先日ヘッドフォン・イヤフォンケーブルを数本自作したときに、秋葉原まで出向いている時間が無かったので、オヤイデ電気を中心とした通販で材料を揃えていました。
ついでに何かお買い得品でもないかとリストを眺めていると、目に付いたのが在庫処分で大幅に価格が下がった、このHPC-MSLでした。
手持ちのヘッドフォンの中には、両端ともステレオミニ端子というケーブルを使っているものがいくつかありますので、そのリケーブル用として悪くなさそうだったので、ついでに買っておいたのです。
通販で買ったのですが、店頭の処分品をそのまま送ってきたような感じですね。普段の店頭特価品と同じラベルが貼付されていました。
元々1.2mで3,000円と、オーディオ用としてはさほど高級ではないケーブルですから、見た目はごく普通ですね。
端子は両端共に斜めです。L字が装着できない環境もあればストレートがまずい環境もあるということで、最大公約数を取ったということでしょうか。個人的には片側はL字の方が使いやすい気もしますが…。
なお、このケーブルは2014年発売で既に生産完了となっています。導体はPCOCC-Aであり、ケーブル部にはオヤイデ電気で単売されていたHPC-28-4Uが採用されています。ステレオミニプラグ付きHPC-28-4Uが1.2mで1,200円ですから、人によってはこれを買って自作ケーブルの材料にしてしまうのかも知れません。私は勿論しませんが…。
リケーブルとして楽しめる程度の実力は持つ
さて、折角ですので手持ちのヘッドフォンの中から、このケーブルでリケーブル出来そうなヘッドフォンを選んで試聴してみましょう。
純正ケーブルの両端がステレオミニプラグというと、この2つが出てきました。ちなみに同じMDR-1系でもMDR-1ADACはリモコン用の4極プラグを採用しているため、ステレオミニプラグのケーブルでは正しく音は出ません。
写真はSONY MDR-1Rとの組み合わせです。実はオヤイデ電気の製品情報に掲載されている写真でもMDR-1Rと組み合わせていましたので、これであれば問題ないことは間違いないでしょう。
まずはそのMDR-1Rで聴いてみましたが、純正ケーブルとの比較では低域と高域で解像度と透明感は向上するのですが、やや中低域の密度が失われる傾向があります。実はMDR-1Rも添付ケーブルはPCOCC導体採用のなかなか凝ったものであり、PCOCCの入手が困難になったことから本体に若干の改良を加え、OFCケーブルに変更したMDR-1RMK2へとモデルチェンジされたというものでした。それだけにこのクラスの添付ケーブルとしては非常に質が高いものなのです。恐らく単品販売したらHPC-MSLと同等かそれ以上の価格となっていたものでしょう。
そこで今度はFOSTEX T50RP mk3nと組み合わせてみましょう。T50RP mk3nでは添付ケーブルに対して低域の解像度と重量感が向上しました。また、ヴォーカルもややはっきりとする傾向があります。高域は少しだけ付帯音が取れるのか、量こそ変わらないものの刺激が少し大人しくなるようです。こちらは1ランクとまでいわないものの0.5ランクは向上しますし、少し傾向の違いも楽しめますのでリケーブルの意味はあるでしょう。
というわけで、決して高価なケーブルではないので、交換すれば元より良くなるとは断言できません。ただ、現在の売価であれば極めてコストパフォーマンスが高い品であることは疑う余地がありません。
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購入金額
1,296円
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購入日
2017年03月26日
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購入場所
オヤイデ電気 オンラインショップ
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