TAKE 6。その名の通り6人組のコーラスグループ。ゴスペル~ジャズ系をルーツに持つアカペラグループ。...といっても自分としては彼等にとっての新たな挑戦=バンドサウンドによる伴奏を大幅に取り入れた作品
から遡ったので、TAKE 6=アカペラグループという印象に乏しいのだけれど、この作品は彼等のデビューアルバムで純アカペラアルバム。
元は前述の“Join the Band”でのAMBROSIA
の名曲「Biggest Part Of Me」や、同じアルバムの中でのStevie Wanderとの共演曲が印象に強かったので、洒落た感じのジャズ系エッセンスを持つコーラスグループといったイメージだったが、本作“TAKE 6(doo be doo wap bop!)”はかなりゴスペルチックで声のパワーに溢れている。
この時の布陣は、アマチュア時代からの中心人物Claude V. McKnight Ⅲ 、Claudeのアマグループ時代の練習中に飛び入り参加してその後加入したMark Kibble、後に音楽プロデューサーの道を選びグループ最初の脱退者となったMervyn Warren、深いベースパートのAlvin Chea、2011年に2番目のそして2017年現在最後の脱退者となったCedric Dent、パーカッションヴォイス担当のDavid Thomasの6人(ちなみにTAKE 6の名の通り彼等は6人構成を保っており、抜けた二人の代わりにはそれぞれ代わりのメンバーが加わっている)。
この作品はコーラスグループのデビュー作らしく、人声とフィンガースナップだけのシンプルな構成で、あまり奇をてらったアレンジでもないが、それだけに彼等の「上手さ」が堪能できる。
本作にはいわゆるスタンダード曲も多く収められているが、オリジナル曲「Spread Love」はシャウト気味の声やヴォイスパーカッションも刺激が強めの音を出していて古くさい感じはない。当時まだ20代の彼等の良い意味での若さが感じられる曲。
「Mary」はフィンガースナップのアクセントでスピード感を付けた彼等のコーラスが、包み込むようにそして波のように押し寄せてくる。緩急、強弱のダイナミクスと下をズンっと包み込むAlvinのベースパートが気持ちいいな。
続く「David And Goliath」はスタンダード曲だが、元となった旧約聖書の「デビデとゴリアテ(デイヴィッドとゴライアス)」の故事を語るこの曲を上手く語り調のセリフを混ぜながら歌い上げるが、説教臭くないそのカッコよさ!
この後レーベルの方針だったのか、彼等はどんどん人声以外の比率を高め、cybercatとの出逢いのバックミュージック付の“Join the Band”に至るわけだが、やっぱりこの荒削りで、でもピュアな人声だけのパワーもすごいなと。そもそも彼等に興味を持ったのはAMBROSIAの曲の別ヴァージョンを歌うアーティストとして...だったのだけれど、この彼等のルーツであり、音楽のルーツでもある人声のみの作品も悪くはないな、と思ったり。
【収録曲】
1. Gold Mine
2. Spread Love
3. If We Ever
4. A Quiet Place
5. Mary
6. David And Goliath
7. Get Away, Jordan
8. He Never Sleeps
9. Milky-White Way
10. Let The Words
「Spread Love」
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購入金額
2,200円
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購入日
1995年頃
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購入場所
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