そこそこの種類のイヤフォン・ヘッドフォンを使ってきましたが、実は意外とリケーブルのデファクトスタンダードともいえるMMCX端子を採用する製品は持っていません。ざっと見回してみても、
程度しかないのではないかと思います。しかも厳密に言えばIE-HF300はMMCXコネクターだが完全互換ではないと公表されていましたし、XBA-A2も公称では「ソニーイヤーレシーバー専用プラグ」です。MMCXと公式に認められているのはUltimateEars UE900だけなのです。
以前UE900については、アンバランス接続用としてFiiO RC-SE1を、バランス接続用としてonso iect_01_bl2m_b_120を、それぞれ用意してそこそこ高い満足度は得ていました。
ただ、アンバランス接続用のRC-SE1はXBA-A2でも利用可能な形状であり、純正ケーブルよりは音質も良好であったことから、最近ではXBA-A2の方に付けっぱなしという状況でした。Astell&Kern AK100IIでUE900を使う場合にはバランスケーブルで用が足りるのですが、Pioneer XDP-100Rなど他のプレイヤーでアンバランス接続することを想定すると、もう1本一定以上の水準のケーブルが欲しいと思っていたのです。
そこで目に付いた中で最も価格的に手頃だった、このREC-130SH-Sを購入してみたのです。
ちなみに、このケーブルは厳密にはSHURE SEシリーズ専用品という扱いであり、MMCX汎用というわけではありません。写真の通りUE900には問題なく使えましたが、XBA-A2には形状の都合で装着できません。
UE900の弱点を上手く補う
形状の都合で、自動的に唯一装着可能だったUltimateEars UE900で試聴するということになります。
以前AK100IIのレビューで書きましたが、UltimateEars標準添付ケーブルではAK100IIとUE900の相性は極めて悪いものでした。UE900自体が元々低域方向の重量感や密度はそれほどない製品ですが、純正ケーブルではその傾向に拍車がかかり、異様に密度の薄い音場が形成されるというイメージでした。
同じAK100IIとの組み合わせでも、onso iect_01_bl2m_b_120を使ってバランス接続する分にはそこまでひどい音ではなく、個性の範疇で収まる程度でしたし、FiiO RC-SE1との組み合わせでもある程度弱点が緩和されるため、普段UE900を使う場合にはこの2本のいずれかを組み合わせて使っていたのです。
一方で今回用意したREC-130SH-Sですが、まず低域方向の重量感はUE900の性質上出ません。
ただ、純正ケーブルで大幅に不足していた中低域の密度がぐっと増すため、ふわりと柔らかく広がるいかにもBAらしい音場を楽しむことができ、これはこれでなかなか好感の持てる音といえます。
特に標準ケーブルで不満が出やすかったヴォーカル帯域の厚みが出ますので、ミディアムテンポ以下のヴォーカル曲などはかなり魅力的といえるでしょう。
とはいえ、ヴォーカルがグイグイ前に来るような感じではなく、一歩引いた位置から聴いているように感じられる辺りはいかにもUE900の音です。その意味では元の特徴を忠実に残しつつ、明確な弱点を上手く補ってくれるというべきでしょうか。
RC-SE1と同じくリケーブルの中でも実売価格はかなり安価な部類の製品ですが、価格に対して十分以上の効果は見せてくれました。これもタッチノイズがやや多めなどという弱点はありますが、十分にコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
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購入金額
3,500円
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購入日
2017年01月14日
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購入場所
フジヤエービック
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