所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。バブル期のあだ花。かつて日本が経済的に隆盛を極めていた頃、その金の力で名画を買いあさったりして世の失笑を買ったものでした。しかし、音楽的にはその資本力で、往年の名プレイヤーを集めた企画アルバムが作られたりして、必ずしも悪影響のみで終わったわけではありませんでした。そんな時代に咲いた必聴盤をご紹介します。
Jazz Express、別名Smooth Jazz Expressとも。このグループは日本企画のポップス~古典ロック名曲アルバムのために組まれたグループ。ただそのメンツがもの凄い。ピアノとハモンド B-3、キーボードがNeil Larsen、ギターはBuzzy Feiten。リズム隊はドラムスがRicky LawsonでベースがRicky Minor、パーカッションはLenny Castro。そしてサキソフォーンはMicheal Pauloが吹く。
彼等がDiana RossやMadonna、The Rolling Stones
の名曲をオシャレに演奏する、という企画の中の一枚。
意地悪く言ってしまえば、有名曲を凄腕プレイヤーに演奏させた「お手軽企画盤」なのだけれど、曲の持つパワーと、プレイヤーの感性が「聞き流す」にはもったいない出来にしている。
ここで取り上げられたMariah Careyは20世紀末に大ヒット、その後アルバム“The Emancipation Of Mimi”で再びトップスターに返り咲いた歌姫。伸びる高音域が魅力の彼女だが、曲自体は結構ブルージィ~ソウルテイストのものが多く、単なるポップスターとは一線を画していた。
アルバムのスタートとなる「Someday」は、かなりファンキィかつダンサブルなナンバーで、最初期Mariahのヒット曲。Michealのサックスがメロディをなぞるが、歌声では表現できない遊びを入れてセンスが良い。そしてサックスが引いて4小節リズムだけになった..と思ったらキタキタキタキタキタァァァァァァのBuzzyの32小節に渡るなが~~~~~~い弾きまくりソロ。このプレイ聴くだけでも買う価値あるかも。
「Emotions」はベースのRicky Minorのビミョーにハネるリズムが気持ちよい。元歌の硬いリズムは、Mariahの高く伸びるエモーショナルな歌声を堪能するには良いけれど、バックにフォーカスして改めて聴くとそんなに見所ない(ヴォーカル曲としてはそれが正解かも知れないが)。こちらの曲は両Rickyの絡みでグングン前に曲が進む。途中薄く入るNeilのハモンドもセンス抜群。ソロはエレピ系の音なんだけど、ベンドダウンを使ったりしてちょっと意外な感じ。
ラストの「Alone In Love」は、元曲はマイナー系のバラードだけれど、ミディアムテンポのノリが感じられるアレンジに。Ricky Minorのスラップベースを下敷きに、このアルバムでは珍しくMichealのサックスではなく、Neilのピアノが和音を多用した形で、メロを取る。Lennyの間にねじ込んでくるパーカションが盛り上げる。
曲は、最初期のみとは言えMariahのヒット曲で馴染みがあるし、それを素材に弾きまくる凄腕プレイヤーのキレた演奏がスバラシイ。
キャッチーな曲が多くて肩の力を抜いて聴けるので、これを入り口にして、もはや「古典」となっている“LARSEN|FEITEN BAND”
を聴く人が増えたらイイなぁって。
【収録曲】
1. Someday
2. You Need Me
3. So Blessed
4. Can’t Let Go
5. Emotions
6. I Don’t Wanna Cry
7. Vision Of Love
8. Prisoner
9. Love Takes Time
10. Alone In Love
napster:smooth-jazz-express/the-songs-of-mariah-carey(全曲試聴ファイルあり)
プレイ内容はLARSEN|FEITEN BANDで、曲はMariah Careyでなじみがあるもの。美味しくいただけます。
LARSEN|FEITEN BANDが好きなら聴くべし。問答無用。
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購入金額
2,800円
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購入日
1992年頃
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購入場所
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