所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストによって「似合う刻」があるものがある。ジャンルによる部分もあるがヴォーカリストのキャラクター、曲の作り、アレンジ、音の作り...、明るめの曲を歌っても夜を感じさせる作品があります。そんな夜に似合うアルバムをご紹介します。
SADE。ナイジェリア生まれのイギリス人女性ヴォーカリストSade Aduを中心とするユニット。他にサックスとギターのStuart Matthewman、キーボードのAndrew Hale、ベースのPaul S. Denmanの3人からなる。1980年代中盤からこの固定メンバーで活動していながら、まだ6作しか作品を残していない。ただそれはいずれもかなり濃密で「濃い」作品となっている。
そんな彼らの、これは一作目。爆発的なヒットではなかったがじわじわと売れ続け、そしてイギリスSmooth Jazz界、R&B界で確固たる地位を築いていた。まさに忍び寄る夜のように..PVもモノトーンの作りだったのを思い出す。
そんな彼らの世界を表した代表曲「Smooth Operator」で幕を開ける。単調なリズムにサックスのオブリガード、パーカッシブでCOOLなローズ、間奏でソロを取るのはまずベース!続いて夜の似合う楽器サックスが続き、もう一度SadeのCOOLで温度感の希薄なシャウトレスのヴォーカルにつながる。色彩的にも漆黒。
3曲目の「Hang On To Your Love」もサックスがギターに、ローズがアコピに代わったくらいで同様なカラーの漆黒の世界。ベースのイントロ~エフェクトかけたギターのカッティングがイカしてる(←死語)。
「Cherry Pie」はリズム的にはもう少し激しい曲で、ヴォーカルもやや声を張り上げる場面もあるのだが、やはり情熱は内側に行く。
短調の曲ばかりなわけではなく、「Your Love Is King」や「When Am I Going To Make A Living」といった明るめの曲もあるのだが、アルバム全体を覆う闇の衣を翻すほどではない(そういえば長調の曲は皆短いな)。とても大人の、音楽。
最近は少し音色のカラーが変わってきてパーカッションの比重が大きくなったり、生ギターが入ってよりアーシィにカリビアンになってきたけど、やっぱり彼女たちは「夜」の使者です。
夜、濃いめの酒をやりながら...
【収録曲】
1. Smooth Operator
2. Your Love Is King
3. Hang On To Your Love
4. Frankies First Affair
5. When Am I Going To Make A Living
6. Cherry Pie
7. Sally
8. I Will Be Your Friend
9. Why Can't We Live Together
「Smooth Operator」
熱を感じない空気感が他には出せない
独特のSADEの世界は唯一無二。「Smooth Operator」だけでも聴くべき。
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購入金額
2,300円
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購入日
1994年頃
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購入場所
ナンチャンさん
2011/06/13
懐かしい(^^ゞ
昔クラブ通いしてた時によく流れてました(^^)
cybercatさん
2011/06/13
>懐かしい(^^ゞ
お互い歳バレ。
>昔クラブ通いしてた時によく流れてました(^^)
を!かっちょええ~!
ナンチャンさん
2011/06/13
jive9821さん
2015/09/13
cybercatさん
2015/09/13
jive9821さん
2015/09/13
私が持っているLPは、前述のページで「UK Album Version」と解説されている方が収録されていたということなんですね。
cybercatさん
2015/09/13
見分け方(聴き分け方?)が詳しく書かれているので、実家に帰ったら確かめてみよう(今回一部レビューを手直ししたので表層に浮かび上がりましたが、レビューそのものは古く、今手元にディスクがない)。
baelさん
2022/08/04
cybercatさん
2022/08/04
あの頃と比較すると、カーステレオはカセットテープ⇒CD(一時的にMDと共存)⇒HDD⇒メモリ⇒スマホの音源化と劇的に変わってきましたね。
でも、この曲は独特の「時代レス」な音造りと、SADEの唯一無二な声が、時の経過を感じさせません。