まだレビューは掲載していないのですが、先日Acoustic Research製のDAP、AR-M200を入手しました。DAPスタンドのレビューで画像だけは載せていますね。
このDAPはバランス接続にも対応しているのですが、端子形状は4.4mm5極の、所謂PENTACONNです。しかし、私が今まで使ってきたDAPは全て2.5mm4極のバランス端子を備えるものばかりでした。
というわけで、これまで結構色々買ってきたリケーブルも2.5mm4極バランスのものばかりであり、ここの4.4mm5極が新たに加わるということは、また新たな出費を強いられることになります。
取り敢えずの対応策としては2.5mm4極→4.4mm5極の形状変換アダプター又はケーブルを用意して2.5mm4極バランス版のリケーブルを使うという手段がありますが、これもきちんとしたものを買おうとすると意外と高価です。
そこでAR-M200の購入元であるMassdropで何か良い品が出ていないかと探していると目にとまったのが、MassdropとMEE Audioのコラボ商品であるバランスケーブルでした。このケーブルは、基本的には2.5mm4極の端子を備えたCIEM 2pin対応ケーブルなのですが、2.5mm4極を
・3.5mm3極シングルエンド
・3.5mm4極バランス
・4.4mm5極バランス
に変換するためのアダプターが同梱されているのです。この添付アダプターを利用すれば2.5mm4極のリケーブルさえ用意しておけば、大抵のDAPに接続できることになります。価格も$70ということで、一通りのアダプターを備えるよりも安いほどですから、早速入手してみることにしました。
ケーブルとしてもコストパフォーマンスに優れていてお買い得
ケーブルとしてはごく普通のOFCの4芯ですから、比較的安価なリケーブルにありがちの構成です。むしろ中国製のケーブルではもっと安くても6NOCCや銀コートなど、より凝った素材のものはいくらでもあります。
ただ、私が愛用しているAZLAから発売されているLabkable Silver Galaxy Mix+なども、スペック的にはオーソドックスな4芯ケーブルではあるものの、音質的には約3万円という価格に納得できる程度の実力を持っています。表記のスペックだけではなんとも判断できないものです。
外装はあまりリケーブルっぽくないデザインと形状です。スペック上は「4芯OFC」としか書かれていませんね。
ケーブル部分は4芯の割には意外と太く、タッチノイズなどは充分抑えられたものとなっています。さすがにイヤフォン等でもコストパフォーマンスに優れた製品を多く発売しているMEE Audio製であるだけに、安くても基本はしっかりと抑えた造りとなっています。
こちらが今回の注目ポイントである形状変換プラグです。特に4.4mm5極は今後重宝することになるでしょう。
今回は一応リケーブルとしてのレビューですので、2.5mm4極接続でケーブル自体の音質を検証してみましょう。組み合わせたDAPはAstell&kern KANN、イヤフォンは64AUDIO U4とNoble Audio Sageです。
まずはSageの方で聴いてみましょう。
一聴しての印象は音場がしっかりと広がり、中域の質感も案外良いということです。高域方向の伸びはやや足りないような気もしますが、それもそこそこ高価なケーブルとの比較で判る程度であり、基本的にはバランスの整った音ということが出来ます。
一つ一つの音をしっかりと明瞭に表現してくれまるHi-Fi調の音質であり、恐らく極端に苦手な相手となるようなイヤフォンやDAPはなさそうという気がします。さすがにMassdropではMassdrop X Nobleのイヤフォン等の推奨ケーブルとしているだけあり、そこそこ高価なイヤフォンとの組み合わせにも充分耐えられそうです。
続いてU4に繋ぎ替えてみます。
まず余計な強調感が感じられないことが幸いしているのか、強めのローブーストで組み合わせの幅が狭いU4でも割合無難な組み合わせとなることに驚かされます。高域方向の緻密さと伸びが少し不足気味とは思いますが、中域の質感や音場の広さは十分に魅力的で、今まで使ったケーブルの中でも組み合わせとしてはかなり良好といえるものです。LPから起こした「The Newest Play Bach Vol.1 / Jacques Loussier」などは思わず「良いじゃん」と言ってしまうほど好バランスです。
ここで本来の目的の一つである4.4mm5極変換アダプターを介して、前述のAR-M200とも接続してみましょう。
するとさらなる驚きがあります。KANNと接続していたとき以上に音場が広く明瞭に拡がるのです。「Shape Of My Heart / Sting」を聴いてみると、AR-M200がまだあまりこなれていないためかアタックがやや丸くなる傾向はあるのですが、プレイヤーやケーブルの購入価格からは想像も付かないほどに次元の高い音です。
このアダプターはJH Audio Michelle+WAGNUS. Chocolat Lilyとも組み合わせてみましたが、イヤフォンやケーブルの持ち味は充分に表現できていたと思います。
送料込みでも1万円を割り込んでいるセットではありますが、価格以上の満足度は充分にありました。ケーブル単体で8千円でも充分に納得できる実力はあります。変換アダプター3種セットということを考えれば素晴らしいコストパフォーマンスとしか言い様がありません。
-
購入金額
8,626円
-
購入日
2019年04月26日
-
購入場所
Massdrop
harmankardonさん
2019/04/26
jive9821さん
2019/04/26
いちいち4.4mm板のバランスケーブルを買い足していくなどと考えると予算がいくらあっても足りませんので、手軽に色々な形状を試せるセットというのはなかなか有難いところです。
3.5mmアンバランスにも変換できるとなると、先日買ったケーブルもアンバランスをわざわざ選択する必要は無かったかと、少々後悔してもいますが…。
cybercatさん
2019/04/27
これCayinのフラッグシップDAP、N8付属のモノの出来がよいです。
単品売りもしています。
jive9821さん
2019/04/27
先日Cayinの試聴イベントで現物は見たのですが、確かに見た目はしっかりしていましたね。
あいにく使う機会はありませんでしたが…。
せっかくなので使わせてもらえば良かったと少し後悔です。まあ、今日も中野のヘッドホン祭りに出ているはずなので、空いていれば使わせてもらうことにします。
harmankardonさん
2019/04/27
正:そでだけでメリット
すみませんでした.
jive9821さん
2019/04/27
文脈上理解出来ますので大丈夫です。
現在中野のヘッドホン祭に向かっていますが、その前に秋葉原のeイヤホンで細々と買いものをしましたので、近日中にこちらで取り上げようと思います。