jamiroquai。20世紀末のacid jazzブームの代表的アーティスト。acid jazzは「jazz」とは言っても4ビート系の「いわゆる」jazzをベースにするのではなく、UKクラブシーンで流行ったジャズファンク系の音楽。見た目はロックやファンクといったわかりやすい構成をとりながら、ジャズ風のCOOLなコード理論をベースにした作風のジャンル。そして「acid jazz」はその音楽ジャンルを牽引したレーベル名でもある。
jamiroquaiはデビューシングル“When You Gonna Learn”はそのacid jazzレーベルからのリリースで、オーストラリアの原住民アボリジニの楽器DIGERIDOOを使った、アーシィで、でも新しい息吹の感じられるジャズファンクだったが、その後SONYと大型契約を結んで、よりポップな方向も取り入れ大ブレイク。
その後シングルリリースされる楽曲はキャッチ―な曲が中心だったが、売れすぎたアーティストに見られる現象が。Michael Jacksonなどでも見られたことだが、アルバムがビッグヒットになりすぎてシングルカットする曲がなくなってくるという状態に。そうなると1発目や次点にには選ばれなかったような曲がシングルとして世に出てくる。そしてそんな曲こそ、そのアーティストのコアな部分に触れるような曲であることが多い。
「Stillness in time」。この曲、シングルとしてのアピール度は大きくはないが、実に無国籍で、粋で、メッセージ性が高く、オリジナリティに溢れている。♪There's a stillness in time♪(時の中には沈黙がある)と哲学的に歌い出すも、「二人でどこまでも行こう」ともとれるような♪Now my darkest days are trouble free/There's no place where I would rather be/Than this journey of discovery♪へと帰着する。ブラジルフレーバーがあるアレンジで間奏のフルートがオシャレ。そしてこの曲を下からグイグイ進ませる、ゴキゲンにランニングするベースはStuart Zender!
「Space Clav」はそのStuartがjamiro初期のブレーンToby Smithと創ったインスト曲。これもループコードの小曲で、バンドメンバーがスタジオで遊ぶ感じのテイク。フルートの調べがCOOL!
「Emergency On Planet Earth (London Rican Mix)」は1stアルバムのタイトルチューン。
この「London Rican Mix」ではループコードにリズムマシンのループが乗っかりExtendされたイントロにシンセベースが切り込んでくるところがメチャカッコよい。歌が始まっても元曲のようにシンセなどがあまり出っ張ることはなく、ループコード+リズムマシン+シンセベースが優勢でJKayのキレの良いヴォーカルがフィチャーされているダンストラック仕上げ。
特に最初の2曲は直接のアピール度は決して高くない。でも普段はJKayの存在感溢れるヴォーカルやダンサブルなビートに隠れてしまうjamiroの「粋」が判る曲でもある。本来なかなか陽の当たる場所に出そうにない曲だけれど、この芯に「粋」があるというテイストも彼等の魅力なんだな、と思ったり...
【収録曲】
1. Stillness in time
2. Space Clav
3. Emergency On Planet Earth (London Rican Mix)
4. Half The Man (Album Version)
「Stillness in time」
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購入金額
1,500円
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購入日
1994年頃
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購入場所
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