WD Blue 3D NAND SATA SSD ~PS4 の大容量&高速化を実現~
ということでWESTERN DIGITAL製「WDS100T2B0A」のプレミアムレビューとなる。
【製品概要】
WDS100T2B0AはWESTERN DIGITAL製のSSDであり、WD Blueに該当する製品だ。
またSSDで使用されるNANDフラッシュメモリの種類は「SLC」「MLC」「TLC」があるが、
WDS100T2B0Aは「TLC」のSSDである。しかしただのTLCではない。
「3D NAND」のTLCなのだ。
【3D NANDとは?】
通常NANDは1枚の基盤の上に、NANDフラッシュメモリを1枚ずつ敷き詰めていく。
しかし3D NANDの場合は、平面に敷き詰めるのでは無く「縦」に何層も敷き詰めているのだ。
そしてWDS100T2B0Aは「64層の3D NAND」とこれまた積層数も半端ない。
なお3D NANDとすることで、大容量化や書き込み速度の向上に有利で、
そして省電力化にも貢献するとのことだ。
【PS4をSSDに換装する意味とは?】
PS4は店で売っている製品を買うと、1TBのHDDが内蔵されている。
もちろんそのまま使用して不自由なく遊ぶことは可能だ。
しかしSSDに換装することで、主に「ロード時間の短縮」が可能となるのだ。
【PS4をSSDに換装する際注意点】
そこまで気にすることでは無いが、PS4Proが一番恩恵がある。
理由はこうだ。
・PS4pro:SATA3接続
・PS4 :SATA2接続
PS4proはSATA3(理論値上限:600MB/S)接続のため、
SSDの恩恵を受けやすいということに注意。
ノーマルのPS4は最大でもSATA2のため、読み書きともに「300MB/S程度」が最大だ。
※当然理論値なのでこの速度が必ず出るわけでは無い
またPCと根本的に違うのは、速度向上がダイレクトに影響があるわけでは無いのも注意。
PS4はブルーレイディスクから読み取りがあるため、
どうしてもその部分の読み取りはSSDが関与できない。つまり遅い(HDDより遅い)。
そのため「速くなる部分もあれば、変わらない部分もある」のは頭に入れておきたい。
おそらく最大限にメリットが享受できるのは「ダウンロードしたゲーム」である。
動作を見るまでも無く速度は良好
前置きが長くなったが、WDS100T2B0Aのスペックをご覧いただきたい。
今回は比較対象としてSANDISK製「SDSSDXPS-480G」「SDSSDA-240G」を用意した。
型番だと分かりづらいが、SDSSDXPS-480G→Extreme Pro、SDSSDA-240G→SSD Plusとなる。
※なぜSANDISKをチョイスしたかというと、WD社は2015年にSANDISKの買収を発表、
2016年には買収が完了しているため、ほぼSSDの中身としては同じであるためだ。
スペックについては下記画像にまとめた。(見づらい場合は拡大をお願いしたい)
※Western Digital様製品ページより流用
参考ページ:https://www.wdc.com/ja-jp/products/internal-ssd/wd-blue-3d-nand-sata-ssd.html
WDS100T2B0Aは5年保証で、SDSSDXPS-480Gは安定の10年保証。
が、それ以外は全てにおいてWDS100T2B0Aが勝っているという驚きのスペックだ。
エキプロといえば、SANDISK買収前最後の鉄板SSDと思っていたが、
これは新たな鉄板SSD誕生の予感。
とまぁスペックで語っても仕方あるまい。実際に使ってみようではないか!
まさに兄弟
まずはWDS100T2B0Aの内容物だ。
本体と説明書の2点。なんというか・・・茶箱並のシンプルさだ。
正直SATAケーブル等同封して値段が上がるくらいなら、
これくらいのシンプルさでちょうどいいと私は思う。
次はSANDISKの血筋SSD3種類による、写真での比較だ。
上から順番にWDS100T2B0A、SDSSDXPS-480G(エキプロ)、
SDSSDA-240G(SSD Plus)だ。
結論:シールはがしたらどれがどれだかわからないッ!
しかし裏面はそんなこと無いはず・・・
結論:一緒
まぁWestern Digital社にSANDISK社が買収されているから何の不思議でも無い話だ。
NANDの種類も東芝・SANDISK系ということで、確実にSANDISKの血筋を受け継いで
いるSSDということだろう。
欲を言えば何かWestern Digital社独特の何かがあれば嬉しい。
別添のステッカー等、差別化できる簡単なものでもいい。
個人的にはあまりにもSANDISKそのまま(質感もプラスチック)だったため、
拍子抜けしたというのが正直な感想だ。
PCでも良好な速度を記録
まずはPCに接続し、SATA3接続でベンチマーク。
使用ソフトはCrystalDiskMark(3_0_4)というちょっとバージョンは古めなソフト。
ルールは1000MBランダム5セットのデータを取得、となる。
※データ取得したときにMX100が混入したが気にしない方向で。
なおグラフに使用されている略称については、下記のとおりとする。
・BLUE:WDS100T2B0A←当製品
・SSDPlus:SDSSDA-240G
・ExPRO:SDSSDXPS-480G
・MX100:CT512MX100SSD1
4k Write以下はSDSSDXPS-480Gに譲る(それでもかなり健闘)として、
全てにおいて良好な結果となった。ここまで来ると「TLCだから~」という
懸念はもはや過去のもので、今となってはMLCやTLCに関係なく
選んでしまってもいいのかもしれない。
とはいえSDSSDXPS-480Gが「10年保証」で、WDS100T2B0Aは「5年保証」という事実は
覆せないもので、やはりOSを入れるのであればMLC優勢ということにも感じられる。
ただし、ゲームを入れるSSDということであれば、
全く気にせずWDS100T2B0Aを選んでしまっていいだろう。
お次はPS4で使用する場合において、是非上げておいた方がいいと個人的に思っている、
USB3.0接続での速度について、同様にベンチマーク結果を上げていきたい。
というのも、PS4ではUSB接続のストレージにゲームデータを格納することで、
内部のHDDを換装すること無く、手軽にSSDを接続することができるのだ。
となると気になるのはUSB接続での速度。
ただし断りを入れておきたいのが「PS4(初期型)はUSB2.0接続」であるが、
当のベンチマーク結果は「USB3.0接続」のものであるということだ。
実際に使用した場合、もう若干のスコア低下があることを了承頂きたい。
※ここではMX100のスコアは計測していない
ということで見てみると・・・やはりUSB接続のためSATA3と同様とはならない。
SSDPlusはやはり廉価のため、結果が振るわないようである。
ただしWDS100T2B0AとSDSSDXPS-480Gはもはや誤差のレベルで有り、
やはりゲームを入れるSSDとしてはどちらを選んでもそこまでの差はないという結果だ。
~タイトル作成中~
【PS4のHDDをSSDへ換装しよう!】
まずはPS4に換装する動画をまとめてみた。
こちらは初期型の換装になるため、それ以外の型については別の型のレビューを参照いただきたい。
テキストでも簡単にまとめておいたので、要点だけつかみたい方はこちらを参照いただきたい。
1.HDDカバーを取り外す
他とは違う光沢のあるプラスチックカバー、これをスライドして取り外そう。
若干力が必要だったりするが、無理に力をかけずにツメを折らないよう気をつけよう
2.HDDトレイを留めているネジを取り外す
○×△□の刻印がされたネジを取り外そう。
3.HDDトレイを取り外す
HDDトレイをそのまま下に引き抜き、HDDトレイを取り外そう。
4.HDDトレイのネジを取り外す
HDDを留めている4つのネジを取り外そう。
5.HDDトレイにSSDを取り付け、ネジ留めをする
HDDトレイにSSDを取り付け、4つのネジを留めよう。
6.本体にHDDトレイを差し込み、ネジ留めをする。
本体にHDDトレイを差し込み、かちっと言うまで奥に入れよう。
奥に入ったことを確認して、再び○×△□の刻印の入ったネジで留めよう。
7.HDDカバーを取り付ける
最後にHDDカバーを取り付けて完成!
思ったより難しくは無く、動画や説明を身ながらであれば、誰にでもできそうだ。
しかしこれで換装は終わったが、やることはまだまだある。
次に何も入っていないSSDへ、PS4用のOSインストールを行う必要がある。
図にまとめてみたのでご覧いただきたい。
以上のようにUSBメモリをexFATでフォーマットしてから行えば、
全く難しくは無いと言うことがお分かり頂けるであろう。
なお、この手順を覚えておくと、トラブルがあったときに自力で解決できることが多くなる。
是非、頭の片隅にでも記憶して頂きたい。
【PS4で実際にゲームをプレイしてみよう】
次に実際にゲームをしたものを、動画として録画した。
プレイしたゲームは「コールオブデューティ ワールドウォー2(COD WW2)」
HDD、SSHD、SSDでインストールしたケースをそれぞれ、youtubeへアップロードした。
補足として、それぞれ下記の製品を使用している。
・HDD:MQ01ABD100H
・SSHD:ST1000LX001
・SSD:WDS100T2B0A
ちなみにOSのインストールは、上記図のとおりPS4再インストール手順をしたものと、
これを使用した、クローニングの2種類で試してみた。
両方とも問題なくPS4を使用することができたが、下記のような違いがあるので
参考情報として記載しておく。
○PS4再インストール手順の場合
<メリット>
・再インストールにかかる時間は長くて1時間程度(起動するだけなら一番速い)
・特に費用がかからない
<デメリット>
・例えば1TBモデルのHDDにデータを山ほど詰め込んだ場合、
クリーンインストールとなるため、全てを復旧する時間がとてつもなくかかる。
○クローニングの場合
<メリット>
・寝てる間or外出時にセットしておけば、手間なしで全てを終わらせることができる
<デメリット>
・費用がかかる
・ソフトウェアクローニングだと、成功しない可能性が高い
そんなにデータが入っていない場合or購入と同時に換装するのであれば、
PS4を再インストールした方が圧倒的に速い。
が、個人的には時間が許されるのであれば「クローニング」でのセットアップをオススメする。
現に私は1TBに結構データを詰め込んでいたわけだが、
データの復旧や設定の復旧、サブアカウントの復旧に恐ろしい時間を要したのだ。
個人的には、別途クローニング用のクレードルを購入してでも強くオススメしたい。
冗談抜きに、2度と同じことをやりたくないくらい疲れたのだ(笑)
【HDD】
【SSHD】
【SSD】
なお、没となったHDD版も一応リンクを貼っておく。
没となった理由は、録画したPCのスペック不足により、激しく動画がカクつき爽快感ゼロのため。
ちょっと内容的には、眠らせておくのはもったいないくらいいい試合だったのだ・・・
【各ストレージによる起動時間等を調べてみよう】
次に、ストレージ3種類による処理時間を比較してみた。
ゲームは下記2種類。
・コールオブデューティ WW2(BD版)
→マップのローディング時間を比較
・モンスターハンターワールド(ダウンロード版)
→ゲーム起動~タイトル時間の表示まで比較
→クエスト受注~クエスト開始までの比較
COPYRIGHT (c) 2017 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION
©CAPCOM CO., LTD. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
忙しい方のために比較結果+PS4の起動時間比較の一覧を残しておこう。
このような結果になった。
全般的にWDS100T2B0Aは速いが、PS4の起動時間自体にはさほど影響はないようだ。
このことから、
SATA2対応の初期型PS4でもSSD導入のメリットは十分あるという結果になった。
PS4proなら問答無用にオススメ。
初期型のPS4ですら、SSHDとは比べものにならない程のロード時間短縮効果を感じた。
そのため、SATA3対応のPS4proは問答無用にオススメしたい。
最近はダウンロード版もかなり多く出回っているため、
旧型PS4でも金銭的に余裕があるならイチオシの逸品だ。
また、換装をしなくても、外付けクレードルを使用して本製品を接続することも可能なため、
気軽に使用することができるのも大きな特徴だ。
昔と違い、SSDも容量あたりの単価が大分下がってきているため、
快適にゲームをプレイしたいと思われていたら、是非WDS100T2B0A導入をしてみてはいかがだろうか。
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