所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。CDの自主制作、以前はきちんとしたスタジオを借りて、エンジニアについてもらって、CDライターも高価でとなかなかおいそれと制作できませんでしたが、最近は制作の敷居が低くなってきています。そのため、アーティストによってはライヴ会場限定CDなども制作するようななってきています。のちにメジャーリリースされることになる曲の「原型」を、自主制作盤としてライヴ会場で見つけたのでご紹介します（Part2）。

暮れにほぼ飛び入りに近い形で参加したSANOVAのライヴ。SANOVAは女性ピアニスト堀江沙知の主催するプロジェクトだが、2017年のメジャーレビューに先立ち、彼女の自主制作という形で、のちのメジャー盤にも含まれる楽曲がリリースされている。

先にご紹介した“Eternal Part.2”

と同じく2015年発売の“Eternal Part.3”。“2”同様に、タイトル曲はメジャーデビュー盤に収められたものの打ち込みバック版だが、この“3”では、2曲目と3曲目にゲストプレイヤーを迎えているのが“2”との違い。

ゲストプレイヤーはギタリスト宮尾範和。メロディラインを任せてしまっているのが、ピアニストの自主制作盤の曲としては大胆？

まず、SANOVAの1stメジャーアルバム“Cloud 9”に収められている「Lady Luck」。この曲、イイ！疾走感あふれる激しい曲で、リフにある半音進行がスリリング。ライヴで観た彼女のエネルギッシュなプレイが蘇る。

「collector」はスリリングな分散和音⇒力強いコードストロークという堀江のピアノをバックに、宮尾のエレキギターが吠えるハードな曲。ただ、打ち込みバックはなく、二人の一騎打ち！というのが、緊張感あふれる感じ。ギターの歪んだ音、きれいだなー←矛盾？

一転「Believe」は軽やかに打ち込みのリズムが入る、美しいアコギの曲。この曲でもメロはギター。対決調？だった「collector」とは違い、ピアノはバックに徹していて、演奏的魅せ場はないんだけれど、逆に彼女のプロデューサー的視点を感じさせる造り。

前作の“Eternal Part.2”と比べると激しめの曲が過半で、彼女のハードな面がうかがえる。

ジャケットはあまり「動」と言う感じがしないが、レーベル面は．．．

「静」と「動」、あなたはどちらがお好き？

【収録曲】

1. Lady Luck
2. collector
3. Believe

「Eternal Part.3 - 堀江沙知 CDダイジェスト」