シェルリード線を専門的に手掛ける、シェルリード工房「KS-Remasta」のリード線です。同ブランドの最廉価品を気に入って以来、少しずつ色々なリード線を試してみようと、主にヤフオク!に出品されている比較的安価な製品を買いそろえているところです。
本当は、次に試すのは4千円で出品されている8N-OFCのリード線にするつもりでした。しかし、たまたまヤフオクの10%引きクーポン(厳密には「かんたん決済」を使って支払った場合に落札金額の10%が値引きされる)が手に入ったということで、折角だからと想定より少し高い製品を試してみることにして、商品説明の傾向から選んだのが、こちらのKS-LW-6000でした。
今まで購入したリード線と同じく、大きさの違う二つの袋でパッケージされてきます。このKS-LW-6000では青い皮膜が特徴的な外観となります。
線材は6N-OFCとなっています。ACROLINK製スピーカーケーブル、6N-S1040から取り出した直径0.26mmの銅線を5本ずつ束ねたものを2本用意し、その2本の方向を逆に向けることで線材の方向性をキャンセルするという構造となっているそうです。また、この構造によりシェルリード線としては限界に近い断面積を確保して情報量の向上も図っているとのことです。
今回はaudio-technica AT-OC9/III+AT-LH15/OCCの環境で、今まで使っていた同社製のKS-LW-3000と入れ替える形としました。
KS-LW-3000も勿論全く悪くはなかったのですが、銀コート線独特の味付けよりは素直な銅の音で使ってみたいという気持ちがあったためです。
明らかに音圧が上がり、躍動感が出てくる
いつも通り、前述のaudio-technica AT-OC9/III+audio-technica AT-LH15/OCCの環境に導入して、Technics SL-1200G+Phasemation EA-200の環境で試聴します。
なお、注意点としてKS-Remastaのリード線は、取り付けの際に線材にかかるストレスが落ち着くまでの、丸1日は本領を発揮できない旨が記載されています。また、レコードを5枚くらい再生すると大体馴染んでくるとのことです。
実際に今まで使っていたKS-LW-3000も、日数と使用時間がある程度経過してから、ヴォーカルの生々しさがぐっと向上しましたので、今回も取り付け直後に聴いた後、数日使った後の音質を聴いた上で、ある程度使ってからの音質を記したいと思います。
まず、取り付け直後から印象的だったのは、同じレコードを再生しても今まで(KS-LW-3000)よりも何か音量が上がったかのように感じされることでした。ただ、使用開始直後は高域方向のキレが甘く、全体的な解像度もやや粗いという印象がありました。
これが3日程経過すると、解像度の甘さも消え、特に高域方向にシャープさが出てくるようになります。
全体的なバランスとしては最初に使ったKS-LW-2000MSに近いのですが、KS-LW-6000の方が可聴範囲の端の方となる30Hz以下の低音、15kHz以上の高音の伸びが明瞭に表現されるようになったと感じられます。久しぶりに「Rosanna / TOTO」を聴いてみましたが、バスドラムの明瞭度やギターのキレなど、一気に魅力的な音へと変化したことが判りました。カートリッジそのもののグレードが上がったと錯覚する程です。
また「Dangerous / David Garrett」のヴァイオリンの音色がぐっと生っぽく感じられるようになりました。値段が上がっただけのことはあると素直に納得できるほどに違います。
リード線として6千円は決して安い値段ではないでしょう。もっとも、KS-Remastaのラインナップではまだまだ序の口レベルではあるのですが…。しかし、この金額でカートリッジのグレードアップにも匹敵するほど音質が向上するということを考えると、6千円がむしろ割安にすら感じられます。ヘッドシェル添付のリード線をそのまま使っているという環境であれば、恐らく劇的とも思えるレベルの音質向上が見られるでしょう。
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購入金額
5,400円
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購入日
2019年09月19日
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購入場所
ヤフオク!
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