レビューメディア「ジグソー」

ボロンは折れるべくして折れる...

フォノカートリッジ  アントレー EC35  

   

  

   

  

   

アントレー(会社名 ソルティア・アコースティック)のシリーズ4,    トータル9品目のカートリッジで、1982年発売のMC型カートリッジです    当時流行のボロンカンチレバーを採用しています。

 

ボロン(英語)という物質は硼素(ホウ素)です 半金属なのでカンチレバーにならない為、タングステンなどにボロン素材を蒸着して使われました 密度が小さく、ヤング率が大きく、音の伝わる速さが16,200 m/sとアルミニウムの約2.6倍以上であることから、音響材料としてはベリリウム以上に理想的な素材として知られていましたが、高融点かつ展延性が非常に低いため技術的に加工が難しい素材であり実用化されたのは1980年以降です 尚、ベリリウムの音の伝わる速さは、12.9 km/sという値で、比重は1.816。 

 

  

 

           カンチレバーがボロンと折れています...(~_~;) 左チャンネル断線していました...多い         

   

   

      形状としてはEC-15に似ています というかそっくり 金型流用?   

        

     

 

 ボロン素材を使った過去のオーディオ製品

  • レコード針のカンチレバーにおいては品川無線やオーディオテクニカ、デノンなどより商品化されています。
  • ダイヤトーンでは炭化ホウ素 (B4C)をスピーカーの高・中音域ユニットの振動板に用いた。
  • デノンはボロン長繊維を使用したボロンファイバー振動板を低域ユニットに使用していて、高域ユニットの振動板としても、αボロン化合物が使用されたが、チタンやジュラルミンベースに溶射する形を取っていた。  

    

    

 

  

 

  

【硼素】     

単体は黒灰色,金属光沢のある半金属固体で,比重 2.33 (無定形ホウ素は 1.73) ,融点 2000~2500℃。化学的性質はケイ素に類似し,不活発。塩酸,フッ化水素酸におかされないが,アルカリ溶融により分解される。還元性があり,銅の脱酸剤ともなる。 

 

 

 

 

     黒いのがボロンカンチレバー 中空パイプみたいです 先にダイヤチップが付いています

  

  

               EC35 ボロンカンチレバー見本画像 

 

   

   

          

    

   

               ENTRE  EC-35  仕様

  

■価格 28,000円
■発電方式 MC型
■出力電圧 0.25mV(1kHz)
■針圧 最適 1.5g
■再生周波数帯域 10-50,000Hz
■チャンネルセパレーション 28dB/1kHz
■チャンネルバランス 1dB/1kHz
■コンプライアンス 15×10-6cm/dyne
■直流抵抗 
■負荷抵抗 
■内部インピーダンス 3Ω
■針先 0.3×0.8mil
■自重 5.9g
■交換針 現品交換(17,000円)
■発売  1982年10月
■販売終了 1988年頃
■備考 価格は1982年頃のもの

ボロンパイプカンチレバー採用。

 

 

 

下画はEC15ですがこの端子板(黄色輪)は、機銘板で隠されているネジ1個で下から付いています それで端子板がグラグラします その為か断線し易いです ヘッドシェルに何度も付け替えていると断線してしまいます EC35も同様と思います      この画像はENTRE  EC-15です。

    

  

 

  

 交換用カンチレバーで取り付けて長いとき、カンチレバーをカットします 

       

 

            ボロンカンチレバーが無いのでアルミの丸針です        

    

       

        

  

      周波数特性 : 赤線はR-CHですが、青線はL-CHで断線してるのでノイズ分を拾っているのかも                  レコード:AD-1使用

   

 

  

  

      結果はややHIGH上がりですがまあまあです...  ソフトで補正       測定したレコードはRIAA特性でないのでソフトで補正してます     

    

   

  

            高調波が少ないですね 歪みが少ない...

      

   

 

  

   

  

      追記 2020-1-23    SWEEP波形 再スキャン 回路補正版 

    

やはり高域は上がり気味ですがハイハットなどは綺麗に聴こえます 劣化オジサンには丁度良いです

            緑の線...ノイズです

            

       以前はソフトで補正してましたが、下のアダプターでリアル採録しました 

プレーヤー PS-2510,  ヘッドアンプ HA-500 , プリアンプ TA-E86  , WAVE-SPECTRA  

他諸々...    

 

      1KHz再生時の2次高調波2KHz    レコード針移植後(丸針アルミカンチレバー)     

      3KHzと高調波       

      5KHzとその高調波         

      10KHz         

   

    

  

                          再SWEEPに使用した涙の自作機器

   

   

    

 

  

  

音質は..

今回のレコード針交換後の印象です  右チャンネルだけですが.. (左は断線) 

ボーカルは歪みが少なく、聴きやすいです 低音も高音も量感豊かに再生されます かなり優秀な

カートリッジです 全般的に歪みが少ない再生音ですね 余分な耳障りの音が出ません 若干シンバルなどの金属音が鈍るかなとも思えるし、金属音のリアリティから離れているかも。 そして一番の長所は癖が無い?とも言えます 癖がないと特徴がない? 

ボロンカンチレバーよりアルミカンチレバーが元気がよい感じがします アルミ臭さと言うべきか、元気の良い音になりますね ボロンは音声の伝達速度が速いので音が沈んでしまう気もします?

 

アルミカンチレバーは高域が出やすいと言うのは判りました 高域でダンピングが効かないのか、或いは高域で共振するのか...このカートリッジは50KHzまで伸びているので、20KHz付近でかさあげしないと50KHz迄到達出来ません それらの結果も加味されているのかも知れないです、と言い訳か?

 

音量が大きいボーカルでは音が歪みますね 針かカンチレバーか辺りでしょうか。

 

  

  

 

釣り竿のボロン

https://sky.ap.teacup.com/thetacklebox/111.html

https://rapalafan7240.blog.fc2.com/blog-entry-1541.html     

  

  

 

 

 

 

 

 

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2019年頃

  • 購入場所

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