レビューメディア「ジグソー」

アナログ化を祈念して

8月14日に発売されたオーディオ界ではお馴染みのシンガー、井筒香奈江のミニアルバムです。

 

とはいえ、発売前に各オーディオイベントで断片的に内容が紹介されてきた結果、発売時点で大体は聴いたことがあるという状態でした。

 

5月のOTOTEN2024の時点でレコーディングやミキシングはほぼ終わっていて、Technicsのブース等でご本人の解説付きで数曲紹介されましたし、その後他の場でも少しずつ紹介されてきたわけです。

 

ただ、今回はDSDまたはハイレゾのダウンロードの他はUltimate SQCDのみの提供で、最近ではお馴染みとなりつつあったアナログ盤でのリリースはありませんでした。井筒さん曰く「CDやダウンロードが売れればアナログ化の話も具体化するかも」とのことで、レコーディング時点でDSDでも録音されていますので、売れ行きの見通しが立てば現実的ということなのでしょう。

 

その話の流れで、OTOTENのTechnicsブースでは、Technics上松氏の発言の通り「ここに居る方はもはや購入はノルマでしょう」という雰囲気だったのですが、予算とタイミングの都合で今まで私は購入していなかったわけです。

 

 

そして昨日11月23日はお茶の水オーディオユニオンアクセサリー館でリレー試聴会が開催されると同時に、総武線で2駅先の浅草橋で音元出版主催「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」も開催されていたのです。

 

普段の付き合いもあり、お茶の水にはオーディオテクニカの会が終了するまで滞在していたのですが、それが終わると同時に浅草橋に移動して、井筒さんとオーディオ評論家小原氏によるイベントの方に参加することにしました。

 

会場に到着した時点でイベント開始まで30分以上ありましたので、席だけ確保して会場内の他の部屋を軽く見て回りました。

 

FURUTECHや光城精工のブースには一応簡単に挨拶に行ったのですが、他は軽く見て回る程度です。その中の音元出版の物販コーナーで書籍や音楽ソフト類が並んでいて、その端の方に本作のCDが積まれていました。しかも売っているのはどう見ても井筒さんご本人です。本人が売っているしノルマのようなものもあるしということで、実際の所ハイレゾで買うつもりだったのですが、取り敢えずCDもあって良いかということで購入してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が会計を済ませている間に、ジャケットには既にサインが入っていました。

 

 

 

 

 

 

 

本作はUltimate Hi Quality CDという高音質盤です。規格そのものは従来のCDなのですが、かつての純金蒸着CDと同様に反射層の金属素材に工夫をすることで音質を向上させるというものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更新: 2024/11/24
総評

昭和世代ならピンとくる選曲と、いつも通りの高音質

本作は全6曲というミニアルバムで、5曲が昭和の楽曲のカバー、1曲のみオリジナルとなります。

 

 

1. さよならの向う側 (オリジナル歌唱:山口百恵)

2. ラストダンスは私に (オリジナル歌唱:ドリフターズ、日本語は越路吹雪)

3. スカイレストラン (オリジナル歌唱:ハイ・ファイ・セット)

4. 黒く塗りつぶせ (オリジナル歌唱:矢沢永吉)

5. 瞳はダイアモンド (オリジナル歌唱:松田聖子)

6. どこか ~窓の向こうに~ (新曲)

 

 

昭和世代の人であればカバー曲は大体わかるのではないでしょうか。

 

YouTubeに本作のPV(多分ご自身で制作されたものと思います)が用意されていて、収録曲を少しずつ聴くことが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前試聴した時にはDSDとハイレゾはそれぞれ一長一短かなという音でしたが、CDはさすがにそのレベルには到達しません。それでもお馴染みのスタッフにより徹底的に音にこだわって録音された作品ですから、凡百のCDとはクオリティは全く違います。これだけ聴いていれば十分良い音に聞こえる程度には優れた音質です。

 

特に2曲目「ラストダンスは私に」では、ベースを小川 浩史(クリエイション)が弾いているのですが、イベント内で小原氏がこのベースプレイと音の良さをヴォーカル以上に絶賛するほど素晴らしい出来となっています。CDでこのレベルの低音はなかなか聴けないでしょう。

 

高田英男氏が手がけた録音らしく低域の情報量が圧倒的で、高域方向もこれ以上無いほど緻密という、日本的な高音質が貫かれたものとなっています。いかにもオーディオ向きという音作りで、純粋に音楽が楽しめる方向かという点については議論の余地はありますが、オーディオ的に見れば文句ない出来でしょう。

 

実は10月に秋葉原のPCショップ、オリオスペックでも井筒さんのイベントが開催されていて、当初はそこでCDを買おうと思っていたのですが、その時期は体調が悪く休日に秋葉原に行く気力が湧かなくて結局スルーしてしまっていました。今回のイベントで販売されていて丁度良かったということでしょう。

  • 購入金額

    2,530円

  • 購入日

    2024年11月23日

  • 購入場所

    ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024 会場

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