所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。オリンピックのようなあまり回数がないイベントや、大ヒット作品のように、多くの人にとって時代と結びついた曲というのもありますが、個人的にある曲と時代が結びついていることがあります。自分にとってそういう立ち位置にある、夜のしじまが似合う曲をご紹介します。
久保田利伸。1980年代から現在も活動を続けているFunk/Soul系J-POPアーティスト。ヒットチャート的ピークは本人の日本での活動のピークと重なる1990年前後だが、今でも継続的にシングルをリリースし、多くはドラマタイアップとなっているため、今でも容易にクボタの声を聴くことができる。
一時期アメリカを中心に活動したり、アフリカに傾倒したりと、日本での普通の?アーティスト活動から遠ざかったためか、デビュー当時の怒濤のリリース攻勢状態からある時点で急激に寡作なアーティストになったが、その転換点がこの作品のリリースされたあたりの世紀末付近。
それまでの熱量が高いファンキィな作風から、COOLでイロクな作風へとシフト。アメリカ進出を精力的にしていた時期とも重なり、ブラックコンテンポラリー系の薫りが強い。
表題曲「the Sound of Carnival」。編曲も手がける盟友柿崎洋一郎の淡々としたバックトラックを、Tristan Avakianのつま弾く生ギターが物悲しく彩る。その上でクボタが♪Bye Bye Yesterday♪と過ぎた恋を歌う。時々数拍ビートが消失するのが、ツライ心を洗わしているのか?♪『だいじょうぶだから そっちはどうなの?』/笑顔で君はかわした/強がりな心/夜にきしんで/眠りさがす♪系統的には「夜に抱かれて ~A Night in Afro Blue~」と同系統なのだが、もっと静かに洗練されている感じ。
カップリングの「Hiroo Document「W@ARAI」」は、DJ WATARAIのリミックス。シングルとしては“the Sound of Carnival”の次作となる楽曲、「SOUL BANGIN'」のリズムを強調したリミックス。ただ曲の構成の切り貼りはなく、NY風のチープ感ある音のリズムのループが「踊れる」。
3曲目の表題曲のカラオケは、Tristan Avakianのプレイが目立ち、指板を滑るノイズや、巻き弦の音の響きがとても切なく、夜。
ちょうどこのころ自身の仕事内容の変更もあり、今まで田舎の生産現場にいたのが、都心のオフィス勤務になったのも 、「都会系」の楽曲が「解る」下地?
そうそうこの作品、ちょうど8cmCDと12cmCDの切り替わり時期のモノ。今回ご紹介したのは12cm版だが8cmもある。クボタは以前からどちらも使っていたが、単なるシングルは8cm、リミックスは12cmと使い分けていた。それがこの次の“SOUL BANGIN”からはシングルも12cm化。CDショップの売り場でかつてのドーナツ盤シングルの枠が使えるということで設計された8cmCDも、パッケージの大きさのわりには収録時間が短く、CDアルバム(12cm)との混載の展示が難しいこともあり、なにより縦置きのCDドライブを搭載する事もあったPCやスロットインのカーステではアダプターが必要なこともあり、21世紀に入って急速に姿を消していく。
販売時は裏のクボタのアップは見えない。こんなジャケットは12cmCDならでは。
そんな時代背景と共に時にあのころの自分を想い出し、時に無性に聴きたくなる曲です。
【収録曲】
1. the Sound of Carnival
2. Hiroo Document「W@ARAI」
3. the Sound of Carnival (Original Karaoke)
J-POPの枠にいながらこのCOOLさ!必聴。
初期の頃ほど熱量が高い曲ではないが、夜に聴くとその詞と共にクボタの声が胸に染みる
-
購入金額
1,020円
-
購入日
2005年頃
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。