Hans Dulfer。日本では芸名?「Dulfer」を使うテナーサックスプレイヤーとして識られているというよりは、美人サックスプレイヤーCandy Dulfer
の父親としての知名度の方が高いかもしれないが、彼は77歳(2017年7月現在)の今でも月に10日ほどはステージに立つ現役のミュージシャンでもある。
さすがにここ10年ほどは新録のオリジナルアルバムのリリースはないが、1990年代は精力的に活動し、来日も何度も果たした。
そんな彼の1996年の作品。元々ジャズ本流よりもラテンやファンクと言ったビート系を得意とする彼、1994年のヒットアルバム“Big Boy”に続く作品で、ファンク系ダンサブルチューンが並ぶ。
彼は母国オランダではラジオ番組も持っているようだが、そのDJのトークを模した?「Digscussion No. 1」を露払いにループガンガンの「Dig!」が始まる。ハッピーなジャズファンク。繋ぎのフレーズだけ音色がナローに絞ってあり、ちょっとノスタルジック。おやっさんはテナー吹きまくり。
ミドルテンポの「Smooth」は「お約束の」親娘共演。HansとCandy親娘は、互いのアルバムで吹くというのを習わしにしているようで、Candyの鋭いアルトがおやっさんの野太いテナーとはまた違う味わい。打ち込み風味が強く、ギターのリフも音符によって左右に散らされているのが新しく、若い世代のCandyフィーチャリング、という感じ。
「Grand Slam」はハッピーなビッグバンド風ダンスチューン??覚えやすいテーマはおやっさんならでは。かなり打ち込み色が強いがおやっさんの人間くさいソロで、全てが塗り替えられている感じ。この曲は面白い造りになっていて、「Grand Slam」としては4分で終わるが、ゲストプレイヤーBoris Vanderlekのテナーソロの「Extension 1」、Hans自身のソロ「Extension 2」、Hans Eijkenaarのドラムソロ「Extension 3」がくっついており、合計7分超の曲となっている。
今から20年前の音源だが、この時既にHansは60前。それでいてこの色気と感覚。そして曲もプレイも自身の表現という部分と聴く人を楽しませるという部分がうまく調和している。この良い意味での「大道芸人精神」はCandyにも色濃く受け継がれていて、彼女のステージもとても楽しい。こういう歳の取り方って、いいよね?
【収録曲】*:Bonus Track
1. Digscussion No. 1
2. Dig!
3. Digstortion
4. Streetfire
5. Red Moon
6. Smooth
7. Grand Slam
8. Grand Slam Extension 1
9. Grand Slam Extension 2
10. Grand Slam Extension 3
11. Double Dutch
12. Moby Dig
13. Digscussion No. 2
14. Quikotones
15. Intro To
16. Hyperbeat
17. Much More Dig! *
18. More Dig! *
「Grand Slam(含むExtension 1~3)」
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購入金額
2,500円
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購入日
1997年頃
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購入場所
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