先日不良在庫の新品処分品を割合安く買うことが出来た、Westone UM2RC。
リケーブル対応品ではあるのですが、Westoneの現行モデルとは異なりMMCX端子ではなく、CIM 2Pin配列のケーブルを利用するものとなっています。ただ、CIM 2Pinであっても端子部付近のハウジング形状の都合で使えるケーブルはさほど多くは無く、Westone 2Pin対応と明記されたケーブルでなければ装着できない可能性は結構あります。実際に同じCIM 2Pin形状のケーブルを利用するJH Audio Michelleのケーブルでは辛うじて音を出すことは出来るものの、コネクターに軽く接触する程度にしか挿さりません。僅かにでも動かしたら外れてしまうほどであり、使えると表現できる状況ではありません。
折角リケーブル対応なのですから他のケーブル、それも出来ればバランス接続のケーブルを試してみたいと思ったのですが、割合手ごろな価格帯にはWestone 2Pin互換のバランスケーブルなどそもそもありません。アンバランスでも選択肢がさほど無いほどなのです。
かといって自作するにしても、コネクター周りの形状など制約が多く難しそうですし、手先の不器用さに自信がある私としては避けたい難易度となることは間違いありません。強いていえば安く出ている3.5mmステレオミニ端子のリケーブルを入手して、2.5mm4極端子に付け替える程度でしょうか。
そう思い、多少状態が悪くても良いので安い対応ケーブルが無いかと中古品を探していると、目にとまったのが、このZEPHONE EW-15(改造品)というものでした。
商品説明には「当店改造品」としか書かれていなかったのですが、写真を確認してみるとどう見ても2.5mm4極端子に改造されたEW-15なのです。これなら改造の手間が省けますし、非正規品ということで価格も比較的手頃になっていましたので、早速購入してみました。
外装は多少劣化が感じられますが、値段を考えれば贅沢は言えません。ここまで要求にぴったりの品が出てきただけでも幸運と言えますし…。
ワンランク以上製品のグレードが上がった感覚
早速UM2RC+Astell&Kern AK100IIの組み合わせで試聴してみましょう。
まず高域方向が若干大人しいという傾向自体は純正ケーブル使用時と同様なのですが、低域方向の力感が大きく向上し、全帯域に渡って解像度や緻密さが向上したことがはっきりとわかります。
「Now / Chicago」では高域方向の不足感が薄れ、殆ど気にならないという程度にまで改善されますし、ホーンの質感やベースラインの明瞭度が大きく向上するため、UM2RC自体が1グレードかそれ以上格上の製品のように感じられるようになります。
ただ、なかなか面白いと感じられるのは2ウェイ2ユニットのBAモデルであるUM2RCですが、その割に質・量ともに最も充実しているのが中域だという点です。シングルBAのEtymotic Research ER4-PTに近い傾向の音です。もっとも、個々の音の表現に優れるER4-PTに対して、UM2RCは音場や空間の表現を得意とするという違いはありますが。
曲によってはリケーブル後でもハイハットの帯域の量がもう少しあって欲しいと感じられることもあるのですが、その点を考慮したとしても1万円以下クラスではなかなか得られない音場の広さと密度感です。何となくで買っただけのUM2RCを、常用品の一つに加えて良いと感じられるほどの高い満足感が得られるようになりました。
同じEW-15の未改造品と使い比べてみなければ接続法による違いなのか、ケーブルの品質の違いなのかは判断できませんが、それでも払った金額以上の満足感が得られたことは間違いありません。
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購入金額
3,000円
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購入日
2017年05月02日
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購入場所
eイヤホン
harmankardonさん
2017/05/16
私は,無改造のEL-21を持っていますが,いいですよね.
jive9821さん
2017/05/16
有難うございます。実はこれとは全く別のZEPHONE製ケーブルをもう1つ買ったのですが、これについては5月に入ってからの体調の悪さなどもあり、文章を書けるほど使い込めていませんので、また後日レビューをまとめたいと思います。
むしろスーツのレビューの方を先に仕上げないといけませんが…。