64AUDIO U4用のバランスケーブルを探しに秋葉原に行き、eイヤホンの店頭で色々なCIEM 2Pin向けのケーブルを試聴してきました。しかし、低域が露骨に多いU4と相性の良いケーブルというのはなかなかありません。
U4を快適に使うためには
・低域があまり分厚くない
・音場は広め
・中~高域が明瞭
という、高級ケーブルにはあまりなさそうな傾向が望ましい訳ですから、ある意味当然ではあります。アンバランスであれば、estron Linum Musicというestron製の基本モデルが丁度良い相性を示してくれたのですが…。
結果的には、AZLA用のオプションとして用意されていた、Labkable Silver Galaxy Mix+の処分品を買ってきて、低域の厚みはどうしても残ってしまうものの中~高域の質的向上がめざましく許容範囲と思えたため、これを常用の組み合わせとしました。
ただ、Silver Galaxy Mix+を買う前に、バランス対応ケーブルそのものが不足していたので、手頃な価格で出ていた、このonso iect_03_bl2c_120も念のためにと購入しておきました。U4で使わなくても、Acoustic Research AR-E100や、以前ケーブル欠品で入手していたNoble Audio Savant Universalも同じCIEM 2pinケーブル対応モデルであるため、余ったものはこちらで使えば良いという考えもあったためです。
ただ、AR-E100はケーブル端子部分が本体に埋まる形となっていて、ケーブル側の端子形状によっては装着できない場合があります。前述のLinum Musicなどは装着不能となるケーブルの一例です。
その点、こちらのiect_03_bl2c_120は、形状的にも問題なさそうということで安心して買うことが出来たのです。
実は、当初はこの写真の組み合わせのAstell&Kern AK100IIとAR-E100との組み合わせでレビューを作成し始めていました。しかし、後日Astell&Kern KANNなど新たな機材が入ってきたため、以下の音質についての記載は新たに作り直したものとなります。
比較的手頃なリケーブルだが、高価格製品とはそれなりに差が付く
というわけで、ここからの試聴記については、DAPとしてAstell&Kern KANNを、イヤフォンとして64AUDIO U4を使い、U4に普段装着しているLabkable Silver Galaxy Mix+との音質差を確認してみたいと思います。
まず、iect_03_bl2c_120の方はやや低域よりという印象を受けます。Silver Galaxy Mix+と比べても低域の量は多めですが、本当に低い部分での沈み込みの深さにはやや欠けます。音場はSilver Galaxy Mix+の方が明らかに広く、iect_03_bl2c_120の方は両耳よりもやや内側に空間が形成されるというイメージでした。
そして最も顕著な差がついたのが高域方向の表現力で、透明感やキレ、緻密さなど全ての面でSilver Galaxy Mix+が明らかに優位に立ちます。さすがに標準価格が3倍近くも違う製品なので対等に勝負するのは厳しいという結論でした。ただ、iect_03_bl2c_120は64AUDIOの標準ケーブルを思わせるような音質傾向であり、元々U4との相性自体も悪いといえるでしょう。
もっとも、iect_03_bl2c_120の名誉のためにAcoustic Research AR-E100との組み合わせについても言及しておきますが、こちらはアンバランスのBispa <咲> sakuとの比較で、音場の広さではやや劣るもののエネルギー感の強さで優位に立ち、バランス接続である事も大きいのでしょうが、解像感や音像の明瞭さなどでは上回ってきます。価格相応の実力はきちんと兼ね備えているということは間違いありません。
さすがに10万円クラスのユニバーサルIEMにはちょっと力不足という感はありましたが、3~5万円クラスのリケーブルとして入門用に買うのであれば有力な選択肢となり得る製品でしょう。
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購入金額
4,256円
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購入日
2018年03月24日
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購入場所
eイヤホン 秋葉原店
harmankardonさん
2018/08/14
ちょっと華奢に見えるんですが,しっかり作られていますよね.
jive9821さん
2018/08/14
onsoのケーブルは、見た目だけならiect_01系が最も無難な感じですね。
ケーブルの作りそのものは奇を衒わず、実績あるメーカーらしい手堅いものですが、何故かカラーリングだけは個性を出そうとしているのか…。