu-rayのフルサイズライヴ映像がこの価格なのは驚異的。
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購入金額
3,780円
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購入日
2019年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2019/09/26
未完さん
2019/09/26
ブルーレイもってない( ;∀;)
cybercatさん
2019/09/26
ライヴはMC含めたフル尺なので。
cybercatさん
2019/09/26
DVDまでの対応なら替えちまうというテも。
ミニサイズPCなどで、もともとドライブレスなんかの場合は難しいですが。
再生に関しては、自分はスクショが撮れる特殊なソフトを使っています。
かなり操作法が特殊なのと、通常のソフトでは当たり前にできることができない場合もあるので、モロ手を挙げてはオススメはできませんが。
未完さん
2019/09/26
使い慣れれば問題ないかも。
ヤフオクで5000円くらいでPS3が売っててこれブルーレイ再生に使えないかなと悩んだり(笑)
cybercatさん
2019/09/26
中古で大分下がっているので、チャレンジするのも良いのかも。