レビューメディア「ジグソー」

■(Shuttle SZ77R5)のWindows10化に

以前ここでプレミアムレビューさせていただいた、■ことShuttle SZ77R5。

これがcybercat家で最後に残ったWindows7機だった(休止中PC除く)。

 

就寝スペースの脇に置いたTV

に繋いでおり、用途としては完全にネットチェックと動画サイト視聴用、たまに光学ディスク視聴程度。

 

■のCPUはCore i7-3770T

で、Ivy Bridge世代の4コア8スレッド、ベース2.5GHz⇒ターボ・ブースト3.7GHzの品。グラフィックスも、ビデオカードを積んでいないため、内蔵のIntel HD Graphics 4000に過ぎないが、出力先がFull HDのTVなので、2020年初頭でも上記の用途では特に不便を感じていなかった。

 

ひとつWindows8以降では動かないアプリを使っていたこともあり、Windows7で最後まで残したが、ついにタイムリミットの「2020年1月14日=Windows 7の延長サポート終了日」が。ネットに繋がない業務用PCならばそのまま使い続けるという選択も出来たが、ネット作業がほとんどの用途からしてもどうしても更新しなくてはならなくなった。

 

そこでWindows7⇒10のアップグレードサイトからMediaCreationToolをダウンロードして、OSの準備をするとともに、ハードも用意した。

 

というのも■はレビューにも記したが、当時SSDは出始めで超高額、HDDも例のタイの洪水でWDの工場が壊滅的な被害を受け、数ヶ月前の倍以上に急騰していた時だったため、中容量(750GB)のシステムディスクに、今はなき「インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジー(Intel Rapid Storage Technology)」の「インテル スマート・レスポンス・テクノロジー(Intel Smart Response Technology)」を適用して、小容量SSD

をキャッシュに用いた高速化をセッティングしていた。

 

7年以上経った現在では、SSDも十分安くなっており、ISRTの需要もなく、それどころかIRSTの一部ヴァージョンではWindows10の更新が出来ない問題も出ているようだ。ま、ISRT自体が、インテル Z68 / Z87 / Q87 / H87 / Z77 / Q77 / H77 チップセットのみの対応技術で、すでに「死んだ」仕組みなので、SSDとHDDの2台使いでトラブル要因2倍抱えるのではなく、大容量SSDを導入してそちらを起動ディスクにし、元CドライブのHDD

は2機目のデータドライブにすれば良いかと。ちょうどWDの高騰で、cybercatとしてはここ10年ほどで唯一妥協してパーツで購入した海門のHDD

がデータドライブとして仕込んであり、故障・トラブルにおびえながら使うよりはそのバックアップを作ってやれば良いかと。

 

そのために用意した「大容量SSD」。

 

ただ、PCがIvy Bridge世代であること、インターフェースがSATAであること、用途的には速さが必要ないこと、就寝前に寝転びながら使うことも多いので、寝落ちする⇒朝までつけっぱなしであることも多いということで、

・スピードはそんなに速くなくても良い

・発熱が多いのは勘弁

・信頼性が高いもの

・安価

ということで探してみた。

 

購入した2019年秋の価格では、SATA形式なら1TBクラスがおよそ1万円+α程度。

 

当時販売していたSSDを安い方から並べてみると、SAMSUNGの860がQVO、CFDのCG3VZ、CrucialはCT1000MX、SanDiskがSSD PLLUSとUltra 3Dあたりが2~3千円差で価格的に密集している(怪しげな中華メーカーは除く)。この上にSAMSUNG860のEVOやSanDiskのExtreme PROなど高性能系があるが、価格は大きく離れており、対象にならない。

 

SAMSUNGのストレージはHDDで相当辛酸をなめたので、かなり拒否反応が。CFDは保証が3年と短く、Crucialは品薄ということで、いつものSanDiskか?と思ったが、この時Ultra 3Dの1TBが品切れで、SSD PLUSしかなかった。SSD PLLUSは、SanDiskの中では唯一「買ってはいけない」ヤツで、Ultra 3Dより多少しか安くないのに、速度は遅く保証も3年になる(Ultra 3Dは5年)。その速度も、公称はUltra 3Dのシーケンシャルリードが最大560MB/secであるのに対して、PLUSが535MB/sec、同ライトが530MB/sec⇒450MB/secと1割前後のビハインドと大幅に違うわけではないのだが、実際にはランダム系が劇的に遅いようで、スコア的にはPLUSは高速HDDと大差ないとか。cybercat的定番のUltra 3Dがないので悩んでいると、コイツが目についた。

WDブランドのHDDはお初だな。
WDブランドのHDDはお初だな。

 

WDのSSD、「WD BLUE」。現在SanDiskはWD傘下なので、これ実は中身はUltra 3Dと同じものらしい。たしかにシーケンシャルリード最大560MB/sec、同ライト530MB/secと同じ性能。そして保証も同じ5年。

性能的にはこんなモン(1TB版なので上段)
性能的にはこんなモン(1TB版なので上段)

 

単にブランド違いということなので、こちらを購入。

中身はこれだけ
中身はこれだけ

 

内容としては取り付けネジもなく、本体と説明書だけ。ただし、Acronis True Image WD EditionというHDD/SSD環境移行ソフトのダウンロード権がつく。今回Win10化するにあたって、例の使えなくなっているソフトなどもあるので、クリーンインストールしてもよかったのだが、GOM Playerのライセンス情報が見つからなかったのと、ブックマークや各種サイトのログイン情報引継ぎがメンドかったのもあり、ファイル構造をクリーンにする利点よりも引継ぎがない利便性が勝ったので、これで移行するかと。

 

移行方法としては以下の通り

①IRSTからISRTの設定解除←ややこしいww

②SSDの解放(容量的には再利用するとは思えないが(^^ゞ)

③HDDへのAcronis True Image WD Editionのインストール

④SSDの物理的な入れ替え(ISRTキャッシュ用SSD⇒新規起動ディスク用SSD)

⑤Acronis True Image WD Editionでの環境移行

⑥(最終的に)旧メインディスク(HDD)をフォーマット

 

①まず、ISRTを組んでいたSSDはIRST上でHDDから解放しなければならない。ISRTは構造的にはRAIDの一種なので、単にディスクを抜いただけでは起動不能になってしまう。そのため、IRST上で開放する必要がある。

Array_0001に組み込まれている56GB(60GiB)のSSDを「高速の無効」
Array_0001に組み込まれている56GiB(60GB)のSSDを「高速の無効」

 

SSDをキャッシュ設定から解放
SSDをキャッシュ設定から解放

 

②SSDはそのままではWindow上から見えないので、使えるように解放しなければならない。

SSDを「使えるようにする」とSSDが見える
SSDを「使えるようにする」とSSDが見える

 

③HDDにはAcronis True Image WD Editionをインストールし、

④物理的にキャッシュ用SSDと新しい起動用SSDを入れ替える。

ディスクベイ最下段の2.5インチ×2のトレーを引き出す
ディスクベイ最下段の2.5インチ×2のトレーを引き出す

 

トレー上段のSSDを外すには下側の2.5インチHDDも外さなければならない
トレー上段のSSDを外すには下側の2.5インチHDDも外さなければならない

 

SSD入れ替え後
SSD入れ替え後

 

⑤そしてAcronis True Image WD Editionで、旧HDDから新起動SSDに内容コピー。

この中の
この中の「ディスクのクローン作成」を使う

 

ソースディスクは698.6GB(750GiB)のHDD
ソースディスクは698.6GiB(750GB)のHDD(残りはデータドライブとUSBメモリ)

 

ターゲットディスクは未初期化の新規1TB(931.5GB)のSSD(本品)
ターゲットディスクは未初期化の新規1TB(931.5GiB)のSSD(本品)

 

クローン完了(ディスク名称もコピーされてしまっている)
クローン適用後の予想(ディスク名称もコピーされてしまう)

 

このクローン化で準備ができたので(旧メインHDDはもしもの時のために現時点ではフォーマットしていない)、BIOSで起動順入れ替え。

 

新たに起動ドライブとしたSSDのWindowsをWin10化するために、「MediaCreationTool」をダウンロード⇒実行...

1909
MediaCreationToolは「1909」となっているので、最新のもの。

 

ここからはいつもの...
ここからはいつもの...

 

で!
ここは「今すぐアップグレード」で!

 

という手順。HDDクローン⇒SSD化でWindows7の時は問題なかったが、Windows10へのアップグレード直後に新メインSSD(本品)以外のディスクが、BIOSでは見えているのに、Windows上やディスクの管理でも見えなくなる⇒デバイスマネージャで設定をいじる⇒Windowsが起動しなくなる⇒回復環境からの「スタートアップ修復」を複数回強いられた...など深夜にドラマもあったが、無事、Windows10化完了。

10プロ化完了!
10プロ化完了!

 

本SSDの速さ的には、こんなもん。

【比較用元環境(ただしISRT解除後のHDD単体)】

あ、今回から測定環境をCDM7に移行しました
あ、今回から測定環境をCDM7に移行しました

 

【ディスククローンした1TB SSD、Windowsアップグレード前】

HDDに比べれば明らかに速い
当然HDDに比べれば劇的に速い

 

【Windows10へのアップグレード後】

ま、OS変えても速度は変わらんよね。
OS変えても速度は変わらん...と思ったけど、誤差以上にわずかに速いのはなぜだろう。

 

 起動速度もちょっぴり上がって、これで当分戦えます。

 

【WDS100T2B0A仕様】

インターフェース:SATA III 6 Gb/s
フォーマット済み容量:1TB
フォームファクター:2.5 インチ
シーケンシャル読み取り最大(MB/s):560
シーケンシャル書き込み最大(MB/s):530
ランダム読み取り最大(IOPS):95,000
ランダム書き込み最大(IOPS):84,000
耐久性(TBW):400
MTTF:最大175万時間
平均消費電力(mW):60
保証:1年(代理店保証)、5年(メーカー保証)
本体寸法:100.2 x 69.85 x 7 mm
重量:37.4 g

更新: 2020/01/14
コストパフォーマンス

底値に近いわりには性能が良い

あとコントローラが東芝と協力関係があるMarvellの88SS1074、NANDはブランドはSanDisk製というものの、実際は東芝と共同開発した国内(四日市)生産の64層3D NANDと信頼性も高い。

  • 購入金額

    10,546円

  • 購入日

    2019年10月16日

  • 購入場所

    TSUKUMO eX.

31人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • くーねるさん

    2020/01/16

    1TB1万前後で買えるとは…
    いい時代になりましたなぁ(*・ω・)ノ
  • cybercatさん

    2020/01/16

    8年前は60GBを8500円で買ってますからねぇ...←ISRT用に使っていたキャッシュ用SSD

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