今回、オリンパスのフラッグシップモデルである、OM-D E-M1 MarkIIを使用する機会を得た。
カメラグランプリ 2017において、OM-D E-M1 Mark IIが「大賞」と「あなたが選ぶベストカメラ賞」を、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROが「レンズ賞」を受賞した記念のモニターキャンペーンに当選したのだ。
https://fotopus.com/index.html/module/Park/action/CampaignTop/c/70123/740028
OM-D E-M1 Mark IIは、オリンパスのマイクロフォーサーズ規格(以下、m4/3)のミラーレス一眼だが、ラインナップ中の最上位モデルで、前身のE-M1において一眼レフシステムのEシリーズの後継機としても位置付けられるプロの要求にも耐えうるフラッグシップモデルだ。
そして、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは、m4/3用交換レンズの中でも、高品質なPROシリーズにおける初の便利ズームだ。
約1ヶ月使ってみたので、使用感などをレビューしてみたい。
銀塩OMシリーズを思い出させるデザイン
初めて手にした一眼レフが、オリンパス OM-1だった。
E-M1 Mark IIは、そのOM-1から始まったOMシリーズのDNAを受け継ぐデザインが魅力だ。
大きく深いグリップは、モータードライブやワインダーを装着したときのようで、ホールドも良い。
背面はデジカメらしく大きな3型液晶パネルを搭載するが、バリアングルモニターなので、縦横問わずハイアングル、ローアングルでの撮影がし易いはずだ。
付属するストラップは、OLYMPUSロゴと、E-M1 Mark IIと入ったもの。
だが、使い慣れたPeakDesignのストラップを使うことにした。
これは、EOS KISS X7に使用しているもの。
三角環がついているため、ストラップ(今回はアンカー)の取り付けはし易い。
APS-CサイズのEOS 70Dに、ほぼ同じ焦点レンジの18-135mm装着時と比べてみた。
(35mm換算で、70D:29-216mm相当 E-M1 Mark II:24-200mm相当)
OMイズムはこのコンパクトさにも現れている。
フラッグシップモデルならではの機能満載
主なスペック
- 撮像センサー:4/3型Live MOSセンサー 有効画素2037万画素
- 記録媒体:SD/SDHC/SDXC対応デュアルスロット スロット1はUHS-I/II対応
- 手ぶれ補正:ボディー内手ぶれ補正(撮像センサーシフト式5軸手ぶれ補正)
- ファインダー:約236万画素液晶ビューファインダー
- モニター:約104万画素 3型2軸可動式液晶 静電容量式タッチパネル
- 測距点:121点(クロスタイプ位相差AF)、121点(コントラストAF)
- 電子制御フォーカルプレーンシャッター:1/8000~60秒
- 電子先幕シャッター:1/320~60秒
- 電子シャッター:1/32000~60秒
- 連写速度:AF/AE追従最高18コマ/秒、高速H設定時約15コマ/秒
- 防塵防滴構造
- その他:ハイレゾショット、ライブコンポジット撮影、インターバル撮影、深度合成など
書ききれないほど機能満載で、内容的にもフラッグシップモデルらしくハイスペックだ。
連写はとても速い。
EOS 70Dの7枚/秒ならば、高速のままでも1枚撮影が可能だが、E-M1 Mark IIではシャッターボタンを軽く押しただけで、3~4枚は撮れてしまう。
2枚のSDカードは、スロット1のカードにRAW形式、スロット2のカードにはLサイズファインのJPG形式などとスロットごとに保存データ形式を指定できる。
バッテリーは容量は1720mAhの専用リチウムイオン充電池のBLH-1で、残量は%表示されるのでわかりやすい。使用上の撮影可能枚数は約440枚だ。
実際に使った感じとしては、ミラーレスなのでバッテリー消費は速い。
今回の試用期間内では、一日中ガッツリ撮影って使い方はしなかったが、撮影を目的として出掛ける場合は、予備バッテリーが必要になりそうだ。
一眼レフに負けない連写速度と、高速AFによる動体撮影も得意とするモデルらしく、レスポンスはとても良い。今回の試用期間内では、この高速性を活かす動体撮影の機会がなかったのは残念だ。
各スイッチのカスタマイズで自分好みの操作が可能
このカメラに装備された各種ボタンは、ボタンに割り当てる機能をカスタマイズできる。
各ボタンの機能をカスタマイズすることで、自分好みの操作性を得られるのはとても便利だった。
絞り優先(Aモード)で撮影することが多いのだが、デフォルトではシャッターボタン部のダイヤルが露出補正、背面側が絞り選択だったが、普段使用する一眼レフに合わせて前(シャッターボタン)側を絞り選択、後ろ側を露出補正にすることで、慣れた操作性に近づけることが出来た。
特に便利だったのはAFターゲットパッドだ
デフォルトではOFFになっているが、機能をONすると、ファインダーを覗いてシャッターボタンを半押ししたときに、背面液晶パネルをなぞることで、AFターゲットの位置移動が可能だ。
測距点が多くなっても、自動選択では狙ったポイントを外すことも多い。
今までは、中央一点にしておいて、ファインダー中央の被写体にピントを合わせ、カメラを振って画角を合わせて、シャッター全押し。って撮り方が多かったが、この場合、動きの早いものはシャッターチャンスを逃すことも多々ある。
それが、AFターゲットパッドを使えば、ファインダー内で画角を合わせつつ、AFターゲットを移動させてピント合わせができるので、シャッターチャンスを逃しにくい。
また、付属するフラッシュFL-LM3も優れている。
小型でガイドナンバーは9.1、電源は本体から供給なので、本格的な使用には向かないが、ちょっとしたフラッシュ撮影には充分だし、驚くなかれ、このフラッシュはバウンスが可能だ。
光量は少ないが、手軽にバウンス撮影できるのは、フラッシュ撮影の機会を増やしてくれそうだ。
ただ、電源が本体からの供給なので、バッテリーの持ちに影響するところが心配ではある。
一眼レフとは異なる使用感
約1ヶ月使ってみて感じたこと
- 良いところ
- ボタンのカスタマイズで使いやすさアップ
併用する(今まで使っていた)カメラと同じ操作性にしやすく、違和感なく操作することができる。 - AFターゲットパット
ファインダーを覗きながら、AFポイントを変更したいとき、液晶パネルをなぞるだけで、任意の場所にAFポイントを変更できる。
EOSでも、ライブビュー時にタッチフォーカスで任意の場所にAFポイントを設定できるが、ファインダー撮影時に簡単に変更できるのは、とても便利だった。 - 優れた手ブレ補正性能
ボディ内手ブレ補正は、撮像センサーシフト式の5軸補正で、約5.5段分の効果があるが、レンズ内補正機能を持つM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとの組み合わせでは、5軸シンクロ手ぶれ補正で6.5段分の補正効果が得られる。
この手ブレ補正は強力で、通常手持ちでは撮れない1~2秒のシャッター速度でもブレのない写真が撮れるほど。 - 深度合成機能
マクロレンズを使った近接撮影時は、被写界深度が浅くなるため、ピントの合う範囲が狭くなる。そのため、ある程度絞り込んで被写界深度を稼ぐ必要があるが、そうなると、背景がうるさくなったり、シャッター速度が遅くなってしまう。
深度合成とは、対応するマクロレンズを使用すると、ピント位置を少しずつずらした写真を8枚連写して合成するもので、ピンと範囲の深い(広い)写真が得られる。
- ボタンのカスタマイズで使いやすさアップ
- 残念だったところ
- バッテリー消費が激しい
ミラーレスの場合、液晶パネルもしくは液晶ビューファインダー(EVF)に表示させる必要が有るため、光学ファインダー(OVF)の一眼レフよりも消費電力面で不利になる。
バッテリーフル充電からの標準撮影可能枚数は約440枚で、EOS 70Dの850枚の半分近い。
実際に使っていても、ベッテリー残量の減りが早い。 - 液晶ビューファインダー(EVF)
ミラーレスと一眼レフの大きな違いが、ファインダーへの像の表示方法だ。
一眼レフでは、レンズを透過した光をミラーで反射させ、直接ファインダーで確認することができる。(OVF)
一方ミラーレスでは、レンズを透過した光を撮像素子で受け、その信号をファインダー内の液晶の表示している。
EVFでは、ホワイトバランスや露出補正結果が次反映され、撮影結果に近い画像が予め確認できるメリットは有るが、OVFに慣れた身にとっては、見た目と異なる映像にやや違和感がある。
また、PLフィルターを装着した際に、フィルターを回転させて効果を確認する歳、変化がわかりにくいと感じた。
E-M1 Mark IIには、OVFシミュレーションって機能もあるが、設定を変えてもOVFに近くなるわけではなかった。
- バッテリー消費が激しい
というのが主な感想。
作例
オリンパスブルーの青空が美しい
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購入金額
0円
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購入日
2017年07月15日
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購入場所
ホーリーさん
2018/10/26