所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティスト、とくにバンドに関しては、The Doobie BrothersやChicago、あるいはGenesisのように大幅なメンバーチェンジと音楽性の変遷を経て、長い歴史の中で再び、あるいは三度と輝きを放つグループもありますが、人気や曲の質が落ちたわけではなくとも、「名盤」と呼ばれる作品が初期に多いバンドは多いものです。それは方向性の模索にともなう新規性だったり、世の中に自分たちの音楽性を問うて行こうという気概だったりが現れているからでしょうか。偉大なAcid Jazz/Pop Funkグループの「初期三部作」と呼ばれる作品群の最後の作品をご紹介します。
....とは言っても。この作品を取り上げるのは最初ではない。
jamiroquai。Acid JazzというJazzとFunkとSoulがクラブシーンでもまれたCOOLでダンサブルなジャンルの終末期の代表的なアーティスト。オーストラリアの民族楽器Didgeridoo(ディジュリドゥ)をフィーチャリングした“Emergency on Planet Earth”
でデビューした彼等は、強烈な個性を放つヴォーカリストJ Kayの印象に残る声といでたち、パフォーマンスに、キャッチーで良質な踊れるAcid Jazz系の楽曲が合わさり、見事に成功する。その後も現在も活動は続いているが、最初の足かけ4年で出した3枚の作品がリリース間隔としても凝縮しており、メンバーも初期からJ Kayを支えたメンツが多く残っていて、一番「jamiroクサイ」。
そんな彼らのデビュー20周年(2013年)を記念して制作された「記念エディション」。
構成としては、オリジナルアルバムはデジタルリマスタリングされ、J Kay本人による「当時を語る」ライナーノーツ、そしてライヴやリミックスを集めたレアトラック集CDという構成(従って2枚組)。
クラブシーンの支持を得て出てきたjamiroquaiは、当時たくさんのリミックスをバリエーションとして持っていたのだが、
それらのほとんどはシングル収録で現在は入手しづらいし、ライヴはCDとしてはリリースされていない(映像作品DVD/BDはある)。
そのレアトラック目当てで購入して見た。
「Bullet」はイントロのスクラッチBメロの柔らかいブラスの音とふくよかな音のエレキギターのミュートリズム、「いかにも」なシンセサイザー音の対比が面白いインスト曲。コンサートの幕開けまでに流されるような感じのフレーズで、これは「曲未満」という感じだが、彼らのセンスの良さが光る。
「Slipin' 'N' Slidin'」はCOOLな循環コードのヴォーカルレスの曲で、これも曲のアイデア、という感じだが、ブラスのラインがCOOLで、こっちはかなり完成度が高い。途中のブラスの盛り上がるところとばらけた感じのハンドクラップがルーズなノリ。これはメロディラインを書いて、ヴォーカル乗せたらイケてるのになぁ...
そして“Travelling Without Moving”本編の方にもシカケがあった。クレジットは12曲目までしかかないのだが、13曲目にシークレットトラックとして「Funktion」が収められる。自分の持つ国内盤オリジナルアルバムでは「Do U Know Where You're Comming From (featuring m-BEAT)」となっていたところが差し替えられた形。ちょっとフルめの音造り、カウントから始まり(しかも一度笑い声が入りやり直すw)ちょっと粗めのグルーヴがスタジオ練習みたいな感じでイイ感じだ。
DISC2後半のライヴは“Live in Verona”としてDVD発売されていたものなので、そんなにレア度が高いわけではないが、いかなコンプリーターcybercatであってもすべては網羅していない彼らのシングルにしか入っていない、リミックスや習作ともいえる曲の断片たち。彼らの、J Kayのとがった感性を識るにはいい題材。
コレクター気質も満足させられたし!←ソコ?w
【収録曲】
・DISC1-Travelling Without Moving-
1. Virtual Insanity
2. Cosmic Girl
3. Use The Force
4. Everyday
5. Alright
6. High Times
7. Drifting Along
8. Didjerama
9. Didjital Vibrations
10. Travelling Without Moving
11. You Are My Love
12. Spend A Lifetime
13. Funktion
・DISC 2
1. Virtual Insanity (Salaam Remi Mix)
2. Cosmic Girl (Quasar Mix)
3. Alright (Alan Braxe and Fred Falke Remix)
4. High Times (Sanchez Radio Edit)
5. Do U Know Where You're Coming From (Full Horns Mix)
6. Bullet
7. Slipin' 'N' Slidin'
8. Hollywood Swinging
9. Alright (Live at the Verona Amphitheatre)
10. Virtual Insanity (Live at the Verona Amphitheatre)
「Slipin' 'N' Slidin'」
現在では入手しづらくなっているオリジナルアルバム未収録曲が多く収録。ただ、彼らの諸作を完全コンプリートしている人に対する「掘り出し物」の庫出し音源はないので、超レア、ということはない。
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購入金額
2,730円
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購入日
2013年頃
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購入場所
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