レビューメディア「ジグソー」

Core Pシリーズ最小モデル(小さくはない)

Thermaltakeのオープンフレームケース「Core P」シリーズの最小モデル。

前からこのオープンフレームシリーズは気になっていたのだがCore P5はもちろんCore P3ですら結構でかいのでなかなか購入に踏み切れなかったのだが更に小さいCore P1 TGが登場するときいて…

 

ちょうどITXマザーに3スログラボとかいうバカな構成を試したかったのもあり発売日に購入。

分解された状態のITXケースだとナメていたのだが何気にパッケージの総重量は10kgくらい。秋葉原から時間がかかるのもありヒーコラ。せめて最寄り駅に車を置いてくるんだった…

 

対応マザーはITXマザー専用。Core P3はATXまで対応していたのにいきなりITX専用とは割り切ったカタチなのだが…

それにしちゃ随分でかい。面積だけ見ればITXマザーが4枚は載るし他のモノ考えなきゃATXマザーだってのっかるサイズ。しかしあくまでITXケースと言い張る度胸。本体の反対側に張り出した脚があるのもあり占有容積はMicroATXケースどころか小柄なATXケースレベルだ。

 

Core P3に対してフレーム自体の大きさは奥行・高さ共に10cm弱小さくなっているのだが、逆に言えば10cm分のサイズ差を受け入れればATXマザーに対応し汎用性の高いCore P3になるのだから悩みどころ(しかも実売価格に大差はない)。

基本的にはCore P3以上の設計を踏襲しているようだが、Core P1 TGだけの特徴として側面パネルが強化ガラスになっている点がある(P3はアクリル)。恐らく製品名のTGはそれを表している。なのでCore P3より小さいのに公称重量は同じくらい。だからヒーコラしたんだよ。あと写真の写りこみで苦労したんだよ。

 

パッケージ内容はケース一式(バラバラ)とタイラップ、ビープスピーカーなど。梱包はしっかりされているのでそういう意味では手持ちの持ち帰りも大丈夫。

 

そしてPCIexpressライザーケーブル。フレームの中に隠れて梱包されているので最初無いのかと焦った。このライザーケーブルは単品で買うと結構高いものなので13000円のケースでこれがついてくるのはうれしい。

更新: 2017/05/05
組み立て易さ

自由度は高いが組み付け順がシビアな面も

先述の通りバラバラ状態。

 

ケース自体も組み立てるので普通のPCより時間はかかる。組み立て作業自体は大した工程数ではないのだが、全体的にネジ穴が硬めなのと説明書が小さくて見難くどのネジを使ったらいいのか悩んだり後述の組み立て順序のミス等で結構時間を食われてしまった。

 

縦置きと横置きが可能。特に縦置き用の脚は重く大きい。この脚のせいで幅が広がっているので設置面積は結構でかいのだ。シルバーの棒はガラスパネルを支えるものでこちらも重い。当然ガラスパネルも重い。総重量はスカスカな見た目に反してかなり重くなる。

 

またこのケース、マザーボードの取り付け位置を3か所から選べるようになっている。

ただ公式の説明書や商品紹介にいい画像が無かったので公式の画像を加工してわかりやすくしてみた

 

ご覧の通り。標準位置のみ拡張カードの通常配置とライザーカードの垂直配置の選択が可能。

今回はマザー標準位置の拡張カード垂直配置(画像右上)、ケースは縦置きで組み立てているのでそれ前提の内容であることは注意。

 

 

ケースの構造を判りやすく言えば「タワーケースの裏配線部分だけクローズド状態」な感じ。

なので配線の通し方は見た目以上に悩みやすい。しかもコレ、クローズ状態の部分にHDDベイや壁掛けマウント用の金具が入っているのでその中全てを配線に使えるわけではない。

 

特に気になるのが配線を表に出す穴。どちらも(他のマザー配置を考慮したのかもしれないが)標準配置だとマザーの下に隠れてしまう位置。なのでマザー装着前にケーブルを通す必要がある。

 

それだけならいいのだが、背面側でも隠れていて下の穴は壁掛け金具の裏の隙間からつっこむしかなく、上の穴はHDDベイが穴の一部を潰すようにくっついていてHDDベイを外さないと24pinコネクタを通せない(コネクタを通してしまえばケーブル自体はHDDベイがあっても通せる)。そしてこのHDDベイは表側からネジ止めされているので…

 

HDDベイを外す(使う場合はこの時点でHDD固定)

→24pinケーブルを穴に通す

→HDDベイを固定しなおす

→最後にマザーボードを固定する

(メンテナンスホールはないのでバックパネル式クーラーは先にマザーへ固定必須)

 

と、とても回りくどい方法になる。電源ユニットの24pinがプラグイン式でない場合は更に「先に電源ユニットを固定しておく」という手順まで来るわけだ。ここまで複雑にないにしろ全体的に「順番を間違えるとやりなおすしかない」部分が多く説明書には特にそのことが書いていないし、使用パーツによっても変化するので何度か組みなおすのは覚悟したほうがいい。

 

…まあ元々DIYやMODユーザー向けのカスタムベースのようなケースなのでその辺は自分でどうにかしろというスタンスなのだろう。

余談だが一回り大きいCoreP3系なら穴位置を写真で見る限りここまで複雑じゃなさそう。

更新: 2017/05/05
拡張性

さえぎるものはほぼない

グラフィックボードの最大長は当初280mmと書いてあったが…

まあ見るからに遮蔽物の無いデザインなので誤植だったらしくパッケージには訂正がはいって380mmになっている。なので330mmのDevil13も余裕余裕。

280mmというのは水冷ラジエータ等を使用したときのサイズかと思ったがそれを考えるとむしろ240mm程度に収めた方がよさそうだ。

 

垂直配置の場合付属のライザーケーブルと専用フレームを使う。ライザーケーブルの固定部は思っていたよりしっかりしている上に、フレームも電源ユニット部と接続することで剛性を確保するカタチになっている。なるほど電源ユニットは本体が硬いので土台としてはピッタリだ。

当然だが5スロット分の枠があってもITX板自体が1スロットしかないので他は使えない。配線がごちゃつくのを許容すればスロット装着型アクセサリ固定に使える。

 

ジャッキが付属するような重量級カードや重たい水冷ヘッドを搭載したカードでも安心して使える。特にITXマザーはネジ穴が4か所しかなくグラボの重みでたわみやすいのでこのライザーケーブル式配置は安心感。

 

フロント側側面は12cm幅のラジエータを埋め込めるデザインになっている。本格水冷ならリザーバー等の位置に悩みそうだが、簡易水冷ならグラボ側への干渉は無視できるのでグラボはフルサイズで使える。

固定基部はフレキシブルでラジエータ位置の微調整もラク。

また12cmファンと同じ穴位置を持つ2.5インチSSDマウンタが2個付属しているのでラジエータを使わない場合はこの位置にSSDを2つ搭載できる(但しその形状の為L字系SATAコネクタ/電源コネクタは使用不可)

 

一方空冷クーラーを使う場合はグラボとの干渉に注意する必要がある。

2スロットグラボ垂直配置の場合高さ10cmくらいのクーラーが限度(今回は3スロットグラボなので更にやばい)。ソケット位置が離れていればグラボの上に避けるような取り回しができそうだがX99E-ITXではギリギリ無理だった。

 

結局今回はNarrowILMソケットの特種マザーというのもあり、空冷クーラーは断念。他の写真の通りCorsairの120mm簡易水冷を装着している(しかしX99E-ITX付属のNarrowILMマウンタはCoolermaster用なのでそれを改造して無理やりCorsairを装着している。ファンはENRMAXだしわけがわからないよ)

 

電源ユニットは180mmまで対応し大容量電源も安心。というか電源の固定位置の基準はケース前方側なので短い電源だと前につめて設置するカタチになる。なので短尺電源だと少し見栄えが悪いかも。

更新: 2017/05/05
デザイン性

ステキなパーツ展示台

ホコリが入りまくるという難点があるものの、周囲がガラ空きでいくらでも放熱できるので(延長ケーブル等を使って組み換えのメンテナンス性を上げれば)ベンチ台的な使い方にも耐える。

ただやはり本領は「魅せる」PCだろう。特にグラボを見せるのには最高クラス。マザーはITXかつグラボに隠れてしまうが。

 

バカでかいグラボを使ったせいもあるが12cm簡易水冷ですら案外配線とかキツくなってしまったので本格水冷組み込み難易度は(自分は未経験なのでなんともいえないが)少し高そう。

しかし組みあがったPCをニヤニヤ眺めるにはステキ。X99E-ITXとDevil13という2大ゲテモノパーツを飾るには我ながらベストなチョイスだったと思う。

 

ITXの「コンパクト」というメリットをドブに捨てるどころかドブに突っ込んで自ら泥まみれになるようなレベルのサイズだし、だからといって組みやすいわけでもないし完成してもホコリ入りまくるし、同デザインでATXマザーが搭載できるCoreP3と実売価格に殆ど差が無いと「冷静に考えると…あれ?」ってなるようなケースだが、それでも欲しいと思ったら買って満足できるハズ。

自分も実際悩んだ挙句買ったけど満足してる…けど、しつこいようだけどCoreP3のほうがATX板も使えるし余裕もありそうだからよさそうにみえるんだよなー…

 

 

それにしてもさ、この完成PCさ…

 

X99E-ITXの「帯域は無駄になるがコンパクトなX99マシンが作れる」

Devil13の「帯域不足のマシンでもCFXができる」

 

を見事に相殺したデメリットの塊みたいなマシンになってますよね…

  • 購入金額

    12,938円

  • 購入日

    2017年04月28日

  • 購入場所

    Tsukumo本店

32人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • cybercatさん

    2017/05/05

    ま、PC自作は今となっては性能的にも金額的にもメーカーPCやBTO-PCに比べて優位性はないので、自己満足が全てとはいうものの…
    ……とはいうものの…………




    素晴らしい!w
  • hidechanさん

    2017/05/05

    変態マザーに、ゲテモノグラボ!
    さらに、埃とか知らねーよと言わんばかりの浪漫ケース!!!
    最高です^^
    後は、前面パネルをアクリルに換装して、
    透かし彫りで菊月を入れてLEDで照らしたら完成ですね(*´▽`*)
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