USB3.0対応の32GB USBメモリーで、実売価格1,000円以下という格安品でありながら、速度性能100MB/sを謳うということに興味があり、他の買い物のついでに買ってみることにしました。
最近USBメモリーに限らず、microSDなどで並行輸入品のSanDisk Ultraシリーズが格安販売される機会が増えています。サポート体制は販売店保証のみという心許なさはあるものの、元々信頼性に定評のあるSanDisk製品であり、それで困るような事態というのもそうそう起こりません。ここ最近microSDXC製品は何回か続けて買っています。
この64GBは実は一週間で2枚買っていますので…。
形状的には、スライド式のキャップレスというものです。個人的にはキャップは割れたり紛失したりということが結構ありますので、スライド機構さえしっかりしていればこの形状が好ましいと思っています。
速度は価格の割にまずまずだったが…
それではいつも通りの性能測定です。
測定したPCもいつも通りで、Core i7-970を搭載したASUS P6X58D-EのUSB3.0端子に接続して計測しています。
と、ここまでは無事に測定できたのですが、Crystal Disk Mark 6.0.0でデータサイズをデフォルト値の1GBにしていたことがまずかったのでしょうか。データファイルを作成できない旨のエラーが発生して、Crystal Disk Markを実行できなくなってしまったのです。
試しに小さいファイルを書き込んでみても、書き込み禁止となっていると表示され、一切の書き込み動作が出来なくなってしまいました。これはSanDiskのサポートにも掲載されている事例です。
(SanDiskサポートサイトより)
というわけで、東芝/SanDiskのフラッシュメモリー製品の仕様となっている「故障時に読み出し専用モードとしてデータを取り出す猶予を設定する」という状態に陥ってしまったことになります。ベンチマークテスト実行2回目にしていきなり故障するとは、完全な初期不良以外では最短寿命を記録してしまったことになります。
皆無としか言い様無し
さすがにここまで短命だったフラッシュメモリー製品は、以前Kingston製のSSDを買って、最初の領域確保の途中で故障して以来です。信頼性では最もハズレが無かったSanDisk製品でこうなってしまうというのは、さすがに残念としか言えません。
並行輸入品という点が問題というご指摘もあるかも知れませんが、並行輸入だろうと国内正規品だろうと中身の品質に関係はありません。ただサポート体制や保証期間が充実するというだけのことです。
最新のUltraシリーズは容量単価の安さが大きな魅力ではあるのですが、フラッシュメモリーの品質という意味ではあまり良くはないのかも知れません。
後日販売店にサポート依頼して、代品交換となった場合には再度同じテストを実行してみようと思います。これで同じような負荷でまた壊れるようなことがあれば、SanDiskの信頼性は地に落ちることになってしまいますからね。
交換品で追試を実施したが…
販売店のサポートでテストに利用した個体の初期不良が認められ、交換品が届きました。
今回は初期不良が無いよう、チェックツールで正常動作を確認した個体を送っていただいています。その結果ですが…
一応Crystal Disk Mark 6.0.1(データサイズ1GB)も完走はしました。しかし、この個体も動いたのはここまで。少し時間をおいてCrystal Disk Mark 6.0.1を再度実行した時点で、書き込みが不能となってしまいました。
つまり個体差ではなく、この製品の耐久性はCrystal Disk Mark 6.0.1 の3回ループを1回実行するまでしかないと結論づけるしか無くなりました。まさか信頼性で売っているSanDiskが、ここまでひどい製品を作っているとは思いませんでした。率直に言ってかなり失望しています。
一応フォローしておくと、例えばMicrosoft Officeのデータファイルを持ち歩くだけなどという用途であれば、こんなに早く壊れることはないでしょう。しかし、私自身これまでかなりの数のフラッシュメモリー製品をベンチマークテストに掛けてきて、何度か繰り返し実行したり、データサイズを変化させて実行したことも無数にあります。それで壊れた製品など、ノーブランドに等しい無名メーカー品に至るまで見たことがありません。それなのに東芝・WesternDigital連合のフラッシュメモリーを採用しているこの製品でここまでの壊れやすさと考えると、SSDなど他の製品の信頼性までも疑わしく思えてきます。
これが製品の仕様と結論づけられた以上、販売店に迷惑がかかりますのでこの製品はこのまま廃棄してサポートは求めません。ただ、今後SanDiskのUSBメモリーは当分買わないと思いますし、その他フラッシュメモリー製品も疑いを持って接することになるでしょう。少なくとも、この製品を買うことだけは止めることを強くオススメしておきます。
最後に追記しておきますが、確かにCrystal Disk Mark 6系のデータサイズ1GBは負荷の大きいテストです。しかし、同じくらいかそれ以上に廉価な他社製品では同じテストを問題なくクリアしているということは申し添えておきます。以下の他社製品では今回と同じテストを行っていますので…。
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購入金額
980円
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購入日
2018年07月20日
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購入場所
PC Shop ARK
cybercatさん
2018/07/21
jive9821さん
2018/07/21
私もSanDisk製品でこんな形のトラブルに当たったのは初めてで、驚きが大きかったというのが本音です。今まで持っていない型番のUSBメモリーを買う度にCrystal Disk Markを実行してきましたが、これを完走しなかった製品自体が怪しいノーブランドも含めて初めてでしたからね。
取り敢えず販売店にサポート依頼は送っておきましたので、対応待ちですね…。
cybercatさん
2018/07/25
自分もSSDに多く使っているんですが、チョイ心配になってきた。
jive9821さん
2018/07/25
しかも自分たちでパッケージに速度性能を記載している以上、量産試作段階で速度テストは行っている筈ですし、このような品を出荷してしまうことだけでも大失態です。
この個体は欧州市場向けですが、EU圏内でベンチマークテストを走らせる人が出てきて、品質にクレームを入れてくれることを期待するしかありません。それとも、無駄に日本市場向けリテールパッケージを買ってクレームを入れてみるか…。