東方Project。もともとは東京電機大学の同人サークル作成のシューティングゲームを発祥とするが、大学卒業後サークル名を上海アリス幻樂団と改名し、現在も活動しているZUNが制作している同人作品およびそれに関係している作品群を示す。
自分はその元となった東方系ゲームを知らないので、どういう経緯であまたの2次創作を生み出すほどの同人プラットフォームになったのかはわからないが、現実としてその世界観を用いた同人誌や同人音楽、コスプレなどがコミケなどの同人マーケットでは巨大な勢力を形成しているらしい。
以前から紹介している東京アクティブNEETsにしても、自分はボカロ
や艦これジャズアレンジ
から入ったが、実は東方ジャズアレンジ楽曲こそサークルのとっかかりだったらしい。またその姉妹サークルであるオーケストラアレンジを手掛ける交響アクティブNEETsも東方系アレンジの方が艦これ系アレンジ
よりも作品数が多い。
艦これもゲーム本体はやっていないながら、その音楽やアニメの方は楽しんでいるのだが、東方系はハマると深みがありそうで敬遠していた。
でも、特典に惹かれてついをを出してしまったのが本作、“東方フィルハーモニー交響楽団6 風 第一幕”。
交響アクティブNEETsの東方系作品は、“東方フィルハーモニー交響楽団(通しナンバー)(元となったゲーム作品を表す漢字一文字)”という命名が原則で、6作目の本作は元作品が東方Project第10作で2007年発表の「東方風神録 〜 Mountain of Faith.」にちなんだものらしい。
当然元のゲームは知らないので、音楽そのものには思い入れはないのだが、店頭で試聴してみるとよかったのと、初回特典につられて買ってしまったわけ。
「稲田姫様に叱られるから」。小節割りが独特で耳に残る導入から、童謡のようなどこか懐かしい旋律がオーボエ、クラリネット、フルートによってふんわりと導入され、徐々に金管優勢となり盛り上がる。でもこの曲を前に進めているのは途中のピアノのブリッジ部分以外小音量ながら常に♪タンタカタッタッ♪と鳴り続ける小太鼓。
一番荘厳なのが?「フォールオブフォール」。ボウをいっぱいに使って滑らかに弾く1stヴァイオリンと細かく刻む残りの弦楽との対比が多層的で美しい。全体的にはストリングスモリモリという感じでクラシカル路線なのだが、サビだけはかなりキャッチー。ダイナミックでドラマチックで映画音楽のよう。
勇壮な曲調でありながらオーボエやフルートという木管系が優勢な「神さびた古戦場」。普通こういった戦闘を思わせる音楽は金管系で煌びやかに攻める場合が多いのだが、木管とホルンという柔らかめの音色の楽器が主旋律を取っているのが珍しい。でもフレーズには十分な緊迫感があり、戦闘系楽曲であるのが伝わる。あと小太鼓とティンパニ、シンバルの打楽器系が良い仕事している。そしてこの作品に手を出すきっかけとなったオマケDVDは「アクティブNEETsスペシャルDVD 2017春」というもので、内容は
1. 海原へ (艦JAZZ3より)
2. 冬の抜錨 (艦JAZZ2より)
3. 神さびた古戦場 (東方フィルハーモニー交響楽団6 風 第一幕より)
4. フラワリングナイト (東方フィルハーモニー交響楽団5 花より)
5. 色は匂へど散りぬるを (第1幕 協奏曲 色は匂へど散りぬるを SIDEBより)
6. 月に叢雲華に風~少女フラクタルバージョン (DVD限定収録)
というもの。いずれもYoutubeのActive NEETsのページに投稿されているものだが、これらの投稿は基本アルバムメドレーで、一部フルサイズ版が投稿されている曲もあるが、それとは異なる曲が収録されている。今回取り上げた“東方フィルハーモニー交響楽団6 風 第一幕”からも収録されているが...アレ?ピアニストが紅い流星ではないな。クレジットを見ても紅い流星はプロデュースに専念しているみたい。これは今後オケ版はそうなるということなのかな?いずれにしても元曲を知らない分音楽に引っ張られないし、高品位でとっつきやすい旋律を持つクラシカルミュージックとして「作業用BGM」としては最適で、なんかおいおい全部揃えそうだなー...でも「6」だし、「第一幕」だし...orz
【収録曲】
1. 稲田姫様に叱られるから
2. 厄神様の通り道
3. 芥川龍之介の河童
4. フォールオブフォール
5. 信仰は儚き人間のために
6. 神さびた古戦場
7. 明日ハレの日ケの昨日
「風神録メドレー 第一幕」
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購入金額
1,543円
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購入日
2017年05月13日
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購入場所
メロンブックス
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