先日同ブランドの最廉価品であるKS-LW2000MSを導入して好結果が得られたということで、他のリード線も試してみようと思っていました。
最廉価品ということで、あまりリード線自体のキャラクターを強く持っている感じはしなかったのですが、色づけ感は無くても音楽の躍動感や生々しさを失っていない辺りが好印象だったのです。
そこで今回はもう少し高めの製品で、ある程度キャラクターがはっきりしているものを使ってみようと考えていました。
候補となったのは同じ4,000円で売られているうちの2種類で、片方は8N-OFCを使ったものでもう片方が今回購入した純銀コートOFCを使ったものとなります。ちなみにヤフオクにおける出品名は、8N-OFCの方が「愛機を艶やかにならす8N-OFCシェルリード線です。」、純銀コートOFCの方が「103を美しく鳴らす純銀コートOFCシェルリード線です。」となっています。
実は今回は、当初の予定では8N-OFCの方を買うつもりでした。しかし、たまたまヤフオクの値引きクーポンがあり、純銀コートの方の落札タイミングであればそれが使えるため、順序を入れ替え純銀コート線を先に購入しました。そのうち8N-OFCの方もタイミングを見て購入するとは思います。
前回購入したKS-LW-2000MSと同様に小袋が二重に使われていて、水分等の侵入がないよう配慮されていることがわかります。
今回のKS-LW3000は皮膜が白となっています。写真で見る印象よりはビニールっぽさを感じる質感です。
今回もaudio-technica AT-OC9/IIIで使う予定でしたので、一度AT-OC9/IIIを取り外して、ヘッドシェルのAT-LH15/OCCにKS-LW3000を組み付けたところです。KS-Remastaを主宰される柄沢さんの説明書きでは、馴れるとカートリッジを外さなくてもリード線の交換が出来るようになるとのことですが、私の場合は推奨の工具なども持っていませんし、カートリッジを取り外さなければ、リード線の差し替えは根本的に不可能でした…。
随所に銀線の特徴が出ている
実は私が以前愛用していたリード線は、CORALブランドで発売されていた純銀製のリード線でした。これは昔は秋葉原の販売店で1組350円ほどで売られていたので、取り敢えずカートリッジを取り付ける度にこのリード線を買っていたのです。それ以外には今なお現行モデルであり続けるaudio-technica AT6101ですね。
そのため、銀線の音質傾向はよく知っているわけですが、今回導入したKS-LW3000も純銀コート線ということで、やはり銀線に近い音質傾向を持つことが分かります。
元々ハイスピード系の音質で、どちらかというとエッジが立った傾向のAT-OC9/IIIですが、KS-LW3000との組み合わせですがその傾向が薄れ、一般的なMCカートリッジに近い、繊細さや当たりの柔らかさが表れた音になります。ただ、以前使っていた純銀線との大きな違いは情報量の多さであり、中低域はアタックこそやや大人しめに表現されるものの、密度はたっぷりと濃いものです。
「Bohemian Rhapsody / Queen」を聴いてみると、フレディ・マーキュリーの声が少しソフト目に感じられ、本来の姿に近いのはむしろKS-LW2000MSの方なのかな、と思わされます。ただ、素の状態でやや淡泊なAT-OC9/IIIの傾向を考えると、リード線である程度キャラクターを持たせるくらいの方が音楽的には魅力が増すように感じられました。ダイアナ・クラールや井筒香奈江のような女性ヴォーカルの魅力はKS-LW3000の方が格段に増します。
高域方向、特にハイハットの鳴り方は銅線とは明らかに異なる、いかにも銀線という音になります。
恐らく銅だけのリード線であればもう少しキャラクターが薄まると思いますので、やはり気になっていたもう一方の製品、8N-OFCの方も入手して使ってみた上で、AT-OC9/III用のリード線を最終決定してみたいと思います。
もっとも、近い価格帯にヴィンテージ・ワイヤーを採用しているものも用意されていますので、全く違った性格のものが欲しくなった場合にはそちらを入手することになるかも知れません。
リード線はたかだか数cmに過ぎない僅かなケーブルなのですが、これだけで面白いほどに音を変えることが出来るということが実感できます。特にKS-Remastaさんの製品は出品ページに書かれている内容を裏切らない音質傾向がきちんと出ていますので、安心して選べる選択肢といえます。
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購入金額
4,000円
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購入日
2019年08月08日
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購入場所
ヤフオク!
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