「スレッド立派PC」メイン機昇格プロジェクト、周辺機器編。
RICOH WG-30W
を購入したあとメインカメラになかなか昇格させなかった(させ得なかった)のは、画像データの転送の問題があったから。
かつて、ここZIGSOWでもプレミアムレビューが企画された「Eye-Fiカード」。
このカードを仕込んだデジカメで撮影すると、画像をオンラインアルバムやネットワーク上にあげたり、スマホやタブレットに画像を飛ばしたり、PCの所定フォルダに自動転送したり出来た。
ただ使ってみると「自動転送」というのは善し悪しで、撮った直後の画像がなかなか転送されない場合もあって、撮影直後に画像を使いたいときは、カードを抜いてPCのカードリーダーに挿入しなければならないこともまれではなかった。カードの抜き差しを繰り返しているうちに、PC側のライターのカードスロットの接触もやや悪かったこともあって、抜き差し回数もかさんだことにより、ついにカード自体が割れて崩壊してきた。
すごく便利なので買い換えたかったのだが、このEye-Fi、2016年にRICOH系の会社にクラウドに画像をあげるEyefi Cloud事業の売却があり、その後日本法人アイファイジャパンもたたまれ、現行製品ではなくなっている。そのためか、最近Eye-Fiソフトの新規ダウンロードが出来なくなっており、新規・再セットアップは不可能になっていた。ただ、それ以前にセットアップを行ったPCでは使用し続けられていたので、前メインカメラのCX6
に仕込んだまま、だましだまし使っていたという状況だった。しかし、かつての日本法人もなく、今後自動転送もいつ出来なくなるかわかったものでもないので、PCを交換したタイミングで「Eye-Fiカード」の使用を諦め、別の媒体に移ることにした。
ま、通常のSDカードに移行して、カードリーダーへの抜き差しで読み込むか、USBケーブルで物理接続するかでもよかったのだが、興味があって「Eye-Fiカード」の後継とも呼ばれる無線LAN搭載SDカードに移行することにした。
それが東芝の無線LAN搭載SDカード「FlashAir」。
ちなみになぜかFlashAirは国内で正式発売されておらず、手に入るのは並行輸入品
カード内の画像をスマホやタブレットに転送できるよう、Wi-Fi機能があるカード。実はEye-Fiのライセンスが東芝によって取得されており、第二の「Eye-Fiカード」として期待されたカードでもある。Eye-Fiの技術資産は、クラウド系はリコーの子会社に譲渡(その後Keenaiに移管されたあと、2018年11月で事業終了)、Wi-Fi組み込みSDカードは東芝が引き継ぐ、という感じで二分されたワケ。
そのため、「Eye-Fiカード」の代わりとなるか...と導入したが、結果からいうと利便性と速度から、現時点では「劣化Eye-Fiカード」にしかなっていないのがザンネンなところ。
外形は色などが違うが、SDカードの規格もあるし、アンテナなどが飛び出しているワケではなく、Eye-Fiカードと大差ない。
PCで使う際の設定には「FlashAirTool(FlashAir設定ソフトウェア)」を使う。「FlashAirTool」をダウンロード⇒インストールした後、PCのカードリーダーに「FlashAir」を挿入し、「FlashAirTool」を立ち上げる。ここではSSIDやパスワードを設定する。何か設定を変えるたびに、「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」⇒「FlashAir」を取り外す⇒「Flash Air」を再挿入するという行動を繰り返さなければならないのがめんどくさいが、そんなに回数ヤルものではないので、ここが問題なわけではない(「FlashAir」のソフトウェア(ファームウェア)の更新は「無線LAN搭載SDHC/SDXCメモリカードFlashAirソフトウェア更新ツール」で行うが、こちらは更新するのに3回もカードの抜き差しが必要だが、これも2017年6月から3度しか更新されておらず、頻繁に行うものでもないので、さほどの手間ではない)。
使うときは、デジカメに仕込んで写真を撮り、そこからWi-Fiで写真を抜き出す。使い方としては
①スマホに「FlashAirアプリ」を仕込んで、「FlashAir」の写真を自動転送する。
②ブラウザで「http://flashair/」にアクセスし、ブラウザ経由で写真をPCにダウンロードする。
③「FlashAirTool」でネットワークドライブ設定し、エクスプローラで写真を取得する。
という3種か。
①はスマホアプリ
のため、PCからは画像を引っ張れない。また、スマホのWi-Fiを「FlashAir」に切り替えてピアトゥピアの通信にする必要があるということで、通信開始時と終了時に、Wi-Fiルーター⇔「FlashAir」とスマホのWi-Fiの向き先を切り替えなければならない。
Wi-Fiの向きをルーターからFlashAirカードに切り替える必要がある
そこまでしてスマホに取り込んでも、ZIGSOWに上げるためには加工や色調補正、トリミングもしたいので結局PCでも読めるようにクラウド(たとえばOneDrive)に上げる必要があるので、めんどくさいことこの上ない。撮った写真を無加工でSNSに上げるなら大した労力ではないが、それなら最近進化が著しいスマホのカメラ機能で事足りるし。わざわざデジカメを使って撮った画像や動画のファイルの行き先としては、「スマホに転送」より「PCへ転送」の方が明らかに有用性が高いのだが。
②は、Wi-Fiエリア内で「FlashAir」を仕込んだデジカメの電源をオンして、ブラウザで「http://flashair/」にアクセスすれば、ブラウザ上で「FlashAir」のフォルダ階層が見える。
アドレス欄に「flashair」と打ち込めばFlashAirカードの中が見える
そこで撮影日フォルダ⇒目的の写真と潜って、画像の上で右クリック⇒名前を付けて保存でPC上に落とす方法もある。この方法はブラウザと無線LAN環境さえあれば、実現可能なので、実家など一時的にしか使わない環境で、設定を残したくない場合には有用。ただ、(これはPC側の設定かもしれないが)Wi-Fi圏内でカメラのスイッチをオンしただけではだめで、毎度毎度無線LANを「FlashAir」と接続する必要があることと、なんにせよ1枚ずつしか保存できず、その画像切り替えが遅すぎてストレスがたまる。
「自動的に接続」としていても、毎回毎回「flashair」へ手動で「接続」する必要がある
③はデスクトップ上にネットワークフォルダが作られるので、
そこにアクセスして「全ファイルコピー」してしまえば比較的快適。ただこれも、②と同様、毎度無線LANを「FlashAir」と接続する必要があることと、画像内容が表示されるアイコンの大きさにしてしまうとその「表示に時間がかかる」ので、PCに刈り取ってから吟味という感じになる。現在WG-30WはZIGSOW専用なので、全画像ファイル刈り取ってPC上でゆっくり選別すればよいためまだマシだが、デジカメに他用途と画像が混在していて、内容を確認して任意のファイルだけ落としたい...というような場合にはストレスたまると...
結局、「Eye-Fiカード」の、
・何も操作をしなくとも、Wi-Fi圏内でデジカメの電源をつければ、「しばらくすると」するするとPCの所定フォルダに画像がコピーされる(「しばらく」が数秒のこともあれば、10分以上経っても一向に転送開始されないこともあったのは、急ぐときにはキツかったが)
・転送速度もソコソコ早く、5M程度の写真であれば1枚1~2秒、しかもすべての画像が連続して自動コピーされる
という利便性に比べると、スマホやPCの無線LANの設定を都度いじる必要があるということ、速度的にも右クリックやファイル選択作業など人的作業が入るので遅い...ということで、今のところ残念ながら「劣化Eye-Fiカード」に過ぎない完成度。唯一の利点は、SDカードやUSBケーブルの抜き差しがないので、SDカードやカメラ側の端子が痛む心配がないことくらいか...
ただ、この 「FlashAir」は閉じた規格ではないようで、複数のグループによって対応アプリの開発が行われている(FlashAir Developers←ZIGSOWで挑戦する強者はおらんかのぅ...)。そこに期待してもう少し使ってみるかなと。また、並行輸入品ということもあって、詳しく解説されていないので、もう少し設定も掘ってみようかなと。
上手く自動転送する設定ないかなー...Eye-Fiのように完全プッシュ転送でなくても、こちらが「開始」ボタンを押したら差分全ファイル転送ができればいいンだけれどなー...
FlashAirがEye-Fiの便利さを超える日は来るのだろうか?
...ただ...一言で言うと...「Eye-Fiカードは偉大だった」。
FlashAir 使い方
⇒なので!Eye-Fiアプリ直系の「Keenai アプリケーション」
を導入してみた...ら..劇的改善!!。上記レビューを必読!!ありがとう、Keenai。ありがとう、RICOH。
■■■
...と誉めたのに。
RICOHによる「Keenai アプリケーション」のメンテがされなくなって、東芝メモリも東芝から売却されて....モウダメダ....
⇒と思ったら!「Snowy」
というアプリを導入すれば、近いことができることが判明。そして、売却先に東芝が技術情報を渡していてくれたおかげで、最新のWindows 10でも動作可能なことが確認された。ありがとう、emoacht。ありがとうKIOXIA、そしてありがとう東芝。
【仕様】
カード容量:64GB
インターフェース:SDインターフェース規格準拠 UHS-I
SDスピードクラス:Class10
UHSスピードクラス:クラス3
読み出し最大転送速度:90 MB/s
書き込み最大転送速度:70 MB/s
準拠規格:SDメモリーカード規格 Ver.4.00
無線LAN規格:IEEE802.11b/g/n (2.4GHz SISO, HT20 / HT40)
無線QoS:EDCA(WMM)
無線セキュリティ:WEP、TKIP、AES(WPA / WPA2)
---------------------------------------------------------------------------------------
2019/05/10 Keenai アプリケーション関連追記
2021/06/07 Keenai⇒Snowyへ...
Eye-Fi Pro X2のEye-Fiアプリに比べると、転送機能がなく「とても悪い」
都度無線LANの切り替えが必要で、フォルダ内の画像切り替えのレスポンスも悪いので、Wi-Fiネットワーク内でデジカメの電源をつければ、自動的にPC内に画像が転送されたEye-Fiカードに比べると、劇的に悪い。
ブラウザやエクスプローラー経由だと、レスポンスが悪くてかなりイライラ
一度転送操作を開始してかからの画像の転送速度そのものは速いのだが、Web経由ではカード内の画像を表示することや、画像やフォルダの切替が遅く、待たされ感は大きい。ネットワーク設定すれば直接ファイルを刈り取れるので、多少はましだが、サムネイルの表示などをさせると、やはりかなり遅い。ブロードバンド回線が当たり前になった現在では忘れていた、ダイヤルアップ回線でじりじりと描画されたり、ボタンを押下したあとも反応がないようなリッチコンテンツを見ていたときのようなイメージ。
旧「Eye-Fiアプリ」の血を受け継ぐ、「Keenai アプリケーション」を導入すると劇的改善....したと思ったのに...「Snowy」へ
2019年、「Keenai アプリケーション」の導入で劇的に改善される。これを入れればもう「劣化Eye-Fiカード」とは言わせない。
2021年、時は流れ、「Keenai アプリケーション」のメンテがされなくなってしまったので、「Snowy」に移行しました....
「Snowy」経由であれば悪くはない
速い!というほどではないが、十分。
逆にEye-Fiアプリのように転送開始が始まらないケースもないし。
-
購入金額
4,599円
-
購入日
2019年02月08日
-
購入場所
フラッシュメモリー専門店 【風見鶏 -カザミドリ-】
jive9821さん
2019/03/26
多分ソフト側の開発リソースが乏しいのだと思いますが、ソフトさえ何とかなれば製品としての魅力が数段増すだけに、もう少し頑張って欲しいところですね。
cybercatさん
2019/03/26
でも「FlashAirアプリ」のWindows対応版が出るだけで実用上は全く困らないのだけれど。
転送先がスマホだと、最近進化の著しいスマホのカメラと競争することになるので、一体型のスマホカメラの方が一歩も二歩もアドバンテージがある。それより、わざわざデジカメを持つ層=撮った写真をファイル管理したり、加工したりしたい層に向けてWindowsとMac向けアプリを開発した方が訴求力あると思うのだれれど。
東芝系は昔から技術優先で、ニーズよりシーズを重視する傾向にあるように思います。
くーねるさん
2019/03/26
あれ欲しいけど高いんだよなぁ…
cybercatさん
2019/03/27
jakeさん
2019/03/27
I2Cが読み書きできたり、設定するだけでWebDAVサーバーになったりと変な部分で優秀ではあるんですが。
cybercatさん
2019/03/27
araragiさん
2019/03/27
cybercatさん
2019/03/27
takamizuさん
2021/06/08
先日、仕事で撮影があり、D7000の撮影データをiPadProでお客さんに確認してもらいながら撮影したところ、喜ばれました。
国内で発売していないので、オークション等でプレミア価格になっていますね。並行輸入品で手に入るならもう一枚欲しいところです。
cybercatさん
2021/06/08
これ、SDカードの速度と容量が飛躍的に伸びている時期に出たので、小容量の割りには割高に感じられましたが、使ってみると便利さはすぐわかるんですけどね。