以前からSENNHEISER IE8/80用のリケーブルについて何度か掲載していますが、私自身は正常なIE80を所有しておらず、よく似た別製品を何個か持っているため、それらと組み合わせるためにリケーブルを入手しています。そのため、本物のSENNHEISER製品で使った場合とは印象が異なる可能性があることをご了承下さい。
今までNOBUNAGA LABS製のIE8/80用リケーブルは各種試したのですが、もう少し上のグレードのケーブルも使ってみようと思い、店頭で在庫処分となっていたZEPHONE Silver Dragon MkIIのIE8/80対応品である、このEI-11を買ってきたのです。
Silver Dragon MkIIはケーブルの被膜がかなり硬く、端子側の形状から実質的にSHURE掛け専用となります。太さもイヤフォン用としては太く、取り回しという意味では少々難があります。
線材は銀メッキ銅ということで、クリアの皮膜でそのまま銀の色を見せているというデザインです。コネクターは定評あるNeutrik製の3.5mmステレオL字プラグであり、全体的にそこそこという水準の部品で構成されているというべきでしょうか。
まるで別のイヤフォンになったかのような変化
それでは試聴してみましょう。プレイヤーは以下の2台を使いました。
まず音を出してすぐに驚いたのは、今までTR-IE3に合わせて装着していたイヤーピースでは、妙にハイ上がりとなってしまったということです。急遽イヤーピースをSONY製のハイブリッドイヤーピース(XBA-A2標準添付品)に変更しての試聴としました。
その上で改めて音質を評価してみると、なかなかのパワー型というべきでしょうか。低域の押し出しが目に見えて良くなり、ベースラインがグイグイ迫ってくるようなイメージとなります。一般的に銀コート線材のケーブルは力感が弱いものが多いのですが、この製品にはその傾向は全く当てはまりません。
また、イヤーピースが異なるため単純比較は出来ないのですが、高域方向は量だけで無くキレが増し、そのために今まではさほど気にならなかった高域が強調されて聞こえるようになったのでしょう。
その一方で音場はTR-IE3と比べてもそれほど広がっていない印象で、中域の密度も低域・高域が目立つようになる分少々物足りなさを感じる部分があります。そのため、アコースティック系の音でまとめられた楽曲ではやや地味な印象を受ける事があります。
弦楽器の質感なども悪くはないのですが、ヴォーカルが少々バックの演奏に埋もれがちの感じられることがあり、この辺りは好みが分かれる部分でしょう。AK100IIとDAC-HA300では、音場が広がり中域の密度が濃いDAC-HA300との相性が良好でしょう。
なお、先に皮膜の硬さについて触れていますが、その割には思ったよりはタッチノイズ等は少ないかも知れません。あくまで「思ったよりは」であり、そこそこ発生しますが。
現在SENNHEISER IE80が4万円前後という価格帯の製品であり、本製品はオヤイデ電気の標準価格で9,975円ですから、リケーブルとしては割合妥当かつ手頃な価格とみるべきでしょう。率直に言って見た目は価格帯の割にあまり格好良いとは思いませんが、リケーブルで明確なキャラクター付けをしてみたいという方には試していただきたい品です。
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購入金額
5,130円
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購入日
2017年04月08日
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購入場所
オヤイデ電気
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