レビューメディア「ジグソー」

紫外線で固まるプラスチック補修材

よく紫外線で固まる接着剤と紹介され以前より気になっていた商品ですが、値段が高く利用したいモノも無かったのでスルーしていました。

 

先日アクリル製品が割れてしまい、使用頻度・使用場所からわざわざ買い替えるまでもなく、補修して使用する事にしました。

強度の面からアロンアルファを使いたいところですが、以前にアクリル製品に使用したところ接着付近に粉を吹いたように白くなった事があり、今回は合成ゴム系の強力接着剤を使用しました。

接着は出来たもののどうも頼りなく、本品の事を思い出しました。

 

改めて本品の事を調べると販売ページや商品紹介をしている人は「接着剤」という言葉をよく使用していますが、接着剤というよりパテ等に近い商品のようです。

実際にパッケージにも接着剤という文字は無く

「修理・修繕・成形に最適」とある程度で、「UVライトで固まる液体プラスチック」とあります。

今回の場合は、接着した部分に盛って補強するといった使い方が出来そうです。

固まれば無色透明になるとの事で、アクリルの補修にはうってつけです。

更新: 2017/07/09

【外 観】

パッケージの状態で見えていますが、本体の他ケース、説明書が付いてきます。

UVライトはキャップの様にハマっているだけで、簡単に外れます。

反対側のキャップを外すとペン先が現われますが、かなり細めの管です。

詰まってしまわないか一瞬心配しましたが、UVライトを当てないと固まらないので細い管でも大丈夫なのですね。

ちなみにグリップの下を回転させるとタンク部分が外れる様になっています。
ただ交換リフィルはペン先ごと販売されていますので、自分で外す事はまず無いでしょう。

UVライトは使い切りで(電池交換出来そうですが)連続 8時間点灯できるそうです。
1箇所当たりの照射時間は 4秒で硬化という事ですから、消し忘れさえしなければかなりもちそうです。

ボタンが小さく、ボタンの先に誤動作防止のカバーがあるので爪でないと ON/OFFし辛いです。

更新: 2017/07/09

【仕様及び使用上の注意】

・温度耐性は -40℃ ~ 150℃まで

硬化すればプラスチックなので耐水性がありますから、補修したコップを食洗機にかける事も可能です。

 

・低電圧での絶縁体として使用可能

AC電圧 50V、DC電圧120Vまで適用出来ます。
パッケージに画像がありますが、充電ケーブルの補修等にも利用できます。

 

・使用時に塗布するのは 1mm厚程度まで

厚さが 1mmを越えて塗布すると硬化するのに時間がかかるので、厚塗りしたい場合は 1mm厚程度に塗布し硬化する事を繰り返します。この場合でも塗った層などは出来ずに、全体に透明になります。

 

・屋外で使用しない事

UVライトで硬化させる特性上、屋外で使用すると硬化してしまう事があるので、必ず屋内で使用するようにあります。

 

・保存目安は約1年間

空気に触れても硬化せず、黒いチューブと金属のケースで紫外線が遮断されていますが、1年位で使い切った方が良さそうです。

更新: 2017/07/09

利用例

今回補修したいモノは、アクリル製のペーパータオルケースのフタで、接着部分の補強として使用します。

 

先に書いた様に合成ゴム系の接着剤で既に結合しているので、その上に盛って補強します。

本来なら接着部にも本品を使用した方が良かったのですが、既に補修した部分を剥がして見栄えが悪くなっても嫌なのでこの様にしました。

補修したい部分に塗っていくと、ドロッとしていますがそれほど粘性は高くないので多少広がろうとしますが、表面張力によりある程度以上広がっていきません。

面白いのが、そのままではいつまで経っても変化は見られず、しばらく経ってから拭き取ってしまう事も出来ます(まぁそういうモノと分かって購入したのですが、実際に見ると不思議です)。

しかし一たび UVライトを当てると(一箇所4秒程度)、即座に固まります。

繰り返し塗布し両面を補強しました。

出来上がりは透明なカマボコの様に盛り上がっています(^^;

表面は塩ビの様な触り心地ですが、しっかり固まっているので爪を立てても削れることはありません。

ツルツルした面に使用する場合は、やすりなどで削った上で使用する方が良いらしいですが、今回そのまま塗布していますが全く剥がれそうにはありません。

更新: 2017/07/09
総評

空気に触れても固まらないので時間をかけて補修できる

接着剤の場合に困るのが、瞬間接着剤だとすぐに固まってしまうので接着位置がズレていたりすると大変です。

瞬間接着剤じゃない場合は、固まる前ならばズレの修正がききますが固まるまで時間がかかるので、その間にまたズレないようにしなくてはなりません。

 

それが BONDICならば、塗布後に補修位置の確認をした上で UVライトを当てればすぐに固まります。

 

今回は補強目的で使用しましたが、欠損部分に使用しパテの様に使い削ったり、型に流し込んでパーツを作ったりも出来ます。

 

面白い使い方としては、UVライトさえ当てられれば水の中でも硬化するので、水の入った水槽内でも接着が可能です。

また アクリルのカラーパウダーを混ぜる事で色を付ける事も出来るそうなので、本格的なパーツ作りに使えそうです。

 

ただ、一番の問題は価格です。

一本 4g入りで 80滴分しか使えません。

今回使ってみて 1滴で結構の範囲使えている感じですが、使用時にはポタポタと垂らして使う訳では無く、紫外線対策の為黒いチューブに入っているのでどの位残っているか分かりません。

今回の様な補強目的ならばともかく、パーツ作成なんてしたらすぐに無くなりそうです。

 

アイデア次第でいろいろ使えそうですが、価格を考えると怯んでしまいます(^^;;

  • 購入金額

    3,180円

  • 購入日

    2017年06月25日

  • 購入場所

    ヨドバシカメラ

25人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • sorrowさん

    2017/07/09

    おぉ、歯医者さんでやってくれるアレですね。紫外線で架橋するポリマー素材ということで原価は安そうですが。
  • atsuo@tokyoさん

    2017/07/10

    > sorrowさん

    BONDIC自体は元々 Kickstarterから出てきて、日本では MAKUAKEで先行テスト販売を昨年にしていました。
    販売しているところのうたい文句で「歯医者さんが開発した」ってよく書かれているので、最初の Kickstarterで発表した人が歯医者さんなんですかね。

    原価がどの位のモノかよく分かりませんが、米Amazonではスターターキットが $19.99 で売られているので、日本でももっと安くして欲しいですね。
    しかもアメリカで売られているスターターキットだと、交換用リフィルも 1本付いてくるので日本での販売価格をもう少しなんとかして欲しい所です。

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